私たちの健康と安全を脅かすもの。今こそ、タバコの販売に「NO」を。
私たちの日常に当たり前のように存在するタバコ。コンビニや自動販売機で誰でも簡単に手に入り、多くの人が一時の気晴らしとして火をつけます。しかし、その煙の向こう側にある深刻なリスクについて、私たちは本当に理解しているでしょうか?
タバコは、単なる嗜好品ではありません。それは、私たちの健康を蝕み、時には社会の安全さえも脅かす、静かなる脅威です。今回は、なぜ今こそタバコの販売に反対の声を上げるべきなのか、その理由を改めて考えていきたいと思います。
煙と共に蝕まれる、私たちの健康
タバコの健康被害については、もはや疑う余地はありません。厚生労働省やWHO(世界保健機関)をはじめとする多くの公的機関が、その危険性を明確に指摘しています。
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がんリスクの増大: タバコの煙に含まれる70種類以上の発がん性物質は、肺がんをはじめ、喉頭がん、食道がん、膀胱がんなど、全身のあらゆるがんのリスクを高めます。
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呼吸器疾患: 慢性閉塞性肺疾患(COPD)や喘息など、息苦しさを伴う病気の主要な原因です。一度損なわれた肺の機能は、完全には元に戻りません。
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心臓・血管へのダメージ: ニコチンや一酸化炭素は、血管を収縮させ、動脈硬化を促進します。これにより、心筋梗塞や脳卒中といった、命に直結する病気のリスクが跳ね上がります。
さらに深刻なのは、喫煙者だけの問題ではない「受動喫煙」の存在です。自分の意思とは関係なく、家族や同僚、そして子どもたちが、有害な煙にさらされ、健康を脅かされています。タバコを吸う選択は個人の自由だと言う人がいますが、他人の健康を害する自由など、決して認められるべきではありません。
見過ごされがちな、タバコと犯罪のつながり
健康問題に加えて、タバコが社会の安全を脅かす側面も見過ごすことはできません。
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ポイ捨てと環境問題: タバコのポイ捨ては、単なるマナー違反ではありません。フィルター部分はプラスチックでできており、自然分解されずに環境を汚染し続けます。また、火の不始末による火災の原因ともなり、私たちの財産や命を危険にさらします。
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喫煙をめぐるトラブル: 「歩きタバコで子どもの顔に火が当たりそうになった」「喫煙所の煙や臭いをめぐって近隣住民と口論になった」といったトラブルは後を絶ちません。こうした小さな火種が、思わぬ大きな事件に発展する可能性も否定できません。
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未成年者の喫煙: 未成年者の喫煙は、法律で固く禁じられていますが、依然として後を絶ちません。安易に手を出したタバコが、他の非行への入り口となってしまうケースも少なくありません。
なぜ、これほど有害なものが販売され続けるのか?
「健康増進法」が改正され、受動喫煙対策は強化されました。しかし、なぜこれほどまでに有害であることが科学的に証明されているタバコが、今なお当たり前のように販売され続けているのでしょうか。そこには、莫大な「税収」や、長年にわたって社会に根を張ってきたタバコ産業の存在が複雑に絡み合っています。
しかし、私たちは問い直すべきです。目先の税収のために、国民の長期的な健康と安全が犠牲にされて良いのでしょうか。タバコによって失われる命、病に苦しむ時間、そして医療費の増大といった社会全体の損失は、タバコ税収をはるかに上回るのではないでしょうか。
私たちにできること ~煙のない未来を目指して~
タバコの煙のない、クリーンで健康的な社会を実現するために、私たち一人ひとりができることがあります。
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関心を持つこと: まずは、タバコがもたらす健康・社会へのリスクについて、正しい知識と関心を持つことが第一歩です。
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声を上げること: なぜタバコの販売が問題なのかを家族や友人と話し合ってみましょう。SNSやブログなどで、あなたの意見を発信することも有効です。
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禁煙・卒煙を応援すること: もしあなたの周りに禁煙したいと考えている人がいたら、ぜひ温かくサポートしてあげてください。禁煙は、本人の意思だけでは難しい場合も多く、周囲の理解と協力が大きな力となります。
タバコの販売に反対することは、喫煙者を非難することではありません。むしろ、誰もが健康で安全に暮らせる社会を願う、前向きな行動です。私たち、そして未来の子どもたちの世代が、タバコの煙に脅かされることのない社会を築くために。今こそ、勇気を持って「タバコの販売はおかしい」と声を上げていきませんか。