衝撃の事実!地球上で亡くなった人の総数は?今を生きる私たちは奇跡の存在

 

「これまで地球上で死んだ人の数は、今生きている人の数よりも多いのだろうか?」

ふと、そんなことを考えたことはありませんか?まるで壮大な思考実験のようですが、この深遠な問いに真剣に取り組んできた研究者たちがいます。そして、その答えは私たちの想像をはるかに超えるものでした。

この記事では、人類の誕生から現在までに地球上で生きた人々の総数、そしてそのうち亡くなった人々の数に迫ります。その驚くべき数字を知ることで、今この時代に私たちが生きていることの奇跡が見えてくるはずです。

 

結論:これまでに亡くなった人の総数は約1090億人

 

早速、結論からお伝えしましょう。

米国の非営利組織である人口参照局(PRB)の2022年の推定によると、ホモ・サピエンスが誕生してから地球上に存在した人間の総数は、およそ1170億人にのぼります。

そして、現在の世界人口(約80億人)を差し引くと、これまでに亡くなった人の総数は約1090億人。これは、現在生きている私たちの数の13倍以上にあたります。

かつて「これまで生きた人の75%が今も生きている」という説が広まったことがありましたが、これは全くの誤りです。実際には、歴史上の死者の数は、現存する人口を圧倒的に上回っているのです。

 

どうやって計算したのか?その驚くべき推定方法

 

「有史以前の記録もないのに、どうやってそんな数字がわかるのか?」と疑問に思うのも当然です。正確な数を数えることは不可能ですが、研究者たちは歴史人口学的なアプローチを用いて、科学的な根拠に基づいた「概算値」を算出しています。

PRBの推定は、以下のようなステップに基づいています。

  1. 人類の出発点を定める: まず「いつから人間として数えるか」を決めます。PRBは、現代の私たちと同じホモ・サピエンスがアフリカで誕生したとされる紀元前19万年頃を出発点としています。(この開始時期には諸説あります)

  2. 歴史上の特定時点の人口を推定する: 農業が始まった紀元前8000年(500万人)、ローマ帝国時代の紀元1年(3億人)、産業革命前の1750年(約8億人)など、研究によって推定されているいくつかの歴史的な時点での世界人口をベンチマークとして設定します。

  3. 各時代の出生率を仮定する: 次に、各時代区分の間の平均的な出生率を推定します。古代から中世にかけては、衛生状態の悪さや食糧不足から乳幼児の死亡率が極めて高く、種の存続のためには非常に高い出生率(例えば、人口1000人あたり80人の出生)が必要だったと仮定されます。近代になるにつれて、この数値は徐々に下がっていきます。

  4. 各時代の出生数を計算し、足し合わせる: 設定した人口と出生率を元に、各時代にどれだけの人間が生まれたかを計算し、それらをすべて足し上げていきます。

この計算で最も難しく、そして数字に大きく影響するのが、人類の歴史の99%以上を占める先史時代の人口と出生率の仮定です。この部分はまさに「科学と芸術の融合」であり、完全に正確とは言えないものの、最も合理的な推定値と言えるでしょう。

 

私たちは「奇跡の6.8%」

 

この推定が示す最も衝撃的な事実は、現在生きている私たち約80億人は、これまで地球上に存在した全人類約1170億人のうち、わずか6.8%にすぎないということです。

言い換えれば、私たちの足元には、1090億人もの人々の生と死の物語が積み重なっているのです。彼らの多くは、私たちが当たり前のように享受している医療や安全な水、豊かな食料とは無縁の世界を生きていました。平均寿命が30歳にも満たない時代も長く続きました。

そう考えると、私たちが今ここに存在し、80年、90年という人生を当たり前のように語れることが、いかに奇跡的で幸運なことであるかに気づかされます。

 

まとめ:1090億人のバトンを受け取って

 

「今まで死んだ人間の総数は何人なのか?」という問いの答えは、単なる数字以上の意味を私たちに語りかけてくれます。それは、想像を絶する数の先人たちの営みの上に、私たちの文明と生活が成り立っているという紛れもない事実です。

私たちが日々を生きるこの瞬間も、人類の壮大な歴史の一部です。1090億人から受け継がれたバトンを、私たちは未来へどう繋いでいくのでしょうか。

忙しい日常の中で、ふと空を見上げたとき、この果てしない人類の物語に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。自分の存在が、より一層かけがえのないものに感じられるかもしれません。