私、ほぼまったくピアノが弾けません。鍵盤は分かるけれど。右手と左手を同じに動かすことしかできません。

 そんな自分が少し前、ピアノ弾き(♀)から教わったこと。

 ♀「スタインウェイって敏感なんですよ。奏者の思ったような変化がつけやすいし軽いし弾きやすい。でもちょっと神経質かも。鍵盤の横幅がほんの少し狭いし、弾いた時の奥行き(鍵盤が下がりきるまでのストロークか)が比較的浅いし…」

 ♂「へえ。じゃ日本のピアノはどんな感じ?」

 ♀「日本のメーカーは重くて深いかな。ヤマハは●●だし、カワイはもっと●●だし。余裕があるけれど、こう弾きたいというのがダイレクトに伝わるかというと」

 ♂「ええ、そうなんだ。ヤマハやカワイの方が敏感な楽器で、外国の楽器の方が鈍いと思ってた」

 ♀「日本の楽器の方が鈍いような感じが。程度の問題ですが」

 ♂「それは、管楽器のイメージとはちがうなあ。今は分からないけれど、昔はヤマハのトロンボーンが繊細だって言っていたねえ。バックとかコーンは力任せでも鳴ってくれるっていっていたね」

 この話をした日の日中、自分は残響いっぱいの福島市の某ホールで、ピアノ伴奏による声楽の演奏会を聴いていた。ステージにはスタインウェイとヤマハのコンサート用ピアノが用意されていたが自分が聴いたのはスタインウェイ。

 ふうん、スタインウェイがヤマハ、カワイがバックかあ。

 なんて、こんな一瞬のインプレッションは、ころころ変わるものだけれど。面白い雑談ではありました。