下水と上水の違いとは?水道の仕組みを徹底解説!

私たちが毎日使っている水は、「上水」と「下水」に分かれています。
蛇口をひねればきれいな水が出てくるのが当たり前のように感じますが、実は複雑な処理を経て安全な水が供給されています。
また、使用後の水(汚水)がどのように処理されているのかを知ることで、水の大切さを再認識できます。

この記事では、「上水」と「下水」の違い、それぞれの仕組み、浄水・排水処理の流れを分かりやすく解説します。

1. 上水とは?きれいな水を作る仕組み

1.1. 上水の定義

上水(じょうすい) とは、家庭や工場で使用される 飲用可能な水(水道水) を指します。
上水は 浄水場でろ過・消毒 され、安全な水として供給されます。

1.2. 上水の供給プロセス

私たちの家庭に水が届くまでには、以下のようなプロセスがあります。

① 水源の確保

上水の水源には、以下の2種類があります。

  • 地表水(河川・湖・ダム)
  • 地下水(井戸・湧き水)

② 浄水場での処理

水源から取水した水は、そのままでは飲用できないため、浄水場 で以下の処理が行われます。

  1. 沈殿処理:汚れやゴミを沈めて除去。
  2. ろ過処理:砂や活性炭を使い、不純物を取り除く。
  3. 塩素消毒:細菌やウイルスを殺菌。

③ 配水

浄水場で処理された水は、水道管を通じて各家庭や施設に送られます
一部の地域では、高台にある 配水池 に水を貯め、重力を利用して供給する方法がとられています。

2. 下水とは?汚れた水をきれいにする仕組み

2.1. 下水の定義

下水(げすい) とは、家庭や工場などから排出された 汚水や雨水 を指します。
この水はそのまま川や海に流すと環境汚染を引き起こすため、下水処理場で浄化 されます。

2.2. 下水の処理プロセス

使用された水がどのように処理されるのか、主な流れを見てみましょう。

① 排水

家庭で使われた水は 排水管 を通じて下水道に流れます。

② 下水道の種類

下水道には、以下の2種類があります。

  • 合流式下水道:汚水と雨水を一緒に処理する方式。
  • 分流式下水道:汚水と雨水を別々に処理する方式(最近の都市部ではこちらが主流)。

③ 下水処理場での浄化

下水処理場では、以下のような工程で水をきれいにします。

  1. 沈殿処理:大きなゴミや泥を取り除く。
  2. 生物処理:微生物の働きを利用して、汚れを分解。
  3. 沈殿・消毒処理:細菌を除去し、環境に安全な水にする。

④ 放流

浄化された水は、川や海に戻される ことで自然環境を守ります。

3. 上水と下水の違いを比較

項目 上水(じょうすい) 下水(げすい)
定義 飲用可能な水 生活や工場から出た汚れた水
供給元 河川・湖・地下水 家庭・工場・雨水
処理方法 浄水場でろ過・消毒 下水処理場で浄化
最終目的 家庭・施設へ供給 川や海へ放流

上水と下水は対になる存在であり、循環することで水の供給と環境保全が両立 されています。


4. 上水と下水の課題と未来への取り組み

4.1. 上水の課題

  • 水資源の不足:世界的な水不足が深刻化。
  • 水道インフラの老朽化:水道管の老朽化が問題に。

解決策

  • 節水の推進や再生水の利用。
  • 水道設備の更新や耐震化。

4.2. 下水の課題

  • 水質汚染:工場排水や生活排水による汚染。
  • 災害時の対応:大雨時に下水処理が追いつかないケース。

解決策

  • 汚染物質の監視強化。
  • 雨水貯留施設の整備。

4.3. 未来の水処理技術

  • AI・IoTを活用した水管理:水道の漏水をリアルタイムで検知。
  • 下水のリサイクル技術:下水を飲料水レベルに浄化する技術が進化。

5. まとめ:水を大切に使おう!

私たちが日常的に使っている水は、浄水場で安全に処理された上水 であり、使用後は 下水処理場で浄化 されて環境に戻されています。
この 「水の循環システム」 を理解することで、限りある水資源を大切にする意識が高まります。

✔ 生活の中でできること

✅ 無駄な水の使用を減らす(節水)。
✅ 洗剤や油を適切に処理し、下水の負担を減らす。
✅ 水道の漏れや異常をチェックし、水を無駄にしない。

水は地球上のすべての生命にとって不可欠な資源です。
上水と下水の仕組みを知ることで、水をより大切に使っていきましょう!