ボーカロイド難関曲メドレーにロックオンされている

有明アリーナでの演奏動画

 

 

ピアノのペイント、いいね。

Xで初めて見た時は、ド派手という印象だったけど。広い会場、カラフルで斬新なピアノペイント、いつものように全身黒の装い、今回の曲、演奏、すべてが絶妙にかみ合った壮大なエンタメだった。

映像も良い。Youtubeにあげることを前提に撮られたもの。

手元多めで、会場の様子もところどころに入り、彼の顔が入った演奏姿少な目。ピアノと手元映像が絵になる。実に美しい。

魅せる映像づくり。単に1カメ、2カメを切り替えるだけではなく、何台もカメラ使い、映像としても楽しめる、飽きさせない、そういった編集になっている。

 

 

六兆年、初めて聞いたのは都庁ピアノ動画だったなと。曲もそこで初めて知り、演奏と共に衝撃的だった。懐かしい

ドッペルゲンガーへのつなぎがすごくいい。両方テンポの速い曲で勢いがある。一気にボカロの世界に引き込まれる。

 

そして、わつあぽ。短かったがこれは初めて聞いた。天の弱、Fire◎につなぐ。しっとりと聞かせる曲。3:52から盛り上がりのところでの3音目の弱音。原曲を確認すると強音。それをあえて弱く弾く。予想外の展開に驚きとともに強く感情を揺さぶられた。原曲をそのままコピーすることだけがアレンジではないということ。人の心を動かすことができるかが重要。高度なアレンジ力を見せつけられる。

 

ギガンティック、これも初聞。しっとり系から激しい曲へつなぐ。ボカロに詳しい人だったらわかるかもしれないが、彼の音楽から入る人にとっては、初めて聞く曲はワクワクする。嘘ミーム、初聞、さわりだけだったが、コロコロ変わる曲調に釘付け。

 

そしてここからがメインディッシュ。消失、劇唱、人生。消失はいつ聴いても安定感あり気持ち良し。劇唱へのつなぎの部分カッケー。原曲も聴いたが、良くよく聴くとそれらしきフレーズあり。ボカロって電子音楽でつかみどころがない音で構成されていたりする。よくそれを拾ったと思って。ピアノに良く映えるフレーズ。曲も壮大でよかった。

 

人生、初聞。激しく荘厳、フィナーレにふさわしい演奏だった。初めて聞く曲は原曲も聴いてみたが、ピアノアレンジだと印象が変わる。曲の良さ、エッセンスをより際立たせる。バーバパパの曲もそうだが、一見複雑でつかみどころがない曲が、ピアノアレンジでより輪郭がシャープになる。彼のアレンジはその点が際立っている。

10分のボカロメドレー。ともすれば曲が違えども単調に聞こえがちなボカロをよくここまで作り上げたと感心する。

しっかりと練られた構成やイメージが頭の中にあるので、譜面を見ずともそれを再現することができる。見事なパフォーマンスでした。

 

 

 

彼の魅力は表現力なんだと改めて思う

音楽はジャンルによってそれぞれの世界観がある。演奏者はその世界観をどれだけ的確に表現できるか。正確にではなく的確に。そこに演奏者の力量が表れるのだと思う。

表現力。その曲の魅力、意図を最大限に引き出し伝える力。

そしてその表現力は技術に裏打ちされたものである。と彼の演奏を聴いて思う。

曲を単に音符として弾くことは、時間をかければ習得できるものなのであろう。その先にある「表現力」のためには更に深い技術が必要となる。

 

何を表現すべきかをつかむのは、そのジャンル、曲に対しての愛情と理解。そのうえで必要な技術は何かということ。

ただ、リスナーを引き付けるのはそれだけではなく、共感を得ることや寄り添うことが必要となる。例えばクラッシックだと、観客は曲の展開を知っており何が良いかという判断基準を持って演奏を聴く。演奏者はその期待に応えることで、観客との間に絆ができる。

一方、ストピなど、様々な基準を持つ観客の共感を呼ぶ、寄り添うには、場に適した選曲や演奏など、即興力が求められる。カギとなるのは感性と技術

リスナーは無意識に演奏者の姿勢と技量を感じ取り、演奏者との絆に対しYes/Noの判断を下している。

 

彼が13歳の時弾いたボカロメドレーを聞いた。

そこには既に今の彼がいた。人を引き付ける表現力、共感を生む力は経験で得られるものではない。天性のもの。それを確信する。

 

なぜ単推しなのか?

幾度となく自問自答してきた問い。アレンジ、心地よさ、、いろいろ理由はあるが、根本は彼の表現力、彼にしかない類まれな感性。それを感じ取り、脳が脊髄反射する、それに尽きる。それは他の演奏者には反応しない強固なもの。なぜかはわからない。ただ、この5年、いろんな人の演奏に触れてきた結果がそうだという。その事実があるだけ。

 

中学の時に壁にぶつかりピアノで食べていく道をあきらめた、とのこと。そして、Youtuberの道を選んだ。結果、多くの人が彼を知ることになり、自分のようにコアなファンになる人も少なくない。

今回の動画を視聴し、改めて、今の道を選択をしてくれたことに感謝する。