当ブログの2周年記念企画の自作回文の語句調査です。
今回はその4回めで、最終報告です。
4回めは、気になる表現として、こそあど言葉や
擬音語・擬態語を見ていきます。
この報告のためにリストを作っていろいろ調べていたわけですが、
その中で、頻度としては多くはないけれど、
こういった言葉の存在が少し気になったものですから。
調査では、492コの回文に出てくる言葉を数えました。
その数、2515項目にのぼります。
数え方は、動詞は助動詞とひとまとまりにするなど、
厳密な調査とは程遠い、かなり大雑把になっています。
自分の回文の傾向が見られれば良いと思いましたので。
詳しくはその1 をご覧くださいませ。
まずはこそあど言葉です。
日常では比較的使うことが多いはずのこの言葉は、
語形も短いわけなので、それなりに回文に使っているのではないか、
と思って、拾い出してみますと、結果はこんな感じでした。
こ―
この(2 64 87 99
304 318 340)7回
これ(51)1回
ここ(5)1回
そ―
その(203 304 318)3回
それ(203)1回
そこ(117)1回
そんな(213
)1回
あ―
あの(61 87 340
)3回
あれ(11 54)2回
ど―
どれ(215)1回
どこか(173 342)2回
どんな(48
)1回
こちら、こんな、どの、そちら、あそこ、あちら、あんな、どちら、
は、回文にまったく出てきませんでした。
「ら」が入っていると回文には少し使いにくいのかもしれません。
ラ行音の言葉は日本語ではそもそも数が少ないですし。
「どの」あたりはなんとか組み込めそうな気がしますが、
これまでなかったのですねぇ。意外です。
続いて、擬音語・擬態語、いわゆるオノマトペです。
これは、ある時期から意識的に回文にとりこもうとしています。
やはり、口頭語としては登場の回数が多いことが予想される言葉ですから、
これを回文に取り込むことで、より自然(?)な回文を作ろうと考えたのです。
それに、繰り返しの表現が多いので実は回文に取り込みやすくもあります。
ただ、撥音「ん」と促音「っ」が多いという問題もあります。
ともかくも、調べてみますと、こんなものが出てきました。
擬音語・擬態語
イライラ(192)、エイと(333)、くどくどと(14)、サッと(240)、せっせと(65
)
だんだん(321 335)、ドキドキと(10
)、ドン(51)、パッと(240)、ぷいと(94)
ふうふうと(350)、ふっくら(228)、ブツブツ(328)、ぶよんぶよん(257)、ぶらり(6)
240では促音特集を組んだもので、オノマトペが2つもあります。
10は初期の作品ながら、個人的にはかなりのお気に入りです。
最後に、漢字語です。
この報告の1回めでよく出てきた言葉を並べましたが、
それとは別に、いわゆる字音語が気になったので少し拾ってみました。
漢字語は、構成要素としての漢字で見れば、
1回めで見たように、カン、カイ、サイなどの音を持つ言葉、
或いは、サン、ダイ、タイ、などの音を持つ語が多くなります。
しかし、要素ではなく、語としてみたときに、
字音語ではどんな言葉が多く出てくるのか、が気になったのです。
で、よく出てきたのがこちらです。
漢字語
男子(12 111 132 166 )4回
「男子」は1回めの、最も多く出てきた語「子」と同様の向きにありますね。
因みに、女子(92 186)、女児(312)もあります。男女(216)もあります。
ほかはだいたい2回ずつくらいでした。
以上で、語彙調査報告を終わります。
回文によく出てくる言葉の傾向を探るというのは、
このブログをはじめて50を超えたくらいから
ひとつの夢、目標として持っていました。
実際の回文の中からそれを探ることが出来て、うれしいかぎりです。
そして、実は、もうひとつ、回文について気になっていることがあります。
それは、「回文に上限はあるのか」ということです。
これについては、いま少しずつまとめているところです。
まとまりましたら、報告します~。