一昨日夜中、ふと目が覚めたら、テレビを付けたままうたた寝していて、画面に見逃していた

「NHKスペシャル 大前光市 辻本知彦 光と影二人のダンサー 紅白舞台裏のドラマ」が、映っていました。
そのまま釘付けになりました。
平井堅さんの ノンフィクション。あの切ない歌。
平井堅さんの自死なさった友人への想いを歌われた ノンフィクション と、コラボして踊っていらっしゃった義足のダンサーが、

大前光市さん
決して豊かではなかった生活の中、一流のダンサーになることを夢見て、誰にも負けない程の努力を重ね、
辻本知彦さんと一緒に、光の中に立つはずだった
光の存在になるはずだった直前に、
暴走車にはねられて左足切断。
それでもダンサーへの夢を諦めないで義足のプロダンサーとなられた
大前さんの人生、姿にも、感動・感動・感動でしたが、
その大前さんの紅白でのダンスの指導・演出をなさっていた、

辻本知彦さんの大きさ、プロ意識、芸術・ダンスへの情熱、人への深い愛情にも息を飲みました。
感動でした。
紅白が、迫ってくる中、必死で練習を続ける大前さんのダンスに、
健常者に負けない様に、健常者と同じ様に、美しく、上手に踊りたい
という、大前さんの心を、見て取られました。
きれいに正しく上手に踊るのではない、
大前光市だからこそ踊れるダンスを表現しなさい、形ではない、と。
辻本さんから要求されることは、頭ではわかる、けれど、では、何が違うのか、どうしたらいいのか分からず、もがき続けている大前さんの姿をじっと見つめ続けて
切断された左足を使っていないこと、動かそうとしていないことに気づいて辻本さんは告げられました。
そして、左足を使う練習を休みなくされ徐々に左足でも踊れるようになっても、それでも、まだ、掴みきれずにいた大前さんに、
ある日、
辻本さんは自分の体を重ねられます。
すっと大前さんの体に自分の体を重ね、巻きつけ、
自分の体の、心の、自由さ、自然さ、しなやかさを伝え、
彼が自分の頭で考えて踊るのでなく、辻本さんの体に全てを預けて、なされるがままに、動かされるがままに、
辻本さんから求められるもの(天が与えられるもの・・)を、
受け取り、そのまま返す・・・。
力を抜いて自然に動かされることを感じ取らせる
たましいで踊る指導をされたところは、拝見していて一番私が感動した場面でした。
大前さんへの、ダンスへの、芸術への、深い愛がなければ、
また、豊かで高い技術も感性も、人間性もなければ、
導くことは出来なかったと存じます。
紅白の舞台、大前さんのダンスを涙をこぼしながらご覧になっていた辻本さん。
あの練習の日々、片足だけで踊る大前さんの右膝が、もう限界まできていたこと。
それを隠してレッスンを続けていらした大前さんのこと、
きっと辻本さんは、すべて分かっていらしたと存じます。
それでも、黙って練習を続けさせたのは、ご自身も何度もそういう場面を乗り越えていらしたからだと存じます。

紅白で、平井堅さんと大前さんのダンスを見ながら、大前さんのダンス、切断された左膝下が、ものすごく豊かに動くのねー、
なくなった足をよく使って踊られるのねーと、感動しながら拝見していたのですが、
そのダンスは、このような日々の中で掴まれたものだったと知りました。
義足のダンサー大前光市さんと
大前さんのダンスをさらなる芸術に、高みへと導かれた
ダンサー 辻本知彦さんに  二人のひかり
大きな大きな拍手を送りました🌸