(  続きです  )


ときにあまてる  みことのり   むかしふたかみ


あわうたお  ひことにうたひ  やをよろか


   時にアマテル様が ヒルコ姫様に  お言葉を発せられた


   その昔、イサナキ、イサナミ様の二神が  アワ歌を


   日々に歌い続け国を巡ること 八百万日(やをよろか)



おこなひゐたる  このすえに  われうけつきて


むすふてに  あさことうたふ  ゐくとせか


    歌い続けてきた この道統を 


    私アマテルも受け継ぎ  手で印相を組み


    朝毎歌うこと  幾年か



いまたかかさす   このおして  


たまきのつくる     おしえくさ


    私が今も欠かさない この教えの手印は


    タマキネ様(トヨケカミ)の作られた 教えを示す


    仕草である



あまかみまねく  みはしらき  にこころうつす


うつわもの  そのみかたちに   すすめこふ


    天の神々を招く ヒモロギの御柱(みはしら)は


    宇宙の原初神アメミヲヤの息(原初のエネルギー)を映す


    器物であり   その形象としての器に


    アメミヲヤの息が降りてくるようにと願い奉る



ふかきむねある    そめふたお


まかせたまわる    ニフのかみ


    このように深い意味のある 形象を宇簡(ふだ)に


    するようにと  任せられたのが 


     ニフの神たる ヒルコ姫さまである



ここにヒルコは ゐものしに  かなあやにさせ


あまねくに   おしゆるみなも  ワカヒルメ


    ここにおいて ヒルコ姫様は 鋳物師に命じ


    銅板に文字を刻ませ  広く国全体に教えたので


    和歌の姫君と 讃えられた



ニフのゐさおし  ををいなるかな


    ニフの神、ワカヒルメ様のご功績は


    なんと偉大なことでしょうか



  (注)  として


    「ゐものし」は、鋳物師と漢字で置き換えてよいか。

    

    ヒルコ姫は、水銀製錬集団を率いていたとすると、

    金属加工の技術を持っていたとしても不思議ではない。


    「め」は、女ではなく、裏に引きこもろうとする求心力の力、

     「お」は、男ではなく 表に顕れようとする力、遠心力を

     意味するのではないか。