『見学の受験生に届いた大学教授からのあたたかな返事』


 52日、高校3年生の息子が志望している大学の見学に

親子で出かけました。

大学には連絡もしないで突然伺ったのですが、

幸運にも、とびきり笑顔の素敵なS教授とT教授に、

お出会いすることができました。


 S教授も、  T教授も

ご挨拶をして事情をお話ししますと、 すぐに、

驚く程のフットワークの軽さで、

学内のあちらこちらを案内して下さいました。


研究中の学生さん達のところでは、息子を紹介して 

先輩方から、いろいろと話を聞かせて頂ける様にして下さったり、

研究室では大学の様子だけでなく、

それぞれに人間愛に満ちたお話や学問のお話等聴かせて頂き、

本当に楽しく、感激の、有難いひと時を過ごすことができました。


 その夜、ホテルの便箋でお礼状を出した息子あてに、

S教授から、あたたかなお手紙が届きました。


見学に行ったひとりの高校生に、

大学教授がわざわざお手紙を返して下さったのです。


 この感動を私共だけのものにするにはもったいなくて、

S教授の承諾を得て、皆様にもご紹介いたします。


拝啓

 お便り有難うございます。

連休の間のほんの束の間、

キャンパスをご案内したのですが、

笑顔が忘れられないひと時となりました。


大学入学を前に色々と考えることも多いと思います。

時には大学生活での夢を織り交ぜながら、

踏み出す一歩を考えるのかもしれません。


私の 大学に入る前のことなどは30年も前のことです。

水泳部で真黒に日焼けした体が

徐々に白くなっていくのが受験生活だったと思います。


大学に入ったら部屋にカンバスをおいて

絵の勉強もしようと考えていたのですが、やらず仕舞い。

随分いい加減なものです。


あれもこれも、いやそれよりも

大学時代は感性に埋もれていたのかもしれません。


全てが不安で、常に耳をそばだてていたのかもしれません。


学生を見ていると、昔と変わらないなと感じます。


 大学、○○○○○は、そんな不安な生活途次の皆さんが

貴重な一歩を踏み出すことが出来ればと考えています。


残る時間を有効に使って頑張ってください。


敬具

平成1957