先日伺わせて頂いた自治研修所で。
1回目の休憩時間が終わるころ、 席に戻ってきてくださった
ひとりの男性が にこやかに声を掛けてくださいました。
 「 お蔭で、 すごく 今 リラックスできて  部屋も暖まり
   みんなも  笑顔になりましたけど・・・
   始めは、緊張して 皆 硬い表情で 部屋も寒々・・。
   恐らく いつも研修の始まりはそうだと思うのですが、
   そんな顔を前に 話し始めるの、辛いでしょう?
   すごく大変な仕事ですね。  私も、 自分が前に出て
   あの状態から 話すと考えたら きついですよ。」...


 「 そうですね~。  あの固さは 嬉しくはないですが・・・
。 
   大変 では ないですよ。 」
それから、 お話を聴いて頂きました。

30代の終わりころ 初めて伺った、ある大学の就職面接セミナー

その当時の私には、やる気がなくて 態度が悪い と映る学生が
沢山 沢山。
お話を終え、最後に  何か質問は? と 申しますと
中でも一番態度が悪いと思っていた  男子学生が
横を向き、肘をついたまま  のそっと手を上げました。
あなたが質問? と思いながら 伺いますと
彼の質問は こうでした。
 「人の話を聴く時は  どこを見ていたらいいんですか?」

(人の話を聴く時は、相手を見る、相手の目を見て、反応を返す)
ことは  常識  当たり前 と思っていた
その当時の私には、想像も出来なかった質問でした。
更に驚いたのは、 彼のその声に、会場内のあちらこちら
態度が悪い と思っていた学生さんたちから、 私も、僕も
わからなかった  という声が上がったこと。

お聴きしますと、核家族の多い現在、親がお仕事で
 家庭内でほとんど 孤食。
一緒の場合も  テレビを観ながら・・で 家族と顔を合わせて
語ることが 少ない。
塾の送り迎えの車の後部座席で、お弁当の夕食という人も・・。
友達と遊ぶ時も、ゲームボーイ、パソコン・・。
一緒にいても、 それぞれに画面を見ている・・。

誰も 教えてくれなかった・・。 わからなかった・・・。
  不安だった・・。 

(顔を見るのは 失礼かと思って・・、
でも下ばかり見ているのも変かと思って、 
      時々 横を向いたりしていた・・。)

前述の学生の言葉に、申し訳なさで一杯になりました。

自分の常識・当たり前が  みんなの常識・当たり前と思うのは
傲慢です。  
こんなに 不安を抱え悩みながら身を置いてくださっていた
若者たちに、なんてひどいことを感じていたのでしょう。

こんなに大きくなるまで、不安なままで過ごさせて、
自分の言葉や、姿勢、 態度、 全身
自分の姿で伝えてこなかったのは
大人の責任。   私の責任。

彼らは、やる気がないのでも、態度が悪いのでもなく
その態度や、表情、言葉が、どれ程 相手に嫌な思いをさせるか
知らなかった、  わからなかった だけなのです。

それならば、 丁寧に お伝えしなければ・・・。
気付いて頂かなければ・・。
私が 頂いたお蔭で こんなに幸せになれた接遇マナー・おもてな


気付いて頂いて、 身に着けて頂いて
彼らが 自分の人生を  未来を  夢をもって、叶えて
いきいきと 自信を持って 楽しく生きていけるように

そして、 今度は、彼らから 次世代に伝えて頂けるように
出会わせて頂いた私は、 精一杯   喜んで
お手伝いさせて頂かなければ・・。

そう思うと、 申し訳なさ・責任感と共に 喜びがいっぱい
湧き上がってきました。

だから、 毎回、 喜びでいっぱい。 
私との出会いで、 笑顔になってくださったり
背筋を伸ばしてくださったり、 心をうけとめて頂けると
嬉しくて、 感謝で一杯です。   と。

皆様、 微笑みながらお聴きくださって、 さらに
和やかに、 積極的な 空気になってくださいました。

ちなみに、お伝えしている お話の聴き方
 基本の あ い う え お 。
あ・・ 相手をみる。 目だけでなく、体ごと正面をあわせて。
い・・ 一生懸命に。聴きたくない話でも、自分の耳と心を開いて

    自分の器が 広がります。
う・・ うなずきながら。  反応をかえして。
え・・ 笑顔で。 もちろん話の内容によりますが
    話はじめられるのは、やはり 穏やかな微笑みの顔。
お・・ おしまいまで。 途中で、はやとちりしたり
     さえぎったり否定したりしないで。

そして、 繰り返す。 気持ちをくむ  と 続きます。