福島市民オーケストラで一緒に吹く機会のあった福島市のトロンボーン吹きのSさんが50代前半で亡くなり、きょう告別式に参列した。

 仲間というか同士というか、共に演奏を楽しんできた人が1人いなくなってしまった。

 告別式で奥様や子どもたち、市オケ関係者の表情などを見て、マーラーの5番を吹いたこと、アルトでバーゲンザイルをさらっていたこと、ある演奏会でウインドマシーンが必要なため自作して本番で使ったこと、東京の某楽器店にあったラリー・ミニックのプロトタイプを何気に買ってきて見せてくれたことなど、彼の数十年間の記憶が思い出された。

 Sさんはトロンボーン吹きであると同時に造園会社の管理職でもあった。彼の自宅兼会社が自分の勤務先と近いことから、時々朝晩会ってあいさつする仲で「ああ忙しくしているな」と思っていた。仕事があるのはいいこと。「時間ができたらゆっくりアンサンブルを」なんて話をしたが、お互い時間がないのは承知の上での会話だった。

 人生100年時代なんてキャッチフレーズがあるが、平均寿命に届かないで亡くなる人を少なからず知っている。「老後は趣味に生きる」と思っている皆さん、「趣味に生きる」のは今かも知れません。つついたつお、分かっているか?