リンコナダ ~天国と地獄に近い村 | AHORA(アオラ)

AHORA(アオラ)

     スペイン語のSkypeレッスンを提供するAHORAのブログです。


人類は海と陸からできたこの惑星の殆どの場所で居住しています。
極度に乾燥した土地、極寒の地帯、遠く遠く離れた小島。。。、そして高山地帯。

スペイン語でリンコナダと呼ばれる海抜5100メートルに位置するある村があります。

リンコナダはペルーのアンデス山脈にあります。
この村には金の鉱山があるのですが、当初は鉱山労働者の小さなグループが入植したのみでした。
しかし金の値段が跳ね上がった結果(2001年から2009年の間に235%の上昇)、住民の数は50,000人に到達しました。


住民の90%は金の採掘に直接携わっています。

鉱山労働者の人たちはカチョレオ(cachorreo)と呼ばれる伝統的なシステムの下、鉱山採掘のある企業(アナネア コーポレーション)と契約。


鉱山労働者たちは、採れた金をすべて渡す各月の最終日以外は、来る日も来る日も無償で働きます

彼らの給料は出来高制なので、ある種、運試しなところがありますが、リンコナダ村の鉱山労働者の月収は約60ユーロほどです。

リンコナダは短期間に激増した人口に対応しきれていません。
下水道設備も無ければ、家々には水を供給するシステムや暖房も無く、ゴミ回収のサービスもありません。


その上採掘は深刻な公害を巻き起こしていて、特に金を精製するために用いられる水銀による被害は特に酷い被害を及ぼしています。

病気も蔓延し、標高からくる酸素不足によって発症する病気の影響は、子どもたちに顕著に出ています。

アンデスのこの地域から沢山の川が生まれるため、リンコナダで発生した汚染物も下流へ運ばれていくのです。

リンコナダはこういった経緯で、通りは悪臭が漂い、衛生水準が極めて低く、最低限生活をしていける以下のレベルとなりました。
そして世界で最も悲惨な場所の一つと言われるようになってしまいました。


社会的にはリンコナダは法律の及ばない地帯です。警察所が12か所ありますが、鉱山労働者の殆どが未成年者のため非行に走るものも多く、殺人事件も頻発しています。
鉱山以外では、商売としてアルコールの違法販売や売春が横行していて、鉱山労働者の生活には女性を買うことが生活の一部となっています。

ペルー政府がこのアンデスのリンコナダ一帯に広がる問題を、改善するのが待たれます。
そしてあと10年もするとリンコナダに埋蔵されている金は底をつくと予想されていて、この村さえ消滅するかもしれません。

-----------------------------------------
この記事はカルロス先生から寄せられました。
スペイン語は約20か国で話されています。
スペインだけではなく、中南米の”今”をスペイン語で理解することができるようになりますよ。


カルロス先生



 
 
ブログランキングに参加しています。みなさんのクリックが励みになります!