「なぜテレビや新聞は与党ばかり叩くのか?」オールドメディアの構造と心理
テレビのワイドショーや新聞の社説を見ていて、「また政府の批判ばかりしている」「野党の不祥事や発言には甘いのではないか?」と感じたことはありませんか?
ネットやSNS(ニューメディア)では、野党への批判や与党を評価する声も多く見られるため、この「オールドメディア(テレビ・新聞)」と「ネット世論」の温度差に違和感を覚える人は少なくありません。
なぜ、オールドメディアは徹底して「権力(与党)」を叩くのでしょうか。そこには単なる「好き嫌い」ではない、メディア特有の構造的な理由と役割意識が存在します。
今回は、その背景にある3つの理由を深掘りしてみましょう。
1. 「権力の監視」という最大の役割
オールドメディアの教科書的な回答として真っ先に挙げられるのが、「権力の監視(ウォッチドッグ機能)」です。
民主主義国家において、実際に予算を使い、法律を通し、外交を行う決定権を持っているのは「与党(政府)」です。野党はあくまで「チェックする側」であり、行政権を持っていません。
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与党の失敗: 国民生活に直結するダメージ(増税、外交問題、経済悪化など)になる。
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野党の失敗: 政権を持っていないため、直ちに国民生活への実害にはなりにくい。
メディアの論理では、「強大な権力を持つ側(与党)こそ、厳しく監視されなければ暴走する」という前提があります。そのため、どうしても批判の矛先は、実際に国を動かしている与党へと集中することになります。
ポイント: 「弱者(野党)を叩くより、強者(与党)を叩くことこそがジャーナリズムの使命である」という職業倫理が根底にあります。
2. 「判官贔屓(はんがんびいき)」と商業的メリット
2つ目は、より現実的で商業的な理由です。
ドラマや映画と同じで、ニュースにも「強大な敵に立ち向かう」という構図の方が視聴者の関心を引きやすいという側面があります。
圧倒的な議席数を持つ巨大な与党に対し、メディアが噛みつく姿は、ある種のエンターテインメントとして消費されやすいのです。逆に、議席の少ない野党をメディアが大勢で叩くと、「弱い者いじめ」に見えてしまい、視聴者や読者からの反感を買いやすいというリスクもあります。
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権力批判: 「よく言った!」というカタルシスを生みやすい。
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野党批判: 「そんなことより政府を追及しろ」と言われがち。
視聴率や購読数を維持するためには、大衆の不満(税金が高い、景気が悪いなど)を代弁して、その責任者である政府を追及するポーズを取る方が、ビジネス的にも「安全」な選択となりがちなのです。
3. 「オールドメディア」特有の歴史的背景
日本のオールドメディア、特に新聞社やキー局の多くは、戦後の復興期や高度経済成長期にその地位を確立しました。
戦前の大本営発表(政府の言いなりになる報道)への反省から、「政府の発表をそのまま流すことは悪である」「権力には常に懐疑的であるべきだ」という強烈なDNAが刻まれていると言われています。
このため、たとえ政府が良い政策を行ったとしても、「その裏には何かあるのではないか?」「もっと良い方法があったのではないか?」と、まずは批判的な角度(クリティカル・シンキング)から入るのが「プロの仕事」だと教育されている記者が多いのです。
これが、ネット世代から見ると「とにかく何でも反対している」「アラ探しばかり」と映る原因の一つと言えるでしょう。
まとめ:これからのニュースの見方
オールドメディアが与党を叩くのには、以下の理由があります。
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権力の監視: 決定権を持つ者をチェックするのが最優先という原則。
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商業的理由: 巨大権力への対抗という構図が共感を得やすい。
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歴史的背景: 「権力=疑うべきもの」という戦後ジャーナリズムの伝統。
しかし、現代ではSNSの発達により、野党の矛盾やメディアの切り取り報道も可視化されるようになりました。
「オールドメディアは偏っている」と切り捨てるのではなく、「彼らは『権力を監視する役割』に特化しているのだ」と割り切って見るのが、現代の賢い情報収集の方法かもしれません。
テレビが報じない視点はネットで補い、ネットの過激な意見はテレビの客観性で冷ます。そうやってバランスを取っていくことが、私たちには求められています。