レビュー的なもの。今回の題材は、スマホのストライカーズ1945である。最初書き上げたものが酷すぎたため、ある程度変えることに。
一応アーケードの移植ということになっているようであるが、その移植度ははっきり言ってSFC雷電伝説に匹敵するレベルの移植度。その酷さは、まったく知らない人でも、動画を見るだけで違いがすくわかるレベル。単体としては遊べるレベルであればまだいいのだが、単体でも遊べるものじゃない。致命的なレベルのミスばかりであり、まともにプレイできるとはいいがたいものになってしまった。別物として割り切るのも、追加要素がなく不可能。この時代にこんな移植度のゲームを見つけることになるとは、ある意味貴重といえるだろう。
一応、このアプリの前に、ストライカーズシリーズがすべてスマホに移植されている。出来はアレンジ移植となっているが、スマホでないとできない要素が少しだけあったり、難易度が下げられていたりと、まったく同じでないといけないこだわりを持っていなければ、問題なく楽しめる出来になっている。もしこのアプリをやるのであれば、ストライカーズ1945iiや1999のアプリをお勧めしたい。なぜストライカーズ1945だけこんな内容になってしまったのかがわからない。本当に元のゲームを知っていると冗談のようなゲームに仕上がっている。
ちなみに、開発はAPXsoftという韓国の会社のようだ。前まではmobirixとAPXsoftが開発していたようである(どちらも韓国の会社)。開発会社の変更がこの凄まじい劣化移植を生み出したのは言うまでもないだろう(ガンバード2移植は原作と同じ設定にできないという致命的な問題があるが、単体なら悪くはないはず)。
一応、完全無料のアプリとして作られているのだが、その結果がプレイアビリティの酷さを生んでいるとなれば、タダほど怖いものはないだろう。
・全域にわたる問題点
いきなりだが、単体としてのアプリの出来が酷いこともあり、移植でなくとも厳しい内容。
・タイトルから移動すると、必ず広告が出る。それだけならまだしも、広告は上に出続ける。
この結果、最初の広告を消すと次の広告を選んでしまいがち。しかも、広告が出続けるため、処理落ちの原因になっている。テンポの良さに定評のあるストライカーズシリーズだけに、処理落ちは絶対に発生させてはならないはずである。
・BGMの扱いが全体的に酷い
途中で1ループしてしまうBGMが殆どである。また、BGMを間違えている部分も多い。
・5面のBGMが6面のものになっている。
・ボスのBGMが2曲のみ。通常ボスとラスボスだけしかない。通常ボスは2曲あったはずだが?
・6面では、ロケットが登場するとすぐにボスBGMになってしまう。
・8面BGMとラスボスのBGMが混ざってしまう。
・アーケード版は、基盤によって音源が違い、2種類あるのだが、この音源がごちゃまぜに利用されている。統一すらされていないのは・・・。
・1周クリア時、戦闘結果のBGMが用意されていない。
・アメリカ面、5、6面BGMがサビになる前に1ループする。これなんてダライアスR?
・残機の増加が存在しない
点数を増やしても、残機は一切増えない。元々、残機は1度しか増えないが、このダメ移植では一度も増えない。アーケードシューティングの移植にあるまじき、コンティニュー前提で開発されているものと思われる。
・機体選択の問題点まとめ
機体を選択するだけなのに、まともに移植が出来ていない。他のスマホ移植作品はまともに作られているし、追加要素がある作品も(追加要素を解除する方法がないのは問題か)。
・BGMが勝手にループ
途中で機体を選んだ効果音がなり、BGMがループしてしまう。フルBGMを聞くことは絶対にできない。アーケード版のBGMを録音しただけだと思われる。
・P-38以外の機体を一度選ぶと、しばらく使えない時間がある
P-38は初期の機体。なぜ機体を使えない時間を用意したのかは不明である。他のアプリであれば、課金などでうまく使えるのだが、このアプリは完全無料。まったく意味のない制限といえる上、お金を払おうが使えない有様。
・機体別の問題点
・全般
・自動連射ではあるのだが、連射力が低く、左右に移動し続けると小型の飛行機を撃ち落とし損ねてしまう。
・連射力の低さにより、攻撃力が全体的に低下。速攻がほぼ不可能に。
・スマホをタップしたところに移動できるわけではないため、移動速度が実質指と同じになっている。実質の移動速度すらも、アーケード版よりも低くなっている有様。
・オプションからサブ装備が発射されないことがある。この場合溜め撃ちもできない。
・密着撃ちでのサブ装備を連射する戦法が使えない。
・溜め撃ちがあるのだが、溜めが全くない。
・ボム発射ボタンの位置が右下固定。溜め攻撃を出すボタンは左下固定。間違ってボムを使う事故が発生することが多い。なお、オプションでボタン位置を変更することはできない。この移植には充実のオプションすらついていないのだ。
・ポーズ機能がない。ポーズするためにはスマホをスタンバイ状態にする必要がある。
・溜め撃ちの攻撃力調整がうまくできておらず、パワーアップ数で攻撃力が極端に変化する。
・ボスではパワーアップアイテムを落とす飛行機が一切登場しない。そのため、一度ミスすると移動速度の制限などで明らかに不利になる。
・無敵時間ではボムが使えない。無敵が切れたとたん被弾することもありえる。
原作の場合、無敵時間が終わる直前にボムを利用し、その間にパワーアップする方法がとられることがあるのだが、この方法が使えないということ。
これらの仕様により、ボムの効果時間が長かったり、ボムの攻撃力が高い機体が必然的に強い機体になる。
・P-38
・ボム使用時の宙返りが非常に速いため、回避のために使うのは難しい。
・ホーミング性能が原作より明らかに高く、弾速も早い
・原作に比べると、パワーアップ最大の溜め撃ちの攻撃力が他の機体よりも高い。ミスさえしなければ、比較的強い方だと思っている。
・P-51
・溜め撃ちの回転速度が遅く、最大パワーアップですら弾が抜けてくることが珍しくない。
・原作では、2周クリアに最適な機体ともいわれていたが、その要素が消えているため、さらに上級者向けとなっているだろう。
・SPIT FIRE
・溜め撃ちの攻撃力が高め。攻撃範囲もかなり広い。
・ゆえに、一度ミスしてしまうと復活が困難になる。
・原作では速度が速めで攻撃範囲も広く、初心者向けの機体と言われていた。瞬間火力が低い弱点が仕様変更で補われており、強い方ではないか。
・BF-109
・溜め撃ちの攻撃力が大幅に下げられている。
・ボム時の宙返りが速すぎる上、攻撃力も下げられている。
・原作ではパターン構築の面白さを最も感じられる機体といえたが、この移植では強みが消えてしまった。しかもミスすると復活が困難。もっとも弱い機体か・・・?
・ZERO
・サブ武器がうまく当たらず、連射力も低いまま。
・かわりに、溜め撃ちの攻撃力がかなり高く、ボムの効果時間を活かせる。
・このダメ移植では最強かもしれない機体。
・SHINDEN
・溜め撃ちの威力が低下している上、速度が速く頼りにならない。
・サムライソード(ボム)の攻撃力がありえないほど低下。密着撃ちでも使えないものに。ロマンと実用性の2つを失ってしまうとは。
・原作は使いこなすと強い機体のはずだが、この移植の場合、仕様に邪魔され、最弱クラスに落ち込んだ。
・ステージの問題点
あまりに多すぎるレベルであるため、一部のみ掲載。
・1面から4面までが固定
原作はおろかスマホに移植されたストライカーズシリーズすらもすべてランダムで決定されるはずだが、なぜか今回だけ固定になっている。日本→アメリカ→ドイツ→ロシアである。2周目も同様の仕様。
・スクロールが序盤は速く、終盤は遅い
ステージのスクロールが序盤は速く、撃ち漏らしをしやすい。序盤ステージでは敵を絶対に倒しきれないなんてことも。
逆に終盤ではスクロールが遅く、明らかな間が多い。
敵の出現のテンポの統一が同じステージ間でもできておらず、凄まじいスピードで小型機が下まで移動するなんてこともある。
・金塊入手のタイミングを図ることがほぼ不可能
金塊が光っているときに取ると2000点稼げるのだが、点滅のタイミングが異常に速いため、タイミングよくとるのがほぼ不可能になっている。
また、入手しても効果音だけである。数字は一切出てこない。これはpアイテムも同様。
・1面の敵が多く、倒しきれない
明らかに設定ミスなレベルで多い。中型機も固く、どの機体でも倒しきるのは難しい。
・すべてのボスのHPが多めになっている
特に序盤が多くなっており、ゲームが進むほど楽に感じてしまうレベルである。
・ボスに発狂パターンがないボスが多く、自爆もないようだ
ボスのパターンはむちゃくちゃになっているため、原作と同じようにプレイすることは操作性の面でも不可能。しかも自爆がないため、最弱ショットになると凄まじく時間がかかる。テンポの良さが消えているのはおかしいだろう。またこの自爆のない仕様により、点数を最大限に稼ごうとすると最弱ショットで小型機を倒し続けるのが必須になる。
・中型機のHPが原作よりも全体的に多い
ボス並みに多い上、小型機との攻撃も絡みボス以上に攻撃に苦しめられることになる。特に、ロシア面(この移植では4面固定)のボスの前の2台の地上の大型敵が、ボムを使っても倒しきれないなんてこともある。原作の2周目と同じくらい固い。
・ゲームの難易度が、終盤よりも序盤の方が難しい
敵のHPがなぜか終盤になると下がり、先制攻撃をするとすぐに倒せてしまう。敵の数が少なくなっているにも関わらず、である。ワイドショットで少し打つだけで倒せてしまうため、終盤では弾幕が碌に飛んでこない場面も多い。明らかに設定ミスである。
また、スクロールが遅いために待ち時間が無駄に長くなる有様である。
・ゲームオーバー時の仕様が劣悪
上記の仕様により、この移植は劣化では済まないレベルといえるだろうが、単体でもまずいのが広告の仕様である。
コンティニュー回数は2回までで固定されている。増やす方法は存在しない。その場復活である。点数が引き継がれるのだが、これは原作でも同様。なんだ、問題ではないじゃないかと思われるが・・・。
なんと、コンティニューするたびに広告が流れる。しかもその広告が終わると、確認もなしに急にコンティニューされゲームが進む。
また、続けずに戦闘終了することもできるが、なぜか得点の確認画面に移動する。また戦闘終了を押さないといけないのだが、ここで一度押すと広告が流れる。この広告が終わっても、機体選択に戻るわけではなく、また戦闘終了を押す必要がある。機体選択にもどるのも3回同じ操作が必要になっている。
これらのせいで単体としてもまともにプレイするのが難しいレベル。移植としてみた場合、SFCの雷電伝説や、GBAのダライアスRに匹敵する移植度だと思っている。しかもそれらとは違い、強制終了も結構多い。
一応、ストライカーズシリーズは韓国での人気が高いようで、この移植も韓国の会社がやっているのだが、どうしてこんなことになってしまったのかは謎である。