③サイトカイストームを予防する

 *太陽光を上手く活用する(紫外線BとビタミンDの作用)

 がんは、日照不足の地域において発症率が高いことはビタミンD(詳細は後述)との関連でよく知られている。皮膚に紫外線が当たることで、ビタミンD・ヒスタミン・キニン・プロスタグランジン・プラスミンなど数百種類の生理活性物質が合成されることが知られており、身体のさまざまな器官の働きは適正にコントロールされるようになる

 

 日照不足により、感染症が起こりやすくなるのは免疫力低下によるところが多く、マクロファージ、NK細胞、 リンパ球のT細胞やB細胞の活性が低下する。紫外線が皮膚に当たるだけで、自然免疫の好中球は3倍の食菌力になる。必要以上に紫外線を避けることが、免疫力を低下させているということを認識しておく必要がある

 ステイホームを長く続けると新型コロナにも感染・重症化しやすい体質へと変化していく可能性があります。自然の中で大いに日光を浴びることが新型コロナウイルス対策となるようにも思えます。特に子供達には!

 

 *ビタミンDを充足する

 がんに対するビタミンDの重要性はよく知られているが、新型コロナウイルスのサイトカインストームにも大きく関わっていることが、ごく最近の研究で明らかとなりました。

 重症化するかしないかの差は血中のビタミンD濃度とのこと。

 以前より、ビタミンD不足がARDSの一因となることは知られていたが、新型コロナウイルスの場合にも同様にビタミンD濃度の低下が関連していることが明確となりました。

 

 ビタミンDは皮膚表面に太陽光(紫外線)に当たることでコレステロールから合成される。食品からは魚介類から摂取することも可能である。キクラゲや天日乾燥されたシイタケにも幾分含まれる。一方、肝臓、腎臓に疾患があると活性化ビタミンDの合成は阻害されるため、新型コロナの致死率は高くなると考えられます。

 

 ④良質な睡眠をとる

 午後10時から深夜2時の間は、「良質睡眠のゴールデンタイムといわれ、起きている間に壊れた細胞の修復や疲労の回復を促す成長ホルモンが分泌される。

 成長ホルモンの分泌は入眠後3時間以内の最も深いノンレム睡眠時に起きるため、その間にどれほどぐっすり眠れるかがポイントとなる。また、入眠や深い睡眠を誘導する睡眠ホルモンである「メラトニン」は、深夜3~5時以降にその分泌量が減少するため、午後10時~深夜2時を外さないことが重要となる(遅くとも、0時までには寝ること)。

 

 ⑤ミトコンドリア活性を高める

 ミトコンドリアが糖質、脂質、タンパク質の三大栄養素を酸化燃焼させ、私達のエネルギーを作り出していることは多くの方が知るところだと思います。 

 しかし、その代謝がどのような物質により促進され、又は抑制されるかについてはあまり知られていません。

 *活性化に必要な物質:ミネラル(亜鉛、マグネシウム、鉄、マンガンなど)、カルニチン,ビタミン類(B1,B2,B3,B5

 

 *代謝を抑制する物質:重金属類等(水銀、ヒ素、アンチモン、アルミニウムなど)

 

 ⑥呼吸法(ゆっくりした呼吸をする)

 *副交感神経を高める呼吸法(10秒/呼吸、1分間に6回呼吸)

 細胞に酸素を届けるには呼吸が大切なことは分かるが、呼吸回数を上げると、より多くの酸素が細胞まで届く訳ではなく、逆に呼吸数が増えると細胞への酸素供給量は低下します(ボーア効果を参考に)。

 

 また、コロナウイルスをはじめウイルスやがん細胞に対抗するためには、副交感神経が優位である事が重要です

 その、最も副交感神経が活性化されるのが、「10秒呼吸、1分間に6回呼吸」なのです

2~3秒で吸って7~8秒で吐く、随分とゆっくりとした呼吸法です。

 交感神経が高ぶっている時は脈拍も呼吸も速くなっています。ミトコンドリアに酸素が十分に届かず、免疫が低下し、コロナウイルスにも感染しやす状態です。

1回3分程度、日に数回、気が向いたとき行いましょう。イライラした時や、交感神経が高ぶっているときには、即、実践してみましょう!

 

「日頃から、ゆっくり呼吸に心がけましょう!」

 

 ⑦安易に鎮痛薬・風邪薬などを飲まない

 微熱があるときに、市販の風邪薬(解熱剤)を安易に飲んではいけません免疫力を低下させ、新型コロナに感染しやすくなるだけです。

 

 解熱剤、風邪薬に風邪や新型コロナウイルスを退治する効果は全くありません。むしろ、ウイルス類に対抗するために折角上がった体温を下げ、感染しやすく、かつ悪化を促進することになります。ただし、主治医からの指示であればキッチリ守りましょう!

 

 自分勝手に、日頃からアスピリン(鎮痛・解熱剤、感冒薬に含まれる)類を飲んでいると、ミトコンドリアは弱まり、風邪やコロナウイルスに、より感染しやすい体質へと変化していきます

 

 その他、バルプロ酸(デパケンなど)、スタチン(抗コレステロール薬)、アセトアミノフェノン(一般用感冒薬に広く含有)、メトホルミン(糖尿病薬)、ステロイド、白金化学療法剤(抗がん薬)、さらに食品等に含まれる有害金属(水銀、鉛、ヒ素、カドミウム、アルミニウム)、残留農薬(有機塩素系農薬/ダイオキシン類、有機リン系農薬など)、その他環境汚染物質などによってもミトコンドリアは殺傷されることが知られています

 放射線(X線)はヒトDNAの10倍のミトコンドリア殺傷するといわれています。疾患治療中の服薬は医師の指示を遵守する必要がありますが、風邪薬など安易な市販薬の服薬は極力控えるようにいたしましょう。

 

 ⑧運動と免疫

 適度な有酸素運動はミトコンドリアを活性化するには有用ですが、激しい・急激な運動は免疫にはマイナスに働くことが多いので気をつけましょう。激しい運動時(交感神経優位時)には好中球を中心に顆粒球が増加し、運動を止めた後も顆粒球はさらに増加する。

 

 一方、ウイルス類に対抗するリンパ球は運動時にはやや増加しますが、運動後は顕著に低下します

 リンパ球の中でも、NK細胞はその傾向が著しく強く(6倍上昇、その後半減、数時間~1日でほぼ回復)。この傾向は運動が激しければ激しいほど酷く、軽度の運動ではその影響は少なくなります。

 トライアスロンやマラソンランナーは競技終了後2週間に50~70%が風邪を引くといわれているが、過酷な運動が免疫力を低下させることによる結果です。

 

 スポーツの強化合宿時にコロナウイルスのクラスターが発生しやすいのにも、運動後の免疫低下時に“濃厚接触”になる機会が多いことに原因があるように思えます。

 また、組み合うことのない屋外での運動は新型コロナうイルス感染リスクは低いが、その後の密閉空間に近いロッカーや会食時、合宿同部屋での就寝時などは感染リスクは非常に高まることになると考えられます。

 

 なお、新型コロナウイルス感染は恐れれば恐れるほどストレスも高まり猛威を振るうことになり、正体を知り上手く付き合うことによって、比較的容易に対応できるということです

 

 新型コロナの話は、これで終わりになると思いますが、風邪も、インフルエンザも、新型コロナも対策の基本は全て同じです。是非自分の健康は自分で守る習慣を身につけましょう!