10月のはじめ、京都からの仕事の帰り、


電車の中、うとうとと眠ってしまい、西明石のあたりで 


ふっと目が覚めました。


ぼんやりした頭のまま、ふと前を見ると


ボックス席の向かいに、小学校2年生くらいの女の子。


色白で涼やかな目をした可愛い子と目が合いました。


その瞬間、はにかんだような笑顔とともに彼女の口から、


小さな澄んだ声で  「 こんにちは。」


      あわてて私も、    「 こんにちは。 」


眠っていた大人の私、 恥ずかしくなりました。


見ると、隣には妹らしい小さな女の子が座っていて、


ふたりとも背中には、大きなリュックを背負っています。


「ふたりだけで電車に乗っているの?」と尋ねると、


お母さんはあっちの席に・・・と、少し不安そうな様子で


姿勢よく座ったまま、 妹の手をしっかり握っています。


これから皆でおじいちゃんの家に休暇を過ごしにいらっしゃる


ということでした。


特に何もなく、


ただ一緒に座っていて、少しお話しをしていただけですが


姫路駅に着いたとき、若く美しいお母様が迎えにいらっしゃって、


子ども達が立ち上がると、


「 お世話になりました。ありがとうございました。」


と、 さっと会釈しながらご挨拶くださいました。


子ども達も、口々に


「 ありがとうございました。 さようなら。」 と、挨拶し、


先に降りていきました。


あ~、 さすがに・・の言葉が自然に口から出ておりました。


爽やかな風が吹いた様な、そんな気持ちでございました。