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イチョウ並木がみな黄色。
ここの花咲公園は埼玉も北のほうにあり、東京に近いにぎやかな県の中心からさらに離れた地のためか、寒さがくるのも早いらしく、予想したとおりの木々の葉の黄色づきである。
今日はミニベロ20インチをひっぱりだして、ゆたゆたポタリング(自転車散歩)すれば、顔にあたる風は冷たく、冬が近しを知らされる。
住宅街をぬけると一面に畑の広がりに目がうばわれる。
晴れの日の空気は澄みわたり、空は青く、日光の山らしき黒影が遠くにうっすらと浮かんでいる。
道のはたには農家の住まいがならび、どれもハウスとよぶべき近代的な家々がみえ、それでも庭には大きな木々を残し、ありあまるほどの赤い柿をかかえる細い木もある。
「柿くえば ペダルふむわれ 元気でる」が、他人の農家の柿とれぬ。
いつか、畑の横の小川をこえて道路に飛びでる柿の木の実がさも取っていいよな顔してるので、その一つに食らいついてみれば、みごとなシブガキだった。

花咲公園-今日はフリーマーケットがならんでた。
ぞろぞろと歩く人は店のぞき、わたしも売り物をチロチロみればほとんどが洋服類。
衣服などには目がいかぬわたしには人を見るほうがおもしろく、レジャーのなかの子どもらは楽しそうで、親ものんびりした顔である。
これぞ平和な日本、幸せの風景とおもいつ、のどかに歩みつ、おいしい空気を胸にためこんだ。

が。
その足をふと止めたのは、まじめそうなお兄さんの机をみたときで、「いじめで自殺した女子中学生」の記事パネルがあり、署名をあつめているそうな。
ひとりの主婦にあつい口調でかたりかけて、それに応じた子連れ奥さんは署名におうじていた。

さらに進めば、並木道が切れる先には石のモニュメントで、子どもが丸石の上にすわっている。
わたしが「この大きな石はなんだろうね。アメ玉みたいだね。こっちの日が当たるところはあったかい」といえば、人見知りする子は黙っているが、人なつっこい子は、「うん、アメ玉みたい。こっちの方はあったかい」と答えていた。
フリーマーケットのなかでは会話もしなかったが、このモニュメント広場では小さな子どもとちょいしゃべりした。
思えばこれは「見知らぬ人との会話こそ心の健康」の心理学テーマを知らずに身につけての実践で、全くダンマリでだれとも話さぬ日よりよほどいい。

空腹おぼゆ。
食堂はなし、売店もなしで、あるのはアイスクリーム屋さんだけなので、しかたなしにと手持ちのビスケットとジュースで空腹しのぎ、またもや自転車のペダルこいでは家路をいそぐ。
わが家につき、ほふぅと息ひとつ吐く。
今日のポタリングはほどよい疲れをおびて、その身体をビールでいたわれば、味はまさに極上のごとし。

*写真はイメージ