今回は ”Culmigon 35mm F4.5” です
レンズ構成も凝ったところなく,明るさもF4.5と控えめなためとってもコンパクトなレンズです.But マウントがデッケルマウントの為最短距離が90cmと遠いのが難点です
また,レンズ自体はコンパクトでかわいいのですが,マウントアダプターをつけると
となってしまい,けっこう大袈裟です(レンズ本体はシルバーの部分のみです)
まずは遠景
ピクセル等倍で拡大してみると
コントラストも強く解像度も良いです
コレも拡大すると
よく見えてます
コレも拡大すると
鉄塔のトラスがハッキリしませんが,よい方ですね
次に中景は
眠いというか,ちょっと現実感のない色合いと言いますか,,,
暗いと少し現実感が戻ってくる?
なんか夢の中のような浮遊感,,色合いが薄くて頼りない感じですか,,,
鮮やかなところもあるのですが,夢の中でそこだけ浮き立っているような,,,
これも,実物の錆はもっとガサガサしている感じがあったはずです
クローズアップは
シャッターの時とは違って,この金具の錆加減は記憶通りにちょっと乾いた感じ,スチームパンクアニメに出てくるボロ機械の錆,がちゃんと表現されてます
露出の違いに敏感なのかも
90cmとあんまり近づけないので小さいものはこんぐらいにしかなりません
やっぱり鮮やかな赤が浮き立って見えますね
鈍い金属の光と,ぬめっとした壁の感触が伝わります
電話とポスト,物語を思い起こさせる色合いが出ています
みんな,ガツンとくる感じはなく ほわ〜ふわ〜 ですが弱い絵ではない
逆光や光のコントラストの強い絵は,,,
逆光ではフレアっぽさが非現実感を増長させます
太陽が映り込んでますが,ゴーストはなく,フレアっぽさも少なくかえってシャドウの黒が際立っています
レンガの質感と,ガラスの透け加減が美しい
白っぽい浮遊感と,シャドウの怖さ,鮮烈な赤,優しい質感,不思議な表現です
ボケ味は,,,
溶けるとも滲むとも違う,,,まったりなボケ味,,,かな?
掴み所のないふんわり表現かと思いきや,シャドウの沈み込みや彩度の高い色の強さ,質感を表現する繊細さ,,,いろんな顔のあるレンズです
表現のラチチュードが狭いのでしょう.その中に収まる時は繊細な質感や鮮烈な色を見せ,それから外れると明るい浮遊感や暗い闇の表現になるような,,,
フィルムの時はすぐ確認できないので,すごいギャンブル的なレンズだったでしょうね
でも今はモニターである程度確認できるので,この暴れ方を楽しんでいきたいと思います