Youtubeでクラッシック音楽を少し聞いたからか、お勧めに関連動画が出てくるようになった。その中でタイトルに惹かれ何気なく再生した動画が良かったので半日ほどかけてざっと視聴した。

 

一旦、”書き留めた”がちょっと詰め込みすぎたな
見返す余力もないので今日はただ”書いた”だけにとどめます。

後日、体裁含め感想、考察も整理していければと。

 

そんな状態で読んでもらうのは申し訳ないので、もし興味がありましたら下記チャンネルを直接見てもらった方がいいと思います。

説明が上手で分かりやすいですよ。

 

 

 

 

チャンネル名は、車田和寿-音楽に寄せて

オペラ歌手の方のチャンネル。クラッシックの魅力をわかりやすく紹介するチャンネルとなっている。

 

カテゴリとしては、「音楽談話」を話の核に多くの入り口「音楽史」「作曲家紹介」「楽器紹介」「大演奏家」「オペラ解説」で構成されている。

個々の内容を点と点、線と線で結び大きな塊として音楽を見られるようにするのが「音楽談話」当位置づけとのこと

 

音楽談話、再生リストに46動画まとまってあったのでそちらから最初に手を付けることにした。動画のリストを見るとこの再生リストに入っていないのもある。

 

再生リストのタイトル(ショート)を並べるとこんな感じ

1.音楽が人生に必要な理由
2.音楽が伝えることが出来るもの。感情、情景?
3.演奏ミス 日本人は厳しい
4.クラッシック音楽は敷居が高いのか?
5.歴史や背景を知る必要があるか
6.pとfに隠された秘密
7.コンクールのメリットデメリット
8.ショパンコンクール、過去最大のスキャンダル
9.演奏家の顔の表情
10.ショパンコンクール裏話
11.チャンネル紹介
12.鑑賞するのに優れた感性やセンスは必要か
13.音楽家は競争好き?
14.聴きこみのすすめ
15.録音のウソ、音楽の本質とは
16.クリスマスとクラッシック
17.情報の信頼性
18.クラッシック音楽が難しいと感じてしまう理由
19.鑑賞マナー
20.実際に起こったハプニング
21.巨匠と呼ばれる大演奏家はどうして減ったのか
22.演奏の解釈
23.芸術がビジネス化
24.建設的な議論のやり方
25.「楽譜通り」の意味するところ
26.演奏家はただの使い捨て
27.芸術性の高い演奏とは
29.楽器の表現力の違い
30.芸術の見分け方
33.音に宿る力とは
38.音大の危機
39.音大生へ
45.音楽を教えるとは
46.どうして苦しい顔で演奏
49.個人プレー?チームプレー?
50.文化の壁
52.ドイツの音楽文化
53.自称音楽評論家
54.音大のメリット、デメリット
55.感動の押し売り?
56.リズム感を身に着けるには
57.迷惑なブラボーとは
64.「昔の方が良かった」はほんとか
65.音楽と付加価値について
68.クラッシック音楽や芸術はどうして広まらないか
70.音楽の本当の癒しとは
 

 

これではちょっと全体像を把握しにくいので、サブカテゴリに分類して見たのがこちら。タイトルだけで分類してしまっているので中身をみたら違うかもしれないが一旦ね。

 

 

"音楽、芸術"とは
1.音楽が人生に必要な理由
2.音楽が伝えることが出来るもの。感情、情景?
15.録音のウソ、音楽の本質とは
27.芸術性の高い演奏とは
30.芸術の見分け方
33.音に宿る力とは
65.音楽と付加価値について
70.音楽の本当の癒しとは


聴衆的視点、観点
3.演奏ミス 日本人は厳しい
4.クラッシック音楽は敷居が高いのか?
5.歴史や背景を知る必要があるか
12.鑑賞するのに優れた感性やセンスは必要か★
14.聴きこみのすすめ
18.クラッシック音楽が難しいと感じてしまう理由★
19.鑑賞マナー
55.感動の押し売り?★
57.迷惑なブラボーとは


演奏、演奏者
6.pとfに隠された秘密
9.演奏家の顔の表情★
13.音楽家は競争好き?★
22.演奏の解釈
25.「楽譜通り」の意味するところ
46.どうして苦しい顔で演奏
49.個人プレー?チームプレー?
56.リズム感を身に着けるには


ビジネス
7.コンクールのメリットデメリット
23.芸術がビジネス化★
26.演奏家はただの使い捨て★


歴史、文化
21.巨匠と呼ばれる大演奏家はどうして減ったのか
50.文化の壁
52.ドイツの音楽文化
64.「昔の方が良かった」はほんとか
68.クラッシック音楽や芸術はどうして広まらないか★


その他
8.ショパンコンクール、過去最大のスキャンダル
10.ショパンコンクール裏話
11.チャンネル紹介
16.クリスマスとクラッシック
17.情報の信頼性
20.実際に起こったハプニング
24.建設的な議論のやり方
29.楽器の表現力の違い
38.音大の危機
39.音大生へ
45.音楽を教えるとは
53.自称音楽評論家
54.音大のメリット、デメリット

 

1動画10~30分ほどあるので全部は見切れないので、まずは「"音楽、芸術"とは」とそれ以外で気になるものをピックしてみてみる(★印)

 

以下、サマリーと感想です

 

 

"音楽、芸術"とは

1.音楽が人生に必要な理由

  • 音楽とは二つ以上の音の組み合わせ
  • 音楽が表しているものは心、感情、魂
  • 音楽の特性を用いて複雑な感情を表すことができる
  • 心と心を通い合わせるためのもので、共感してもらう、なぐさめてもらうということができる
  • 自分の気持ちを理解してくれる友人を見つけるようなもの
  • 一緒に喜んだり楽しんだり悲しんでくれる友人になり得る
  • クラッシック音楽では様々ん心の深いところまで表現されているので自分の気持ちに合う音楽を見つけられる可能性がある

これを見て、さすが専門家だと思った

「音楽とは何ぞや、何者ぞ」についての解釈をうまく表現してくれていると思う。

友人、か。彼もそういうとらえ方をしているのだろうか

 

 

2.音楽が伝えることが出来るもの。感情、情景?

  • 義務教育の音楽の中で「馬車の音を表している」「川の流れを表している」と習ったことによる功罪。音楽が情景を伝えるというのは最大の誤解。
  • 初めての曲を聞いて思い浮かべる情景が皆一致するのであればそうだが、それはできない。
  • カッコー、鐘の音を模倣する場合は例外。
  • 音楽に伝えることが出来るものは感情。同じ曲を聞いて10人中8人が同じ感情を言い当てる
  • ロマン派の作曲家は絵画や詩、物語からインスピレーションを得て音楽で表現しようとした。それに標題をつけてで補おうとした
  • 作曲家は音楽に感情のエネルギーをのせ、聞き手はその感情のエネルギーを受け取り自分の経験に基づき自由に情景を想像する

これも確かに言われてみたらその通り。学校の授業、何だったんだろうな、、

感情を表現できるという証拠として、同じ曲を聞いたときに誰もが同じ感情を言い当てることが出来るというのが人が持つ心の動き、感じ方が同じという事

聴衆は皆同じ感情を共有しているという事か

 


15.録音のウソ、音楽の本質とは

(略)

 

 

27.芸術性の高い演奏とは

  • 芸術性の高い演奏をどう生み出すか
  • 体内からのものすごい強烈なエネルギーによって表現レベルを日常的なものから崇高なものへと高めること
  • 自分を律するためのエネルギー。体内から起こる緊張感
  • そういったエネルギーに支えられてできた芸術性の高い演奏とそうでない演奏とではまるで別次元
  • 深みのある音楽、演奏。この必要なエネルギーが体の深いところからやってくるから
  • 表現レベルを日常レベルに落としてしまうとそれは表現においてはもう芸術ではなくなってしまう。少なくとも一流の芸術ではなくなる
  • 日常では簡単に手に入らないから何とかお金を払ってでも聴いてみたくなる。人生にとて憧れは大事。

これはなかなか難しい笑

芸術とは非日常感。緊張感により発せられるオーラで場を制し非日常感を演出すること、という理解であってる?

皇室の例を挙げられていたが、それはちょっとわかるかも

オーラというのは内面のエネルギーなのか。普段は普通の人なのに、舞台や人前に出るとオーラが出るというのは、そういうエネルギーを出せる人ってコトなんだろうね

 

 

30.芸術の見分け方

  • 体内からの強烈な精神的エネルギーを上回るほどの力、それは高い技術
  • 日常的に見えるものも高い技術によって崇高なものへと高められている作品もたくさんある
  • 決して凡人には到達することができない高みにある世界。技術にはそれくらいの力がある
  • 洗練された技術はやがて様式、形式と言った型になる。表現のレベルが日常的なレベルから一つの高みに到達したという事
  • 様式や形式にはそれだけ洗練された魅力がある。ほとんどのクラッシック音楽が芸術と言われる理由
  • 長い間かけて洗練された技術によって誕生した形式や様式は多くの芸術に共通している
  • 現代においては音楽でも美術でも形式が洗練されすぎて新たな形式が誕生する余地がなくなってしまった
  • 多くの芸術家たちが表現者としてのエゴを満たすためにこのような形式を壊す行為に至った。否定したり疑問を呈することで独自の表現をしようとした。優れた技術を身に付けるよりより奇抜なアイデアを見せることに重点が置かれた
  • 洗練させるには時間がかかる。長い目で見る必要がある

高い技術、洗練化による非日常を形式、様式になるまで高めていく。

やっぱり芸術のベースは「技術」なんだね。多くの人、多くの時間をかけて培われたもの。現代音楽、現代アートはまだ道半ばらしい。これが「形式、様式」まで高められるか、はたまたぽしゃるか。技術の進化、アイデアなど複数の要素が必要なのだろう

 

 

33.音に宿る力とは

  • 難しい曲を演奏できるかではなく、本当に大事なのはどのように演奏したかということ
  • どんな音で演奏したか。ほとんどの演奏家は良い音を出すための練習に最も多くの時間を費やしている
  • 感情は演奏家が作り上げた音を通じて聴衆に伝わる
  • 楽器を鳴らせることが大事。楽器を鳴らせると多くの人にダイレクトに感情を伝えることが出来る
  • 良い音を出すためにはきちんとした体のフォームが必要。フォームは常に適度な緊張感の上に成り立っている。フォームは絶えず感情によって変化している。
  • 体の中のわずかな緊張感の変化が指先や息を通して音として表れる。それが様々な音色となって聴衆に伝わる
  • 演奏家が演奏する最初の音を聞けば何を感じているかがわかる。実力もわかる
  • 音楽はコミュニケーション。電子ピアノでは感情の変化音色を変化させることが出来ない。

音が感情を伝えるものであるならば、「良い音」を出すことでより伝わりやすくする。「良い音」は体の中のフォーム、緊張感によって作られる。体の中のフォーム、緊張感は「感情」によって作られる。そういうロジック

良い音を出すのにものすごい内面のエネルギーを必要とするということだね。演奏家はタフじゃないとやってけないわ

 

 

65.音楽と付加価値について

  • 1960年代ではすべてを網羅したうえで更に優れたものがあった人、付加価値がある人がスペシャリストと呼ばれていた
  • 今は「それしかできない人」をスペシャリストと呼んでいる。例えば「バッハのスペシャリスト」など。そのように特化した方が売り出しやすいから
  • 2000年に起こった変化として容姿も付加価値になった。女性の音楽家でよくみられる。
  • ストリートピアノ、小さな子供が演奏するなど、お笑いを加える、障害、苦労話も付加価値
  • 付加価値が増えると音楽を音楽として聴くことが難しくなってしまう
  • 音楽の場合境がわかりにくい。ストリートピアノを始めてみた人はどこまでが音楽でどこからがパフォーマンスなのかよくわからない
  • パフォーマンスが興味を引くのか、演奏が興味を引くのか境目があいまい。多くの人は意外性のあるパフォーマンスに惹かれている
  • 付加価値を利用すると一時的なブームを巻き起こし新しい人をコンサートに呼び込むことが出来るかもしれない。しかしその大部分が興味を持っているのは音楽ではなく付加価値の部分。付加価値をやりつづけないとそういった人たちをつなぎ留めておくことが出来ない。
  • ”音楽を広める”という大義名分のもとで付加価値が利用されてしまう事は危険。大義名分は自分の行いを正当化するので付加価値も必要なものになってしまう
  • 音楽には音楽以外の付加価値に頼らなくとも十分な魅力があると思っている。音楽そのものの光が覆われてしまわないよう注意が必要

これはいろいろ思うところ。音楽以外の付加価値をおとりにすると、おとりをやり続けないと新たな層をつなぎ留めれないということ。あくまでクラッシックとして見た場合、クラッシックファンを増やす=コンサートに足を運んでもらう人を増やすこと。

最近のネットピアニストの動向を見ると、根っこはクラッシックのためかやはりこの傾向(コンサートへの誘導)が多いように思う。

それを目的とするのであれば確かに「おとり」の注意は必要かもしれない。

 

 

70.音楽の本当の癒しとは

  • クラッシック音楽は癒し系?リラックスによる癒し効果?心の悩みや不安を解消する?不治の病を治す?
  • 自分の心に合う音楽を聴くというのが音楽におけるもっとも基本的な部分
  • クラッシック音楽が他と違うのはいろんな心の状態にマッチする引き出しを多く持っていること
  • ロックやPOPSと違うところは何か。クラッシック音楽には自分が弱っているときの心の状態にマッチする音楽がたくさんある
  • クラッシック音楽は寄り添ってくれる曲がたくさんある。これが癒し

自分がクラッシックへの向き合い方が違っていることに気が付いたわw

揺らぎ効果かリラックス効果という位置づけで見ていた。心の状態との関係があるとは。弱っている、悩んでいる自分に寄り添ってくれる友人の役割というのがこの動画の主張。要するに感情移入できることが要件という事か

自分の心の状態、音楽を感じる、コミュニケーションをとる、こういうことができると音楽と深い関係を築くことが出来るってことかな、きっと

 

 

ここまででも結構おなか一杯的なところはあるが、それ以外のものも取り上げる

 

 

聴衆的視点、観点
12.鑑賞するのに優れた感性やセンスは必要か★

  • 音楽に接するうえで優れた感性やセンスは重要。感性=感じる心
  • 音楽が感情を伝えるものである以上、受け手の方にも感じる心が必要になる
  • 感性は生まれつきのものではない。育てていくことが出来る。自分が感じたことを大事にする。自分の感じたことに自信を持てないと大事にできない
  • 大事にするためには自分の中にしまっておくことが大事。人は何かに感動するとそれを口に出して誰かと共有したくなる。同じ価値観の人と分かち合いたいと思う
  • しかしもし共有してもらえなかったらどうなるか。共感を得られないと自分が感じたことについて話をすることが不快な経験になってしまう
  • 感じ方の違いについて議論したところで解決策があるわけではない。うっかり自分の感想を口にしたばかりに、自分が傷ついたり相手を無意識に傷つけたりすることが多い。感想を口にすることにはマイナス面も多い。
  • 感性の卵を育てるのが大事。好きな音楽をたくさん聴くのがいい。音楽に先入観を持たずにオープンにいること。
  • 別なジャンルの音楽や演奏家の演奏を聞いたときに条件反射的に批難したくなってしまう。普段慣れている音楽は心地よくて他は違うと排除したくなる。最初の内は好きか嫌いか、良いか悪いかの判断はしない方が良い
  • 長い間音楽を聴いていくと自然に判断できるようになる。判断できるようになったら感性が育ったと思っていい

そうか。感想はネット上に流さない方がいいのか

感じ方の違いは解決策がないからということらしい

うーん、確かにそういう面があることは否定しない。でもまぁそこは自己責任かなと思う。自分の場合は自分の感じたことに自信を持っている?事実として受け止めているので、逆の意見に左右されることもそれにより自信を失うこともない

逆の意見に対しては、そういう見方もあるよね、か、何を前提としてそう見てるかを分析するか、どちらかかな。

大抵は共感の方が多いので自分の感性がそう特別なものではないとは思っている

 

 

18.クラッシック音楽が難しいと感じてしまう理由★

  • クラッシックが難しいと感じる理由の一つは「情報量」
  • 例えばビートルズに比べると情報量が圧倒的に多い。POPSは1曲が3分程度、楽器数も限られている。1回聞いただけで簡単に処理することが出来る
  • クラッシック音楽は時間も長いし楽器パートも多い。2,3時間もザラ、ワークナーに至っては6時間というのもある。1回で認識できるには限界がある。情報量はどんどん増える傾向。音楽を認識できない(処理できない)のが難しいと感じる要因の一つ
  • 音楽を理解しようとする。真面目な日本人にその傾向が強い。理解しようとしたときに理解できなかった時に難しいと感じる
  • 答えがない音楽というのもたくさんある。理解されることが大事ではない音楽もたくさんある。ドビュッシー、ラベルとか、、
  • 理解を求められていないのに理解しようとすることでかえって難しくしてしまっている
  • 音楽は感じることが大事であって理解する必要はない
  • 難しいと判断するのではなく認識に時間がかかると捉える

情報量、なるほどね。時間と数、更に歌があるわけではないのでその意味するところがわからない、わかる必要がない場合もある。

確かにそうかも。長い、多い、と感じたり理解することをあきらめるかも。それがストレスになる?場合もあるってことか

 

 

55.感動の押し売り?★

  • 音楽は感情を伝えるもの。音楽は心と心のやり取り、感情と感情のやり取り。作曲家、演奏家、聴衆がそれらを交換しながらコミュニケーションをとるもの
  • 人の感情を受け取ると自分の心も動かされる。音楽には人の心を動かす力がある
  • その幅が大きければその人にとって「感動」と呼べるものになる
  • 作曲家は人に感動を与えるために作曲しているわけではない。表現したいことがあったからそれを音楽という言語で表現した
  • 最近、感動があたかも目的のように書かれることが多い
    インターネットで検索すると「演奏で感動させる方法」「感動させる歌い方とは」、、
  • 演奏家にはやらなければいけない具体的なことがたくさんある。その具体的なことを一つ一つやると作曲家が表現したかった感情を聴衆に届けることが出来るようになる
  • 演奏家にできることは作曲家が残した感情の熱量をできるだけ熱々のまま聴衆に届けること。人を感動させることはそんなに簡単なことではない
  • CDを何枚も聞いたりコンサートに行ったりしたらそのうちの何回かは感動したというものに出会える可能性はある
  • 感動は受け手の問題なので感動しやすい人もいるししにくい人もいる。慣れてしまって感動しにくくなることもある
  • 感動という言葉を使えば使うほど感動という言葉の重みが失われている。例えば究極という言葉もそう
  • 昨今のTVでは「感動」を演出する番組、感動を暗に強要する場面が結構多いように思う。

演奏家としてやらなければいけない具体的なことがたくさんある

この言葉は刺さるね。それが今まで積み重ねてきた地道な努力なんだと思う。感動を目的とするのではなく、結果として感動させるという

そのための”仕掛け””準備”に途方もない労力を要しているのだろう

”感動”という言葉は使うと重みがなくなる、昨今簡単にその言葉を使う、というのはそうかもしれない。気を付けよう、、

 

 

演奏、演奏者
9.演奏家の顔の表情★

  • 50年以上前の共産圏やドイツの演奏家たちは表情を変えずに仏頂面で演奏していた
  • 最近ではほとんどの演奏家が自分の感情を顔の表情として表して演奏している
  • 演奏家はどうすれば音楽の感情、心を観衆に伝えることが出来るのかに注力している
  • 演奏者が音楽に込められた感情、心をしっかりと感じることが最も重要。それが顔の表情になってあられてくる。音楽の心が表れている。表情は心を反映するもの
  • 違和感を感じる人もいる。違和感には理由がある
  • 1つは演奏者の心と顔の表情が一致していない。パフォーマンス的な表情
  • もう一つは文化による表現の違い。表現の仕方が違う。日本人にとって不自然に感じてしまうことがある。慣れ。
  • 目を見ていると演奏家が考えていることが見えてくる。

「顔芸」はどうしても好きになれない。というのは変わってないが、ちょっとは許容できるようになってきた。程度だな

クラッシックだから表情を豊かにしなければいけない、表情により表現の優劣がある、というわけではなさそう。となると単に慣れと好みか

仏頂面での演奏が好みです。はい

 

 

13.音楽家は競争好き?★

  • ソリストを目指す人は目立ちたがり屋が多い。ソリストを目指した時点で競争は始まっている。限られた人しかなれないのが要因
  • 小さいころからそのような環境で育った音楽家はコンクールのオーラを身に付けて大きくなる。好戦的で勝気な雰囲気を身に付けてしまう
  • 吹奏楽部や合唱部でも全国大会に出場するような強豪校には独特の雰囲気がある
  • 入試やオーディション、音楽家にとって競争は避けては通れない
  • 好戦的な雰囲気は演奏にも出てくる。若い演奏家がそのような雰囲気で演奏すると聴衆には魅力的に映ることが多い
  • 「若き才能が登場した」という印象を受けるため。大きな自信に満ちた若い演奏家が他を圧倒する雰囲気で超絶技巧と呼ばれる大曲を演奏する。こういった演奏は曲の壮大さもあり聴衆を魅了しやすい
  • 皆が好戦的でギラギラしたような人の演奏が聞きたいか?他を圧倒するような素晴らしさがあることが多い。が、その人が50歳になってまったく同じ演奏をしていたらどうか?うんざりすると思う。
  • 音楽の面白いところ。同じ演奏なのに年によって見え方が変わってしまう。演奏には最終的にその人の人間性が出てくる
  • 若いころは生意気で推しが強くてもかわいく見える。良い年をした大人が同じようなふるまいをするとちょっと疑問を感じてしまう
  • 好戦的で圧倒的な演奏はすぐに飽きてしまう。そのような演奏を何度も聞きたい人は多くない
  • 聴衆が求めているのは心にあった音楽。音楽は感情や心を表すものなので、演奏家の心、感情、人間性が表れる
  • 誰か特定の演奏家を好きになる場合は、演奏の良し悪し以外にその人の性格を感じ取っている場合が多い
  • 誰に惹かれるかは様々。ここに演奏家の救いがある。勝ち負けでは語れない音楽の面白いところ
  • どの音楽家も音楽が伝えるものが何なのかを考えてそれに合わせて人間的にも成長することが大事
  • 最終的には人間性。人はそこに惹かれる。好き嫌いは理屈ではない

ここはイメージしやすい。コンクールの様子もその後の演奏活動も。常にそういう普遍的な歴史がクラッシック音楽にはあるんだろうな

最後の一文が心に刺さります

 

 

ビジネス
23.芸術がビジネス化★

  • 芸術を広めることは何なのか、広めることが芸術にとっていいことなのか確信が持てない
  • 広めることは簡単ではない。それより守っていくことが大事
  • 芸術は存続の危機。意義が失われつつある
  • 芸術とビジネスはものすごく相性が悪い。目指すところが違う。
  • 芸術は人間の高みに到達することを目標としている。高みに到達したからこそ強い光を放って多くの人を引き付ける
  • ビジネスは効率的に利益を生み出す行為。高みを目指せば目指すほど非効率になって利益が減ってしまう
  • 芸術家は生き方の選択を迫られている。芸術性を求めれば求めるほど収入は減ってしまう。妥当点を見つける必要がある
  • 多くの人に広まったとしても芸術がその存在意義を失ってしまってはいつか消滅することになる。現在の日本においては芸術をより多くの人に広めようとするとビジネス化を加速する可能性がでてくる
  • 多くの人が関わりその中でお金が流れれば流れるほど芸術はビジネスのシステムに組み込まれてしまう。行き着く先がショービジネス
  • ショービジネスの中では芸術の意義を守っていくのは難しくなる。収入を確保するために、キャストの質を落とす、オペラではなくミュージカルなどお客さんが入りやすい演目を増やすようになる
  • 成功してしまったら次に挑戦的な内容のオペラを取り上げるのが難しくなる。ビジネス化するということは芸術にとって足かせになることがある
  • 広い視野が必要。どのように広めたいか、10年後、20年後、、今は、芸術が放っていく光を絶やさないよう守っていくことが大事だと思っている。強い光というのは人に希望を与える。その光の価値に気づく人が増えればそれを失いたくないと思う人が増えていく。そういった価値観を共有できる人を増やしていく必要がある
  • ドイツは芸術をビジネス化させてはいけないという価値観を持っている。よって芸術は国によって守られている。大小60の歌劇場が公立で運営されている。ビジネスは文化を壊すものだという思う人が多い
  • 今の日本とは違う価値観。ビジネス化がさらに進んだアメリカとも違う価値観
  • 国がある程度守っていくこと、教育現場で小さい子供たちに芸術のすばらしさを教えていくことが大切
  • ターゲットを絞って広げていくというのはいいと思う。リタイヤした人たちとか。いろんな人生経験を経て歳とともにクラッシック音楽の良さに気づく年配の方は多い。

この問題は深いね。種の起源とちょっと共通点があるようにも感じるしまったく違うのかもしれない。つまり「生き残った芸術が強い」のかという話。弱い芸術は淘汰されていくという。芸術を強い弱いで語るものではないとは思うし、そもそも多数決というものでもないかもしれないが。ここは今の段階ではノーアイデアか

一時期、コロナの時にオケがつぶれていくというのを目の当たりにして焦りというか不安というかそういった何かを感じた。一度途絶えさせてしまったらもう復活しないだろうと思い。芸術は国が支援してでも保護すべきと思った。

文化とは何か、文化を守るとは何かということに社会として向き合うべきなんだろうね

 

 

26.演奏家はただの使い捨て★

  • プロになったら劇場や主催者と自分の契約内容について交渉しなければならない。自分の給料を交渉しなければならないというのは非常にエネルギーがいること
  • 契約をきちんとやらないと支払われないこともある。ビジネスマンとしての手腕も必要になる。契約書を思うように作るのは大変
  • そういった中で音楽事務所ができた。メリットがある反面デメリットもある。数が増えると質のばらつきがでてくる
  • 演奏家のキャリアをきちんと考えてマネジメントしてくれる事務所もあるが、演奏家をだましてお金もうけしようとする人たちも出てきてしまった。
  • 音楽事務所という仲介業にお金が流れていくようになっている。現在は音楽事務所の仲介なしにオーディションに行くことはできない。音楽事務所の人が音楽の専門家ではないこともある。そういった人たちが演奏家を判別していることもある
  • 興行主は聴衆を増やすために公演数を増やしたがる。歌手にとってはスケジュールが過密になる。劇場と専属契約をしている場合は1か月に何回演奏しても同じ金額。歌手の寿命を縮める
  • いい歌手が減ってきている。若いうちに使いつぶされている歌手が増えている。悪循環に陥っている

音楽事務所、ね

彼はどう考えているのだろう。Youtubeの事務所にも属さず完全自営業。

契約を自ら結ぶって確かに大変そうだわ。いろんな条件交渉なり契約への盛り込みが必要。煩雑だと思う。動画づくりに専念させてあげたいところ

おっと、クラッシック界の話だったのにすげ変わってましたね失礼

 

 

歴史、文化
68.クラッシック音楽や芸術はどうして広まらないか★

  • 人々の興味の対象は様々。人は自分の感性に合うものを選んで自分の趣味や生きがいとして生きている
  • 広めようと思っても大きく増えたり減ったりするものではないと思う
  • スターがいれば一時的には盛り上がるが、30年くらいのスパンで見ると落ち着くところに落ち着いていく。パパロッティは100万人の観客を集めたが今はそれがどこかに行ってしまった
  • 音楽に興味を示す人音楽と波長が合う人の割合は根本的には大きくは変わらない
  • 音楽を広めるためには自分が本当に素晴らしいと思う芸術、音楽を一生懸命やること。できるだけ良いものを作り出そうと努力すること
  • 本当に良いものだけが人の心を動かすことができる
  • 新規を2倍に増やすより1人を2回に増やす方が現実的

「音楽に興味を示す人、波長が合う人の割合は大きく変わらない」ゆえに「新規を増やすより一人当たりの回数を増やす方が現実的」という前提と指針については全面的に説得力ある。

付加価値による一時的なモノでは続かない。やはり相性、シンクロする人しない人というのは長期スパンで見ると”増やせない”、むしろ”減る”というのはクラッシック音楽においては真なんだろう。先の種の起源じゃないけど悩ましい問題