前回に引き続いて Carl Zeiss Jena Sonnar 180mm F2.8  ですが,これはマルチコートのタイプで1976年以降の製造と思われます.オリンピアゾナー直系の最後の末裔ですね.これも,ペンタコン6マウントなので本来中判カメラ用のレンズです

このレンズ,実はジャンクとして買ったものです.「レンズはクリアで傷もないが,使用不可の部品取り用」との説明でした.「レンズ代としてもちょっと高いかな」と言い値の6掛け位のオファー(流石にこれでは無理と思っていたのですが)をしてみるとすんなり受けてもらい,買う羽目に,,,とはいってもジャンクの相場よりもかなり安いのですが,,

来てみると 

1)ヘリコイドは最近距離から少しのところでスタックしてそれ以上動かず 

2)絞り環は真ん中あたりで全く動かず

でした!!

分解してみると,絞りは,,,自動絞りになっているようなのですが,その自動絞り機構を分解したあと組み立てられなかったのか部品をただ突っ込んであるみたいでした.

ヘリコイドの方は,,,レンズ群を回転させずに繰り出すための直進キーが対応する穴から外れて曲がっています.たぶん,ヘリコイドを外したあと組み立てる時にキーを穴に合わせることができないまま無理にヘリコイドをねじ込んだため曲がってしまい引っ掛かってスタックすることになったようです

レンズ前面のフィルター枠に酷く当てた跡があるので,それを直そうとして分解したもののうまくいかず適当に組んだみたいでした

治るかどうか分からないもののレンズは本当に綺麗でもったいない!!!

で取り敢えず,,,,

絞りは,単体では動いているようなので自動絞りを復元することは諦めました(部品自体は欠品はなさそうなのですが,本来どうなっているのかが不明だったこともありますし,どうせマウントアダプターをつけてα7Sで使うのでは自動絞りは使えません).ので,自動絞り機構の部品はサッパリ外して手動絞りにしました

ヘリコイドの方は,ネジ山自体は問題なさそうだったので,曲がったキーを叩いて(ちょっと強引ですが!)ほぼ元の形にした上で仮組みをして無限遠が出るかを確認した上で本組みをしました.この結果∞で無限遠がちゃんと出てそれ以上少し回って所謂オーバーインフとなっています.このレンズもヘリコイドグリスが硬くなっていたので全て拭き取ってスクワランオイルを塗ってあります.少し軽過ぎるとも思いますが,私は硬いより軽い方が好きなので良しとします

レンズは弄らずにおこうと思っていたのですが,よく見ると第2群の表面にシミのようなものがあります.前玉を外して拭くときれいになりました.これで,光学系もジャンク決定です

 

で,今日も街で撮ってきました(なぜ,二日続けて街に出たかというと,,知る人ぞ知る「シーラカンス最中」を買いに行ったのですが前日は売り切れで今日開店前から並んでリベンジだったのでした)

普通に撮ると,,

 

 

 

 

 

 

いい感じですね

 

 

金属やプラスチックの質感もよく出てます

 

クローズアップは

 

ハッキリしているけれどもしっとりしてます

 

逆光の中では

 

 

 

 

 

 

少しフレアっぽいけれども,立体感もあり細部も潰れず,いいですね〜〜〜

 

最後に,望遠ならではの画として

おじさんたちの気分がよくみてとれます

 


ピント面とその前後のぼけ方違うのがよくわかります.前は突然どっと崩れますが,後ろは形を保ったまま段々崩れていきますね

 

オリンピアゾナーを2本も持ってどうするの,,ですが,これは素人が重整備をしたので誰かにお譲りするわけにもいきません.私と一緒にお墓に入ってもらいましょうか