つづき
セイクド・ダンス(聖なる踊り)は
イギリス・スコットランドの北端フィンドフォーン村にある
共同体「フィンドフォーン」で発達したダンスの一種です。
世界中からもちよったメロディに合わせて、
老若男女だれでも参加できるサークルダンスです。
瞑想ダンスともいえ、集中すれば禅的心境に至ります。
ダンスの参加者のメインは年輩の村人で、
「この年齢で、いまさらダンス?」という
見物者スタンスがありありの方々が、
一人、また一人輪の中に入って行って、皆が笑顔で楽しそうでした。
普段の寡黙な厳つい表情が消え、
幼児のような無邪気な笑顔に戻り、
ワークショップが終わった時には、
10歳以上若返っていたように思います。
私も初対面なのに、以前から村人だったような感覚で、
和気あいあいとして盛り上がりました。
前夜の土砂降りがうそのように止み、曇り空でしたが、
ダンスが盛り上がってくると、空もはれ、
虹まで出てきて祝福してくれました。
懇親会の後、向かったのは
千町にある標高700mの高所にある山小屋。
そこが、宿泊場所です。
近くを流れる小川を利用した自家発電は600wまでしか使えません。
携帯電話の電波も届かない場所で、夜中に、
山中を道なき道を、村人の案内で車列を連ねて山上に向かいます。
野生の鹿や熊も生息しているという場所です。
たどり着いた山小屋は、薪ストーブの暖炉がある
冒険心をくすぐるログハウスになっており、
女子中学生から70代の男女15名ほどの参加者が、
寝袋にくるまり、一夜を過ごすのです。
すると、案内してくれた村の世話役の方が、
ウォーターレジというバンドマンに早変わりし、
12時過ぎまで歓迎のライブをやってくださいました。
世話役の一人も帰るのが惜しくなったのでしょう、
ロッジに泊まられました。
山小屋の朝は早く、5時過ぎには白みだし、
晩秋の心地よい冷気が一面を覆います。
草を食んでいた小鹿が、
私たちの姿に驚いて母鹿のもとに逃げてゆきます。
小鹿と交代に麓から、
昨夜のバンドマンだった世話役の方が、
早朝に移動する人たちを迎えに来てくださいました。
初対面の参加者、初対面の村人、
初対面の世話役の方々が、
竹馬の友のような関係になり、また行きたくなりました。
描いたシナリオ通りだったかどうかは聞いていませんが、
とても感動的で印象深い2日間でした。
どのような状況になるかを綿密にシミュレーションしながら
準備しないと、イベントがぶち壊しになるだけでなく、
参加者や関係者の命の危険さえ伴う場合があります。
今回の企画に際して、何度も行き来して、
打合せして、連絡を取り合って、
準備したことでしょう。
これらの準備がなければ、
「行き当たりばっちり」の軌跡は起きません。
仕事を進めるうえで、
とても気づきが多かったワークショップでした。
株式会社目加田経営事務所
目加田さん、 本当に ありがとうございます。
お蔭様。お蔭様です。