特定の団体の演奏ではなく一般論として、リストの交響詩「前奏曲」で一番聴かせるのが難しい部分は、冒頭の弦のピチカートだと勝手に考えている。いっそ、あの部分をカットしても曲としては成り立つのでは、というのは暴論か。
 まず指揮者が振りにくいだろうし、演奏する側も合わせにくい。
 普段の合奏で低弦から先に入って、ほんのわずか後にバイオリンなど他のパートが続くような「通の演奏」では、ばらんこばらんこで目も当てられない、というか耳をふさぎたくなる、というか。、
 まさにある1点(それは指揮者の棒や手の動きに合わないとしても)の瞬間に「バン」「タン」「ザン」…。とにかく1つのタイミングで聴こえる音にしなければ。ああ考えただけでざわざわする。自分にはできません。
 実際に演奏する場合は①指揮者がその前からしっかりカウントしてそろえる②コンマスなりチェロのトップがオーバーアクションで皆をつけさせる③演奏者の人数を減らしてばらつきをできるだけ抑える、なんて方法があるか。