ZeppTour Nambaの参加者感想を見ながら幸せに浸る。

これが後何週間か続くのか。夢のようだ。

人がハッピーという気持ちを素直に表しているのっていいよね。

これだけ多くの人の心をつかめる、作用させることが出来るって。

ほんと世の中に大きな貢献をしているよ。よみぃさん

敬意です。

 

 

 

 

 

さて、

 

アマゾンで検索していたらお勧めに出てきた。

以前しもんさんが読んでいる本を紹介してくれた時に調べたんだろうな。そのつながりで出てきたか。ちょっと興味をひかれ、つい「購入」をクリックしてしまった。

 

大黒達也(だいこくたつや)

青森県八戸市出身。博士(医学)。東京大学ニューロインテリジェンス国際研究機構特任助教。オックスフォード大学、マックスプランク研究所(ドイツ)、ケンブリッジ大学を経て現職。専門は音楽の神経科学と計算論。幼少期から作曲を学び、ピアノ・ソナタ、オーケストラ、室内楽、即興曲、ジャズ、コンピュータ音楽等あらゆるジャンルの曲を制作。現在は、神経生理データから脳の創造性をモデル化し、創造性の起源とその発達的過程を探る。


創造することの脳のメカニズムを書いたもの。

なかなかおもしろかった。

脳の構造であったり情報理論など少し専門的な話も含まれるけど総じて平易に書かれているので読みにくいということはなかったかな。
ただ構成的には起承転結というような形にはなっておらずトピックスの寄せ集めになっているので構造的に理解しようとすると少し労を要する。
 
 
 
自分が理解した要点をピックアップする。
注)
タイトルは自分がつけたもので本にあるものではないです。
参照の中の※は補足として追記したもの
 
 

不確実性

不確実性を把握しようとする心理を興味、不確実性を下げていく行為を意欲
この本ではよく「不確実性」という言葉やその言い回しがよく出てくる。
自分の中で情報処理され知識化されたもの以外を指していて、これが創造性に大きく関係している。そして興味や意欲をこう定義している。
この本は「芸術的創造」を扱ったものだから違うのかもしれないけど、言われてみれば一般的な概念に見える。
よみぃさんに興味があるのもそれを解明したいと思うのも、”わからない(=不確実性)”が原点にあってそれを”解決したい(=不確実性を下げたい)”という渇望が脳からの指令されているようにも思う。
 
 
芸術家は不確実性を求める
ベートーベンが作曲したピアノ・ソナタを時系列で並べた時、各曲の情報エントロピー(不確実性)が生涯にわたって徐々に増加していることが分かった。芸術の本質とは新しいもの(不確実・不安定なモノ)を求めることにあり、苦しい作業ではあるもののそれと引き換えに新しい自分だけのエピソード情報を生み出し自分らしさを体感していく作業
同じところにとどまらない。常に進化を求める。
芸術家にとってそれが興味であり意欲であるからなんだろう。
不確実性、まだ解明されていない情報を追い求める。決して満足しない、飽くなき追求。これは研究者や技術者にも通じるものがある。
不確実なものってすべてが見えているわけではない。解明するごとに増えていくのかもしれない。これも彼を分析していて思うコト。
 
 
芸術的個性と創造性
”音楽性”を維持しつつオリジナリティを生み出すためには最低限の制約として、AIで言うところ識別関数のような方程式が存在するのだと考えられる。この識別関数は入力情報次第で徐々に変化していく。普遍モデルに何か変化が起きる瞬間こそ芸術的個性が生まれる瞬間。
ここの解釈が難しいんだけど。脳で処理され圧縮された情報は普遍モデルとして識別関数のようなもので表すことができる、ってことなんだと思う。多分。自信ないけど。
その普遍モデルが”入力情報次第で”変化する。不確実性といわれる新しい音楽が入ってきたら化学変化が起こるってこと。普遍モデルが変化する、すなわち識別関数が変わる。これによりアウトプットが変わる。このときに芸術的個性が生まれるってこと。かな?
人の創造性には既存の知識の枠に表現を収めようとする表現意欲(※収束的思考、収束・最適化、不確実性の低下)と既存の知識から逸脱しようとする表現意欲(※発散的思考、発散・不確実性の増加)の相反する2つの力が互いに引き合うような形で存在している。
ここもムズイな。
前の「入力情報により保有の識別関数が変化、アウトプットが変わる」というのとは別に「自らの意思でアウトプットを変える」ということを言ってるのかな。
よみぃさんならわかるのかな。解説して欲しい。彼独特な感覚の例えで理解が遠ざかる可能性大だけどw
 

モデル化から内発的報酬までのロジック
音楽家は長期間の音楽訓練を通して様々な音楽を潜在学習している。音楽普遍的な統計的構造を脳内でモデル化することで他のあらゆる音楽に対しても予測できるようになり音楽情報処理に費やすエネルギーを節約できるようになってきている。
予測しやすさや脳が長年かけて作成してきた音楽の普遍的モデルがどれだけきちんと整頓、最適化されているかと関連している。
最適化が学習。
音楽訓練を通してモデルの複雑性を徐々に下げ最適化されていくことで他の様々な音楽を聴いても予測しやすくなり脳の負担も軽減する。
情報の不確実性が下がることが「喜び」という内発的報酬になる。
この喜びを得ようとするワクワク感がいわゆる知的好奇心というもの。
ここポイントだわ。
よみぃさん、今まで聞いてきた音楽すべてが頭の引き出しに整理されて記憶されているって語ったことがあったけど(あ、例の動画か)、そのからくりがこれなんだと思う。
統計によるモデル化。頭の中で主成分分析みたいなことやってるってことだよね。固有ベクトル見つけて情報をダブりなく整理(直交分解)する。
そのパタンが最適化=万能化(因子と次元数の最適化)されていたら、新しい不確実なものも対応が取れる、近いパタン、共通性が見つかるということなんだろう。
よみぃさんの理系脳を考えると腑に落ちるロジック。
この”わかった!”という感覚(アハ体験とのこと)が「喜び」に結びつき、知的好奇心へとつながるというのも、まさによみぃさんだなと思う。
彼の頭の中で起こっていることを解説してくれているように思える。
 
モデルを限界まで収束させ最適化・普遍化させてしまうと音楽は不確実性がなくなりこれ以上の報酬(知的な喜び)を望めないのですべての音楽はつまらないものになる。
ついでにこんな怖いことも...
 
 
余談
既存の音楽をしっかりと学んできた音楽家は同じ理論に基づいた他のメロディを正確に予測し効率よく脳内で情報を処理することが出来る。
効率よく音楽情報を処理できる音楽家はインプット情報の処理だけではなくアウトプット、創造的な即興演奏も得意であることがわかっている。
基本的な情報をしっかりと学習し、頻繁に表れる冗長な情報の塊を圧縮してデータ処理効率を上げることで負荷のかかるような創造的思考も豊かになる。
ここもよみぃさんを連想するところ。
理論を学んできたからこそ効率的に情報を処理、脳の負担が減った分創造的な作業に割り当てられる。即興って余力がないとできないってことね。
耳コピや飲み込み、吸収が早いというのは、効率的に情報を処理しているからなのね。それと即興力とが関係しているというのは新しい気づき。
 
 
構造化を試みたけど難しかった。
不確実性、創造性、芸術的個性がキーワード
  • 芸術家は不確実性を把握することに興味があり、不確実性を下げることを求める
  • 学んできたことはモデル化されて脳に格納されている
  • 学べば学ぶほどモデルが万能化(普遍モデル化)し不確実性への対応が早くできる(=不確実性を下げれる)ようになる
  • 不確実性を下げることは「喜び」という内発的報酬につながる
  • 一方、創造性を発揮する際は収束と発散が働く
  • 収束は自ら持つ普遍モデルに収めようとすること、発散は自ら不確実性を生み出すこと
  • また普遍モデルの変化(聞く音楽が変わると変わる)、これが芸術的個性につながる
 
こんな感じかなー。
不確実性を下げることに喜びを見出す傍ら、創造性のために自ら不確実性を生み出すという矛盾もあり、きれいな筋ではまとまらないけど。
 
それ以外にも、いろいろ興味深いことも載っている。
・創造的な人は価値あるものを瞬時に生み出せる
・絶対音感
・超絶技巧
・創造できる人の苦悩
・創造的発想者は変人と見なされる
 
 
 
最初は特に目的なくなんとなく読み始めた本だったけど、”それ、よみぃさんじゃん”みたいな話がうじゃうじゃ出てきて、結果、よみぃ分析が前進した気がする。
うん、良かった。大満足
 
疲れたので一旦完了。元気な時に見直して精査していくかも。