13日に俊と会う約束をした。

その頃はコロナ療養期間も終えてる。


ずっと一人で部屋に籠ってたから、

外へ出たい。


そういえばね、

コロナに掛かる前、

動物保護してる人に出会って、

少しお手伝いしたの。


野良猫を保護して、

去勢手術を受けさせる。

っていう。


飼い主募集をして、

里親を見付ける。


費用は、動物病院と、

市の助成金、あとの出費は保護団体が

受け持ってくれる。


今まで、2匹保護して、

手術をした。


なんかね、ちょっと気付いたというか。

まだ2匹だから

私の思い込みかもわからないけれど、


保護した瞬間、その後も、

私の保護した野良ちゃんて鳴き喚かない。

暴れはするけれど、

ギャーギャー騒がないのね。


近寄ると「ウ゛ー」とは唸る。

更に近付けば「シャーッ!」って威嚇する。


でも無駄に怖がらせたくないから、

ケージに入れたら

遠くから優しく声をかけるだけにした。


病院へ行く時も、

キャリーケースの中で静かにじっとしてる。


ひょっとして、

「助けを求める」

という概念が、野良ちゃんには無いのかなって。


騒いだ所で誰が助けにくるわけではない。

全て自力でやるしかない。


うちの飼い猫は、

これでもかってほど鳴くのよ。

しかも、ずっとこっち見て鳴く。


ちょっと外に出て

野良猫さんに会おうものなら、

この世の終わりかという程

大袈裟に「ぎにぃやぁあぁぁーーーー!!」

って鳴く。


「どしたのどしたのっ!?」

って慌てて見に行くと、

全然安全な場所に居るじゃんね。

イカ耳にして

私の姿を見ると「ミャァ~」って甘えた声を出す。


あざと猫。

叫べば私が助けてくれると思って。


静かな野良ちゃんが、

キャリーケースの中で

誰に助けを求めるでもなく

ただひとり

どれほどの不安と恐怖に

じっと耐えてるのかと思うと

切なく、悲しくなってしまった。