一旦、傷ついたDNAは年を重ねる毎に容易に修復する事が出来なくなります。 ですから、しみ、そばかすは一時的にメラニンの漂白(過酸化水素)やメラニンの生成抑制(ハイドロキノン)で見かけ上目立たなくする事は出来るのですが、DNAを更に傷つきやすくする事になります(メラニンによる遮蔽効果がなくなる分)。 一時的に見た目は良くなるのですが、皮膚の中ではDNAにはもっと悪い環境になっているわけです(過酸化水素自体が活性酸素を発生させ漂白作用をしています)。

 

ところで、DNAの損傷はX-線やUVCのような強烈な電磁波では、直接損傷を受けるのですが、UVBはそれほど強烈ではありません(又、通常真皮まで到達しません)。 UVAは真皮まで到達しますが、UVBなどよりもっと弱い光線なのです。 ??????では何故、そのような弱い紫外線でDNAが損傷を受けるかと言いますと、

 

紫外線のエネルギーで皮下細胞に有る不飽和脂肪酸が酸化され活性酸素(ラジカル)を生成します。 特にリノール酸という(近年、摂取過剰で花粉症やアレルギー疾患になっているヒトが多い)ωー6系の脂肪酸がほとんどの植物油に含まれていて、この油は11番炭素のところがとても弱く、紫外線が当たると直ぐにパーオキサイド(そしてラジカルに)生成します。 そしてこの脂肪酸酸化物のラジカルは寿命が長く、DNAを傷つけることになります。

 

では、これらをどのように防ぐかと言いますと、ラジカルを捕捉する為の抗酸化物質が有効になります。

 

まず、ビタミンC!!でもビタミンCは水溶性で血液の中だとかでは活躍しますが、細胞の中には中々入りにくい性質を持っていますので、細胞の中で必要な時に直ぐにと言うわけには行きません。 とはいっても血液を通して様々な活性酸素が巡回していますので、ビタミンCはまず必要ということです。 そしてゆっくり細胞には入ってきますので美容上にも必要不可欠かもしれません(メラニンの合成抑制作用もあります)。

 

紫外線対策で必要なのが油溶性の抗酸化物質で、ビタミンE、リコペン、βーカロチン、アスタキサンチンなどがあります。

 

ビタミンEにしろ、βーカロチンにしろ、アスタキサンチンにしろ、もともと植物や動物が紫外線から身を守るために体内合成したもので、リコペンはトマト、柿、ぐみなど、βーカロチンは緑黄野菜、かぼちゃ、ニンジン、マンゴー、などに含まれています(カロチノイドという天然色素を含んでいて大体色を見れば分かりますね)。

 

ビタミンEは落花生、大豆、アーモンド、胡麻、植物油(ごま油、米ぬか油、サフラーワ油、綿実油、ひまわり油など)やピスタチオ、すいか種、ひまわり種、松の実などにふくまれています。

 

アスタキサンチンはとても抗酸化力の強いカロチノイドの一種で、さけ、いくら、えび、かに、オキアミ、などに含まれています。 これらの油溶性抗酸化物質は細胞の中の脂肪・脂肪酸と一緒に居ますので、紫外線など急に刺激を受けた場合などに直ぐに反応することが出来て効果を発揮すると言う訳です。

 

そこで、紫外線対策を纏めますと、1)前の日or常日頃から”さけ””ごま”にんじん””トマト”等など油溶性抗酸化物質を含む食品を取り、2)当日は必要に応じ紫外線防止剤を塗り、たっぷりビタミンCを含む食品を頂いてから出掛けると云う事が大切です。 勿論、洋服や手袋など皮膚を覆うことが紫外線遮断の一番良い方法ですが、それではビーチバレーは出来ませんよね。

 

サプリメントを常用されている方は摂取過剰に、特に油溶性の物は蓄積性が高く、副作用などもありますので気をつけてくださいね。