今回はレンズに関する「つぶやき」のみなので,写した絵は次を見てくださいね
今日のレンズは ”Tamron SP 70-150mm F2.8 soft” です
ソフトフォーカスな絵を撮ることもできるレンズです
ソフトフォーカスは鏡筒にあるリングを回すと,ソフト無->ソフト3までを設定できる仕組みになっていて,ソフト無しでは結構シャープな写りをするとか.ただ,ソフトの具合はそれほど強烈ではなく,それよりボケ味の変化が大きいとか,,,
たしか独身時代(40年以上昔か,,),写真雑誌の特集を見て面白がって買い,何回か使って飽きちゃったような覚えがあります
それ以来仕舞いっぱなしだったのを引っ張り出してみました
ところが,単体では絞り込みレバーを押さないと絞りは開放のまま、押すと最小絞りになり絞り環を回しても動かない.マウントアダプターをつけると最小絞りになり,やっぱり絞り環を回しても動かない(アダプターをつけると絞り込みレバーを押した状態になるのでこうなると思われる)
さらに,レンズを振ってみると何やらカラカラ音がする.何か部品が外れて中で遊んでいるような,,,
これらを総合して考えると,中の部品が外れて絞りが最小絞りに固定されてしまっているとおもわれますね
さて,このままでは使えないのでジャンクで売っ払うことも考えましたが,80年台前半の,それもサードパーティのズームレンズ,ソフトフォーカスといった怪しいギミック付,さらに不動品,,これじゃー値段の付きようがない(後で調べるととんでもない思い違いでした!!)と思いダメ元で分解修理を試みました(後の組み立て手順を確認するため一手ごとに写真を撮っておくことがお勧め.私はやらなかったので苦労しました)
分解は,,,
1)マウント部分を外し
2)絞り環を外し(クリック感を生み出す極小のスチールボールとそれを受けている小さなスプリングがあるので落とさないように袋の中とかで外すのが吉)
3)ギミックを生み出すレンズ群を外す(レンズ群を外した時,その塊の筒に"Cリング"がまとわりついていたのですが,筒の直径よりかなり大きくこの筒に取り付けるものではないような感じでした)
ここまで分解すると,絞りのメカニズムが見えてきました
絞り込みレバーを押すと,絞り機構のピンを絞り込む方向に押して絞り込むようです.この仕組みと絞り環の動きは連動していないようで,いろいろ見てみても連動のメカニズムがわかりません.絞り環と連動して回る円盤があり,その一部に変な形の穴が空いていますがその辺を突いてみても???なだけです
といったところで,晩ご飯の準備にかかる時間となり一時撤収をして「また,あした〜」にしました
晩ご飯(当然晩酌付)が終わって歯磨きをしているうちに,酔った勢いで「もう一回やってみっか」となり,謎の穴のある円盤の辺りを探っていると例のCリングがちょうどその円盤がはまっている筒に合いそうなことに気がつきました
ただ,はめてみようとしても円盤の一部が持ち上がっていてCリングが溝にはまらないようです
その持ち上がっている辺りを探っていると,真鍮のピンがありました.これに引っかかって円盤が沈み込まなかったようです
ごちゃごちゃやっているとそのピンは鏡筒の放射方向に動き,謎の穴に入るのです.すると円盤が沈み込んでCリングが嵌りそうです!さらに,そのピンを中心方向に動かすと絞りが開くことがわかりました!これで絞りをコントロールしていたのでした!!
整理すると,,,
1)絞り環を動かす
2)連動している円盤が回る
3)円盤にある謎の穴の形に合わせて絞り機構の真鍮のピンが動く
4)ピンの動きに合わせて絞り羽根が動こうとする
5)絞り込みレバーが開放されていると絞り機構のもう一つのピンがスプリングの力で絞りを開放する方向に引っ張っているので絞り込まれない
6)絞り込みレバーを押し込むと,絞りを開放方向に引っ張っているレバーが絞り込む方向に押されて設定されたところまで絞り込まれる
といったメカニズムになっているようでした
結構複雑なメカニズムですが,絞り環を最小絞りにセットすると絞り込みレバーの押し込み具合に応じて絞りが動くことで自動絞りが可能となることを狙っていると思われますね
となれば,「謎の穴にピンを合わせCリングを嵌めればOK」と嵌めてみます
上手く嵌ったのですが,これだと開放絞りに近いところまで絞り環が回りません??
絞り環を開放近くまで回すと真鍮のピンが筒の近くまで動きCリングの幅が邪魔をして開放の位置まで動けないようです
なので,Cリングの開いているところを絞り開放時にピンが来る辺りにもってくる必要があるようです
Cリングの開いているところの反対側に小さな突起があるのに気がつきました.嵌める筒にも切り欠きが,,,,これを合わせてCリングを嵌めると,ピッタリでした
ギミック用のレンズ群のレバーピンをSOFT操作環の内側についているレバーの溝に嵌まるように鏡筒に入れねじ止め
絞り環を,そのレバーをこれも謎の穴のある円盤から伸びているレバーに合わせて取り付ける(そのときボールとスプリングを忘れずに!鏡筒の方にある穴にグリスで貼り付けておくと割と楽)
あとはマウント部分を取り付ければおしまいです
マウントは,ボディ側から
1)金属プレート
2)薄いバネ素材のプレート
3)プラスチックプレート
4)ファイバー素材みたいな薄いプレート
の4枚で構成されています
また,3本のプラスネジにはそれぞれ1枚づつのワッシャーがは入りますが,その位置がクリティカル!!
最初,記憶では3)と4)の間だったような気がして入れたのですが,組み立ててみるとマウントアダプターが最後まで回りません.カチッとロックされないのです
90mmF2.5のレンズのマウント部分を よ〜〜〜く見ると,,,どうも2)と3)の間のようです.変更してみると,,,正解でした! だっからよ〜〜!! ちゃんと経過の写真を細かく撮っておくのが肝要なのだと,またしても厳重注意,,,でも,身に染みないおバカな私です.次もおんなじ苦労をするような気が,,というか,必ずしますね
α7Sにつけて試してみてもピント・絞り・softギミックともちゃんと動いているようです
で,改めてネットで検索してみると,,,なんと!!このレンズあまりにも売れなかったため市場にほとんどタマがなく,唯一無二のsoftギミックが今になって話題?となり結構なプレミアムがついて完品なら10万円越えもあるとか,,,なんてこったい!またしてもプレミアムレンズを手にしていました!!本人は全然気がついていなかったのですが,,,
あと,検索中に見かけたのですが,英語の掲示板に私のとおんなじ症状のレンズのことが載っていて「修理できる?」などと質問していました.このレンズの弱点なのでしょうかね〜
だとすれば,またおんなじことが起こる可能性が高いかもです.その時は今回のことを参考に修理することになるので,こうしてグダグダと記録をとる意味で書いたのでした
最後に,失敗談.絞りの連動を調べている時,絞り込みレバーを引っ張っているバネを外してみたのですが,外す時とつける時ピンセットで引っ掛けて作業するのですが力を入れすぎてバネを伸ばしてしまいました.なので,バネを途中で引っ掛け短い状態で戻しました
後で考えるとこのバネは外す必要はありませんでした!いやはや,,いつものことです
そんなこんなで,プレミアムのついた高額レンズはジャンクとなり値段のつかないゴミになりました.プライスレスってやつですかね,,,
光学系はキレイで,機能もOKぽいので私が使っていくことになるでしょうね
では,これで写した物は次回