【衝撃の差額】年収1000万円と「手取り1000万円」は別世界!その驚きの違いと税金の仕組みを徹底解説
「年収1000万円」――。 多くのビジネスパーソンにとって、一つの大きな目標であり、成功の証とも言える響きです。しかし、この「年収1000万円」が、そのまま銀行口座に1000万円振り込まれるわけではない、ということはご存知でしょうか?
「年収」と、実際に自由に使えるお金である「手取り」。この二つの言葉が意味する金額には、驚くほどの差が存在します。
今回は、「年収1000万円」と「手取り1000万円」が、それぞれ一体どれくらいの金額なのか、なぜその差が生まれるのか、そして両者がどれだけ違う世界なのかを、具体例を交えて徹底的に解説します。
【結論から】年収1000万円と手取り1000万円の「差額」はこれだ!
まず、皆さんが最も知りたいであろう結論からお伝えします。両者の間には、高級車一台分ほどの、驚くべき差額が存在します。
【ケース①】年収1000万円の場合
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額面年収:10,000,000円
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実際の手取り年収:約720万~780万円 (※独身、扶養家族なし、東京在住の会社員の場合の目安)
【ケース②】手取り1000万円の場合
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実際の手取り年収:10,000,000円
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必要となる額面年収:約1350万~1400万円
いかがでしょうか。 年収1000万円プレーヤーになっても、自由に使えるお金は700万円台。逆に、手取りで1000万円を確保するためには、その1.4倍近い、1400万円近い年収が必要になるのです。
なぜこんなに差が出るの?天引きされる「税金」と「社会保険料」
この大きな差額を生み出しているのが、給与から天引き(控除)される**「税金」と「社会保険料」**です。会社員の場合、これらが給与から自動的に差し引かれ、残った金額が「手取り」として振り込まれます。
具体的に何が引かれているのか、大きく2つのグループに分けて見ていきましょう。
1. 税金(国や自治体に納めるお金)
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所得税: 個人の所得に対してかかる国の税金です。収入が多ければ多いほど税率が高くなる「累進課税」が採用されています。年収1000万円の場合、税率は20%~23%の部分が大きくなります。
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住民税: 住んでいる都道府県や市区町村に納める税金です。前年の所得をもとに計算され、税率は一律で約10%です。
2. 社会保険料(万が一の備えのためのお金)
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健康保険料: 病気やケガをした際の医療費負担を軽減するための保険です。
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厚生年金保険料: 将来、老齢年金を受け取るための積立金です。
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雇用保険料: 失業した際に、失業給付などを受け取るための保険です。
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介護保険料: 40歳以上になると、徴収が始まる保険です。
これらの合計額が、実に**年収の20%~30%**にも達するため、額面と手取りに大きな差が生まれるのです。
【シミュレーション】年収1000万円の手取り額を計算してみよう!
では、実際に年収1000万円から、どれくらい引かれて手取りがいくらになるのか、簡単なモデルで計算してみましょう。
【前提条件】
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東京都在住、35歳、独身の会社員
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扶養家族なし、ボーナス年2回(計200万円)
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その他特別な控除はなし
1. 額面年収:10,000,000円
2. 引かれる社会保険料(年間 約125万円)
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健康保険料:約50万円
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厚生年金保険料:約68万円
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雇用保険料:約7万円
3. 引かれる税金(年間 約147万円)
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所得税:約84万円
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住民税:約63万円
4. 最終的な手取り年収 1000万円 - 125万円(社会保険料) - 147万円(税金) = 約728万円
このシミュレーションでは、約272万円もの金額が天引きされていることが分かります。月額に換算すると、額面は約83万円ですが、手取りは約60万円。毎月23万円近くが引かれている計算になります。
「手取り1000万円」の世界は、さらにその先へ
手取りで1000万円を得るためには、年収1400万円近くが必要だとお伝えしました。 なぜこれほど多くの年収が必要かというと、年収が上がるにつれて、社会保険料の上限はあるものの、所得税の税率がさらに高くなる(33%)ためです。稼げば稼ぐほど、税金の負担割合も増えていくのです。
年収1400万円は、日本の給与所得者のうち、わずか上位2%程度しかいないと言われています。つまり、「年収1000万円」と「手取り1000万円」の間には、単なる金額の差だけでなく、到達できる人が非常に限られるという、大きな壁が存在するのです。
まとめ
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**「年収1000万円」**の実際の手取り額は、約720万~780万円。
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**「手取り1000万円」**を達成するためには、約1350万~1400万円の年収が必要。
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その差額を生んでいるのは、**「所得税」「住民税」といった税金と、「健康保険」「年金」**などの社会保険料。
「年収1000万円」という目標は、キャリアを考える上で素晴らしい指標です。しかし、その先にある生活を具体的にイメージするためには、「手取り」でいくらになるのかを正しく理解しておくことが不可欠です。
これからのキャリアプランやライフプランを考える上で、ぜひこの「額面」と「手取り」の違いを参考にしてみてください。