元を大切にすることが、人間関係を発展させます。
今から20年以上前、話し方教室に通い勉強を続けていた時に、
発表会の司会のお役を頂きました。
私は、河本先生の教室に通っていたいましたが、
司会のために、その教室の大先生、
憧れの 森恭子先生の個人レッスンを受けさせて頂くことが出来ました。
厳しいレッスンのお蔭で、
森先生から、「良かった。 よく練習したね。」と
無事、褒めて頂くことができ、
とても嬉しくて、嬉しくて、有頂天になって(だったと思います。)
その日のうちに、森先生に感謝のお礼状を出しました。
礼状が届いた頃、 森先生からお電話を頂きました。
「 お手紙ありがとう。とても嬉しかったわ。…」
と、 美しく 軽やかでやさしさ溢れるお声が受話器から流れてきて、
私は 涙ぐむほど感激しながらそのお声を聴いていたのですが
しばらくお話しをしてから 先生が仰ったのです。
「 それで、河本さんのところにもお礼状を書きましたね?」
・・・・・・・
出していなかったのです。
水曜日になったら、教室があるから、河本先生にはその時に言えばいいと
思っていたのです。
手紙は、森先生にだけしか出していないことを伝えると・・
個人レッスンの時の比ではない、厳しい声で
「あなた、 何やっているの!
あなたの先生は、 河本さんでしょう。
河本さんのお蔭で、あなたは学べているのでしょう。
河本さんがいたから、あなたは私に、会えたのでしょう。
感謝の出来ない人は 嫌いです。
元に 感謝の出来ない人は、 最低です。
順番が 違います。
私は、 順番を違える人が 嫌いです。
二度と、私のところには手紙もよこさないでください。」
ガチャン。
烈火のごとく叱られて、電話は切られてしまいました。
怖いのと、恥ずかしさと、申し訳なさと、
河本先生にも森先生にも、お会いできないことをしてしまったという
悲しさと、自己嫌悪の中で泣き暮らし、次の教室日
河本先生に、恐る恐る森先生との一件を話し、謝りました・・・・・
「あら、えりちゃん、そんなこと、いいのよ。
だって、 すぐに教室で会えるんですもの。
教室であった時に、 お礼を言ってくださったら、
それで、いいのよ。
私は、何とも思ってないわ。 気にしなくていいわ。
いま、ありがとうって言ってもらえたから、ほら これで、十分。
でも、森先生は、私たちを育てようと思ってくださっているから
きつく言われたのだと思うわ。
森先生には、えりちゃんの気持ちを伝えておくから
心配しないでね。 大丈夫。 」
本当に有り難いことに、河本先生がやさしい方だったからお許しいただき
そのお蔭で、 教室をやめることなく、
今もこうして、この世界に身を置かせて頂いていますが、
このことは、人として本当に大切なことでした。
元を大切にしない・順番を守らないと、人を大切にしない・礼儀をわきまえない
感謝がない、平気で人を利用する etc, ・・と思われて、
人としての信用を無くします。
順番を大切にすること。
誰のお蔭で出逢うことができたか、ご縁を頂くことができたか
いつも感謝を忘れずに、元を大切にすること。
ご紹介くださった方のお蔭で、ご縁の出来た方からお誘いや仕事の依頼を頂いた時は
必ず、ご相談やご報告をすること。
ご縁を頂いた方に、こちらから何かお願いをする時は、なおさらです。
ご紹介してくださった元の方をとばして、依頼などしてはお顔を潰すことになります。
元を大事にしなさいと きつく叱られたこと。
本当に、 有り難いことだったと、
その後の人生の中で事あるごとに、感謝しています。
そして、もし自分がとばされた時には、
河本先生の様に、やさしく許せる人になりたいと存じております。