受付時間ギリギリ。滑り込みセーフのがんセンターでの診察結果は

総合病院とほぼ同じで
『子宮頚がん1期のどれかと、卵巣腫瘍』 
だった。

『とりあえず、子宮の円錐切除手術を先に行い、切除した部分を検査します。
どのような結果であろうと、子宮は全摘しますが、それが単純子宮全摘になるか、広汎子宮全摘になるかその検査結果次第となります。
同時に右の卵巣腫瘍を取り出し、手術中に検査し、悪性であれば左の卵巣も取ります』

と言われた。

涙がポロポロ溢れた。

子宮も全摘。
もしかしたら卵巣も全摘。

急いだ方が良いと、
翌日入院し、その翌日、円錐切除の手術が行われる事に。




お客様にお伝えする時、どこまで伝えようか悩んだ。

癌と言ってしまってよいのだろうか?

お客様が私のサロンに来てくださる感想に

『癒される』
『身体が楽になる』
の他に
『あんさんと話すと元気になる』

と仰っていただいている。

それなのに

お客様を癒し、元気にして差しあげたいのに、私が癌なんて。。。

でも、癌と伝えず卵巣嚢腫だけでは、あまりに長すぎる休業で不自然だし、

子宮頸がんに加え卵巣がんだった場合、抗がん剤などが必要になるかもしれない。
その時は一体どれだけ休んだらいいんだろう。

悩んだ結果、お客様には、卵巣嚢腫の他に初期の癌が発見されたので、少しお休みさせてくださいとお伝えした。


皆さん
『復帰するまで待ってます!』と仰ってくださった。

『あんさんの手技が好きなので、復帰するまでお弟子さんを紹介してください』

とか

『あんさんが施術でつかっている道具を買って、自分でやってみます』

と仰ってくださる方も。

私の施術が皆さんのお役に立てていた事を嬉しく、お客様には心から感謝した。

友人、家族にも、病状をどこまで伝えれば良いか悩んだ。
心配性の母親には、癌とは言わずどうにか誤魔化せないかと思っていたが、医師から、手術には家族の同意書や説明も必要なので、話してくださいと言われた。
夫も亡くなり、子供も未成年、兄は東京在住の為、キーパーソンは母親しかいなかった。


気が重くなったが、帰宅後、子供の習い事の引き継ぎや、大学の先生方への連絡、母へ連絡、入院準備にとりかかった。


大まかな入院準備はしていたけれど、
予想していなかった準備品がリストに載っていた。


『前開きネグリジェ』


前開きネグリジェて。
ネグリジェなんて、久しぶりに聞いた。
もう加藤茶しか思い出せない。

ネグリジェを買わなければ!

夜遅く、大型スーパーに駆け込み、高身長の私には全く似合わない前開きネグリジェを買った。