概要

医療レーザー脱毛の1回目の施術で減毛できるのは、一般的に全体の約10〜30%程度とされています。多くのクリニックやガイドラインでは「成長期(アナゲン期)の毛のみを標的にするため、体毛総量のうち20%前後しかダメージを与えられない」と説明されており、その影響で1回あたりの減毛率は20%前後に収まるケースが大半です。機器の種類や照射条件を最適化した研究的条件下では60%以上の減毛が報告された例もありますが、日常的なクリニック施術では10〜25%が標準的です。

理由:毛周期(ヘアサイクル)の影響

成長期の毛のみ効果がある

医療脱毛はレーザーがメラニン(毛の黒色色素)に反応して熱を発生させ、毛根にダメージを与える仕組みです。しかし毛は「成長期(アナゲン期)→退行期(カタゲン期)→休止期(テロゲン期)」というサイクル(毛周期)を繰り返しており、レーザーの効果が及ぶのは毛母細胞が活発な成長期の毛だけです。そのため、体毛総量のうち成長期にあるのは約20%前後に限られ、1回の照射でダメージを与えられる毛もその割合に留まります 。

実際の減毛率の目安

  • 約20%程度
    多くのクリニックでは「1回の施術で脱毛できるのは毛全体の約20%程度」と案内しています 。

  • 20〜30%程度
    一部のクリニックでは「条件が良ければ20〜30%程度の減毛効果がある」としています 。

  • 10〜25%程度
    海外の総合情報サイトや実際の施術経験則では「初回は10〜25%減る」と報告されています 。

  • 約10%程度
    経験則として「実際の減毛率は10%程度になる」としているクリニックもあります 。

  • 60%以上の報告例も
    研究的な条件(高出力レーザー、複数パルスなど)では、12週間後に60%の減毛を認めた例もありますが、一般臨床では再現が難しい特別な条件下の結果です 。

減毛率に影響する主な要素

  1. レーザーの種類・出力設定
    アレキサンドライトレーザーやダイオードレーザー、Nd:YAGレーザーなどで若干差が出ることがあります。

  2. 毛質・毛量・毛色
    毛が太く濃いほどメラニン量が多く反応しやすいため、細い産毛よりも効果を実感しやすい傾向があります。

  3. 肌質(色素沈着の有無)
    色素沈着リスクを抑えるために出力を下げるケースでは、減毛効果も抑えられることがあります。

  4. 照射間隔と照射範囲
    適切な間隔で繰り返し照射することで、成長期に入った毛へ継続的にダメージを与えられ、トータルでの減毛率が高まります。

まとめ

  • 1回目の医療脱毛で期待できる減毛率:おおむね10〜30%(標準的には約20%)

  • 効果の個人差:毛質・肌質・使用機器によって上下

  • 継続施術の必要性:一般的に5回程度で約80〜90%の減毛を目指します

初回で大きな変化を感じにくいのは正常で、複数回の照射を重ねることで徐々にムダ毛が減っていきます。次回以降は成長期に入った毛にも効果が及ぶため、回数を重ねるほど減毛率が向上します。