唯幻論大全~岸田秀
何度もこのブログで書いておりますが、
私のものの考え方に多大な影響を与えた岸田秀先生。
ちょっと、眉唾だよな~と思う処もあるのですが(笑)、
その本質は、日本人の心の深層をえぐり取って、読んで飽きることがない。
この本も、買おうかどうか迷っております。
岸田秀さんの悪口を書いている人の文章を読んでいると、
要は、彼が正式なアカデミズムに属していないという理由だけで
彼の理論を認めないというものの考え方をする。
これって、実にばかげている。
ヨーロッパの近代は、「権威を疑う」ことによってスタートした。
アリストテレスの書いたことが皆正しいとは限らない。
実験してみないと判らない。
一介のエンジニアだった日本の会社員に、
スウェーデン・アカデミーが賞を与える決意をしたことによって、
彼の人生は急変した。
日本政府は、文化勲章で後追いする。
国中でお祝いする。
でも、もしスウェーデン人が、彼を選考しなかったら、
彼の20歳代の業績は誰にも評価されなかったに違いない。
逆に、高学歴の人たちが集まっているという理由だけで、
オウム真理教を「素晴らしい宗教」だと信じる人がたくさんいた。。。
岸田秀さんが、後世どのような評価を受けるかは知りませんが、
私にとっては、伊丹十三さんにとっては(笑)、
かけがえのない心理学者なのであります。