2012第13回九州志帥塾、養心の会ヒューマン倶楽部200回記念で


お世話人の前田さんに 届けられ、


代理として朗読させて頂いた フ・ク・シ・マ の 詩を ご紹介します。



    農夫は泣きながら



    トラクターで



    青々と実った稲を



    踏み潰していく。



    妻は稲穂をなでながら



    「こんなに育ったのに、ごめんね」 と、



    そっと胸に押し抱く。



    二人を見詰める老婆は



    息子が運転するトラクターを



    見て、力なく つぶやく。



    「ああ、終りだ、何もかも 終りだ・・・。



     折角 実った稲を・・・

 


     あんなふうに・・・。



     いまに バチが当たる。



     もう生きていても仕方ない



     稲と一緒に・・・



        死んだ方がマシだ・・・」 と。


    

      ここは フクシマ


      少しづつ 死んでゆく

 

             フ・ク・シ・マ 。


    

     

      はじめは 人々の            


      熱い 期待を 受けて、


      きっとセシウムを


      吸い上げてくれると


      あたり一面に 種をまかれた


      ヒマワリ。


      発芽し、やがて大輪の


      花をつけ、 ヒマワリは


      陽に向かい


      無邪気に 陽の光を 浴びて


      キラキラと 輝いている。


      ある日、ヒマワリは セシウムを


      吸わないと 知れ渡った。


      人々に 見向きもされなくなった


      ヒマワリは


      やがて 枯れ果て


      長い首が 今にも


      折れそうになっても


  

      放置された。



   

      ここは フクシマ


  

      少しづつ 死んでゆく


              フ・ク・シ・マ 。

     


     

       牧夫は 大粒の涙を


       こぼしながら、


       必死に 牛に語りかける。


       「 ごめんな、 ごめんよ・・・ 」


       大きな黒い瞳を 輝かせて


       牛は 何も知らずに


       牧夫に首をなでられている。


       やがて車がやって来る。


       嫌がり、必死に抵抗する


       牛を、牧夫が 車に


       押し込んでいく。


       遠去かる トラックを


       追いながら、 牧夫は


       わだちに


 

       足を取られ その場に へたりこむ。


       「 あ~ 終りだ・・・。  仲間も 三人


        自ら生命を 絶った。 」



        ここは フクシマ


        少しづつ 死んでいく


                フ・ク・シ・マ 。



    

   

   フクシマ・ 福島を 死なせては いけない。


   第2のフクシマ・福島 を つくっては いけない。


   と   強く 私は  思うのです。