どうして物事を忘れるのか?記憶の仕組みと対策を解説!

「あれ?昨日の晩ごはん、何食べたっけ?」
「さっき考えてたこと、なんだっけ?」

こんなふうに、気付けば何かを忘れてしまうことってよくありますよね。
でも、どうして人は物事を忘れるのでしょうか?
本記事では、「なぜ忘れるのか?」 という疑問に迫りつつ、忘れにくくするための対策も紹介していきます。


1. 人が物事を忘れる理由とは?

記憶が薄れていく原因には、さまざまな理由があります。

① 記憶が定着していない(短期記憶の限界)

人の脳には、短期記憶(ワーキングメモリ)長期記憶 があります。
短期記憶は、一時的に情報を保持するもので、すぐに忘れやすい性質を持っています。

例えば、スーパーで「牛乳・卵・パン」を買おうと思っていたのに、お店に着いた瞬間「何買うんだっけ?」と忘れることがありますよね。これは、短期記憶がすぐに消えてしまうからです。

💡 対策 → メモを取る、繰り返し口に出す

② 記憶の干渉(新しい情報に上書きされる)

人の脳は、新しい情報を取り入れると、古い記憶が干渉を受けて曖昧になること があります。
特に、似たような情報を続けて覚えたときに起こりやすいです。

📌 例:

  • 数日前に見た映画のタイトルを思い出そうとしたら、最近見た別の映画のタイトルが浮かんできて邪魔をする。
  • 友達に紹介された人の名前を覚えようとしたけど、直後に別の新しい人と会って、最初の人の名前を忘れてしまう。

💡 対策 → 間隔を空けて復習する、情報を関連づけて覚える


③ 必要がないと判断される(脳の自動削除)

脳は、「重要ではない」と判断した情報をどんどん削除 します。
これがなかったら、日々の膨大な情報がすべて記憶に残ってしまい、頭がパンクしてしまうんですね。

📌 例:

  • 昨日のランチは思い出せないのに、10年前の旅行の思い出は鮮明に覚えている。
  • 毎日の通勤ルートは考えずに歩けるのに、たまに行った場所の道順は思い出せない。

💡 対策 → 覚えておきたいことは意識的に「大事」と認識する(書き留める、繰り返し思い出す)


④ 加齢による影響(記憶の衰え)

年齢を重ねると、脳の神経細胞の働きが少しずつ低下し、記憶力が衰えていきます。
ただし、記憶を使い続けることで衰えを防ぐことが可能 です。

💡 対策 → 読書・パズル・新しい趣味に挑戦することで脳を活性化

2. 忘れにくくするための3つの方法

忘れることは人間の自然な仕組みですが、大事なことを忘れないための工夫もあります。

① 繰り返し復習する(エビングハウスの忘却曲線)

ドイツの心理学者エビングハウスの研究によると、人は24時間後には記憶の約70%を忘れる そうです。
しかし、繰り返し復習することで記憶が定着しやすくなる ことが分かっています。

📌 おすすめの復習タイミング

  • 1回目:学習した直後
  • 2回目:1日後
  • 3回目:1週間後
  • 4回目:1か月後

このように間隔を空けて復習 することで、長期記憶として残りやすくなります。


② 体験と結びつける(エピソード記憶)

ただ暗記するよりも、何かストーリーや経験と結びつけると記憶に残りやすい です。

📌 例:

  • 数学の公式を覚える → 実際に計算して「こういう時に使える!」と実感する
  • 英単語を覚える → 旅行で実際に使うと、忘れにくくなる

💡 対策 → 実際に経験する・ストーリー化する


③ 視覚的に覚える(イメージ記憶)

文字だけでなく、図やイラスト、色を使って記憶すると、より忘れにくくなります。

📌 イメージ記憶の例

  • 人の名前を覚えるとき → その人の顔と一緒に関連づける
  • スケジュールを覚えるとき → カレンダーに色を付けて書く
  • 暗記する時 → マインドマップを活用

💡 対策 → メモやノートに図やイラストを活用する

3. 忘れることは悪いことではない?

「忘れること=悪いこと」と思われがちですが、実は忘れることにはメリットもあります。

① 不要な情報を整理し、重要なことに集中できる

すべての情報を覚えていたら、頭が混乱してしまいます。
忘れることで、本当に大事な情報だけを残す ことができるのです。

② 過去の嫌な記憶を和らげる

もし嫌なことをすべて鮮明に覚えていたら、精神的に大きな負担になります。
適度に忘れることで、気持ちをリセットし、前向きに生きることができるのです。

📌 例:

  • 失敗したことを引きずらずに、新しいことに挑戦できる
  • 昔の恥ずかしい出来事も、時間が経てば笑い話になる

4. まとめ

人が物事を忘れる理由には、記憶の定着不足・干渉・脳の自動削除・加齢 などが関係しています。
しかし、忘れにくくする方法(復習・体験と結びつける・イメージ記憶) を実践すれば、大切なことをしっかり覚えておくことができます。

そして、「忘れること」は決して悪いことではなく、脳が効率よく情報を整理するための大切な機能でもあります。
「大事なことは覚え、不要なことは忘れる」そんな柔軟な記憶術を身につけて、毎日を快適に過ごしていきましょう!