この前、これから外回りの仕事になる年下の同僚と話していて、社有の携帯電話の着信音が耳について離れないという話題になった。鳴っていない筈なのに着信音やバイブの振動音が何かのひょうしに聞こえる、という内容。
 「えっ不思議」「神経質すぎ」と思う人がいると思うが、自分は「確かにそうだ」と肯定する方だ。
 言葉について「空耳」という表現があるが、自分の経験上、音についての「空音」がある。
 時代がばれるので恥ずかしいが昔々、携帯電話が普及する前の「ポケベル」の音などがそうだった。音程がなくて短音のリズム、まるでモールス信号みたいなピピピピピ…、ピピー、ピピー…といった電子音が、鳴っていないときでも鳴った気がする。
 現在でも救急車やパトカーのサイレン、または家庭の中にある洗濯機、炊飯器、電子レンジ、風呂等の「ピーピー音」。これが気になる。作動していなくても「うるさい」。
 電車が多くない福島県内ではさほど気にしなくてすむが、山手線など都内の駅のメロディーは皆さん気にならないのだろうか。あのメロディーが導入された際、雑誌「パイパーズ」などで楽譜付きで賛否の議論があったのだが。もう都会の皆さんは慣れたのかな。自分は苦手です。
 「空音」は実際には鳴っていない? いやいや鳴っている。世の中のさまざまな雑音(テレビやラジオやスマホ。さらには風音や車の行き交う音、世の中にあふれる音)に紛れて、人間の耳や頭が意思とは関係なく、ある周波数の音を「空音」として拾ってしまう。そして無意識のうちに再生してしまうんじゃないか。
 なんてことがあると考えている。