『生き方が伝える』 


1月末、八鹿町で開かれた講演会に伺った時のこと。


一番前の中ほどの席に座った私の後ろに、

お孫さんと娘さんかお嫁さんと一緒の

柔らかな表情の女性がお座りでした。


若い頃から野良仕事に励まれていたのでしょう。

腰も曲がり、日に焼けた肌に深い皺の女性でしたが、

目がいきいきと輝いているのが

始めに席に着いた時から印象的でした。


この方、4時間30分の講演の間中ずっと、

講師の

 ( 自分の都合を言わない、返事は0.2秒でする、

  何のためにやっているのか考える、

  人のために人のために )等のお話のひとつひとつに、


 「そうそう」  「ほんまやなあ」 「大事なことや」  等、


私にも聞こえるほどの声でうなずき、

相槌を入れながら 熱心にお聴きになっていたのです。


講師のお話も大変素晴らしかったのですが、

彼女のその声が本当に心地よくて、

背中がずっとあたたかく感じられていました。


嬉しくて、 会が終わった時、

思わず握手を求めて お礼を申し上げました。


顔をほころばせながら、

ありがとうと自然に応えてくださった84歳の彼女は、

改めて、


 「 あの人らの話、ほんまにええ話やったよ。

  大事なことやと思うよ。

  そう思って私も若い頃からやってきたよ。

  人のことは言わんと 

  自分が手本になるように思うてやってきたよ 」


と さらりと話して下さいました。


その言葉を伺い、

彼女の表情、 目の輝き、 席の位置、

素直に受け入れてお聴きになる人の話の聴き方、


そして、彼女をニコニコと待っていらっしゃるご家族の姿、

全てが繋がりました。


先日、大阪西成で

ボランティアケースワーカーとして生きていらっしゃる

入佐明美さんとお会いした時、

日本のマザーテレサと呼ばれている彼女から、


 「人間、最終的には波動ですものね。

  どんな仕事をしているか、

  お金があるかなんて関係なく、

  どれほどその方の魂が、波動が 高いか、 ですものね」


という言葉を頂きましたが、

本当にその通りだと私も思っています。


自分の魂の波動が高くなるよう、

人の心に寄り添い

少しでも人のお役に立つように、

あたたかなものが伝えられるように

生きたいと思っています。


彼女の様に さらりと

  「やってきたよ 」    と、言えるように。