先週、私が大変尊敬しているTさんからお電話を頂きました。


Tさんは、経営者としてだけでなく、何十年も少年刑務所に通って支援なさったり、


人間育ての塾や社会活動など様々な活動をなさっている、本当に立派な方です。

Tさんと初めてお会いしたのは、H18年4月。


養心の会播磨でご講演を頂いた時でした。


私は、高校生だった息子と一緒に参加させて頂き、


息子のことを気に入ってくださったお蔭で、以来私たち親子の


心強い応援団として、ご指導いただいたりお電話いただいたり、


本当にここまで想ってくださるのですか・・と驚くほど、


ずっとあたたかく見守ってきてくださっている方のおひとりです。



ですから、Tさんからのお電話は、自然に背筋が伸び、家で受けた時は


いつも思わず正座になっておりました。


ところが、今回のお電話、 いつもと少し違ったのです。


第一声をお聴きして、


その声の、明るさ、やさしさ、あたたかさ、若々しさに驚きました。


そして、何かわからないのだけれど  許されている・・ 


そんな気持ちがしたのです・・。


いつものように、背筋を正して聴いているのですが、とても楽なのです。


この感覚は、何かしら・・と感じていましたら、お話をお聴きしてわかりました。


実は、Tさんは、3年ほど前、大病をなさいまして、2年間ほど音信不通、


そして、昨年の春、闘病生活だったので失礼いたしました、と


丁寧なお電話を頂いておりました。


 今回、その闘病生活で学んだことを、


先輩としてお伝えしますとお話くださったのです。



 Tさんは、その大変な闘病生活の中で、生まれて初めて、


無気力を体験なさったそうです。

ただ、ベッドに寝ているだけでも、物凄く、辛く、苦しい日々・・。


無気力になっているそんな自分を 責める日々・・・。


心配した見舞客が、口にする (がんばれ ) は、一瞬で殺意を抱いた・・。


( わかるよ。)と言われたら、(お前なんかに、何がわかる)


と心の中で叫んだ。


そんな時には、ただ、(そうか。 そうか。) と、


聴いてくれるだけでいいんですよ。    聴いてほしいんですよ。


 これまでは、無気力ということが、全く理解できなかった・・・。


体験して、初めて  わかった・・・。


辛い体験も、尊く、素晴らしい学びの時間でした。



その方が、何も語られなくても、


豊かなものをお持ちになれば、それはあたたかな声に現れる。


自分をゆるし、人を許されると、 大きな、大きな愛や、やさしさを伝える・・。


ただお声を聴くだけで、ただお会いするだけで、


 何も語られなくても、内面はすべて こんなにも外にあふれ出る。


ただいるだけで、あたたかさを、やさしさを、  ゆるしを


  伝えられる私になりたい・・・。


なれるように魂を 磨いていきたい  と存じました。