管楽器の音のアタック(出だし、発音)を聴いて、その楽器が何なのか判断することがある、というか。そのアタック(出だし)がないと、どの楽器の音か分からない、なんてことがある。世の中の人、いかがですか。

 これは誰かの本に書いてあったと記憶しているし、自分でもやってみたけれど、さまざまな楽器のロングト-ンを録音して、音のアタマをカットして真ん中の部分だけを聴いてみると、何の楽器だか結構分からない。フルートとかトロンボーンとかクラ、サックスなんて難しいですぜえ。

 フルートの息の音、クラやサックスのわずかなリードの「キャッ」っという音、トロンボーンの、タンギングの前の「プルッ」という音。これらは文字通り奏者の息遣い。ジャズライブとかでいいなあと思うのだけれど。アンサンブルとか大規模な合奏では、自分は邪魔だと考えている。

 トロンボーンに限っての話、「プルッ」という音のせいでラッパやホルンに比べて発音が遅れるようで嫌だなあ。ラッパやホルンがマウスピースが小さいからねえ。ツーバはきっとすんごい苦労しているんだろうなあ。とにかくトロンボーンはスパッと入って合わせることが大事。

 別に具体的なプレーヤーを批判する訳でないけれど。さまざまなクラシック奏者のトロンボーン奏者のアンサンブルのCDを聴いて、もちろん自分よりはすんげえ上手だけれど「自分はこれとは違う」と思い続けている。これは自分が十代のときから変わっていない。さて自分が六十代になってから、どうこの部分を練習していくか。楽しみ楽しみ。