注目していると書いてきたので、こちらも責任として結果を記します。

豊橋市の新アリーナ建設問題

 ところで、その投票日(20日)に行ったすみだトリフォニーホールにあったのが、これ。

 右が、富嶽三十六景のうち「東海道吉田 富士見茶屋」

 この写真じゃあ絵が良く見えないので、ネットからダウンロードしたのをどうぞ。

 参議院選挙の投票を終えてやって来たら、この絵。そうそう、豊橋も今日投票だったなと思いつつ観た。

 豊橋には仕事で2・3度お邪魔しただけの私だが、市電があったり、ゆったりとした明るい街並みだったり、おかずを見取で選べるおいしい定食屋さんがあったりして、良い印象が残っている。Bリーグに注目するようになってまたこの町に関心を寄せることになることには、ある種の感慨も覚えている。そして、この日にこの絵を見ることになるとは。

 いつもどこかでシンクロニシティ。

 ちなみに私の写真の「富士見茶屋」の隣は、やはり北斎の「諸国滝廻り 下野黒髪山きりふり(霧降)の滝」で、こちらは、トリフォニーホール近くの墨田区立北斎美術館で実物を見た記憶がある。

 

 さて、その吉田宿でこの日行われていた参議院議員選挙ではない投票。「豊橋アリーナ建設賛否を問う住民投票」。

 結果はアリーナ建設賛成派が多数となり、建設反対を公約に掲げて当選した市長は連休明けすぐに建設再開を指示した。この速さは、建設賛成派が勝つことを見越した市長が、賛成派及び既に建設工事の発注を受けていた業者側と「手打ち」したことを示している。

 こうした動きを私は中日新聞(WEB版)の報道で知るより他ないのだが、その中で、このアリーナの事業主体が東京の不動産会社スターツのグループ企業であることを知った。こうしたことをちゃんと報じてくれる新聞社に感謝。

 この会社はご存じのとおり、スポーツ支援に力を入れている。創業者会長ご自身がランニング好きなことから、自社で陸上競技部(女子駅伝チーム)を設立し、その後東京マラソンの主力スポンサーになっている。他には卓球にも大きな支援をしており、JリーグではJ2のいわきFCの主要スポンサーとなっている。

<2008年6月29日:等々力競技場(現Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu)にて撮影

陸上競技日本選手権で競技を終えたスターツ陸上競技部の選手が応援団やスタッフにお礼の挨拶をしているところ>

 

 アリーナビジネスを、Bリーグと組んだ(あくまで私見です)M建設グループに独占させないぞ、というライバル企業の力の入れ様が見える(もっとも、豊橋アリーナ建設主体の共同企業体にはM 建設グループの企業もしっかり入っている。この辺りが「共同企業体=ジョイントベンチャー」のからくりですね)。

 競争は悪いとは思わない。活性化のためには必要不可欠だ。ただ、競争には必ず敗者が生まれるということを忘れてはならない。単にスポーツの試合の勝ち負けなら良いのだが、作った大型建設物が廃墟になるのは困るので。

 敗者を生まないために「談合」するっていうのは、ありなんですかね。

 これで三遠ネオフェニックスは2026年10月から始まるBプレミアリーグ(日本プロバスケットの最高のリーグ。以下「Bプレミア」)に安心して参画できるはずなのだが、昨今の建設費高騰や人手不足によりアリーナのオープンがBリーグと約束した期日に間に合わない可能性は非常に高い。

 他にも、これから建設する、あるいは増築するアリーナを前提にBプレミアへの参入を許可されたチームはいくつかある。

 5,000人以上収容、かつVIPルーム設置などの基準をクリアしているアリーナを本拠地にすることがBプレミアの加入条件。その前提が崩れたら、Bプレミアに居続けるためにはBリーグ理事会の決議が必要と、Bリーグ島田チェアマンは明言している。これまでにBプレミア参入を「許された」26チームが全部、順調に、すんなりと来年から始まるBプレミアに入れるかどうか、実はまだ最終的な決定ではないようなのだ。

 Bプレミアの条件を満たしたアリーナは、実はまだ次の表の通り9施設10チームしかない(新設に限る)。

チーム名

アリーナ名

アルバルク東京 & サンロッカーズ渋谷

TOYOTA ARENA TOKYO(お台場)

千葉ジェッツ

LaLa arena TOKYO-BAY(船橋)

琉球ゴールデンキングス

沖縄アリーナ

群馬クレインサンダーズ

OPEN HOUSE ARENA OTA(太田)

横浜ビー・コルセアーズ

横浜BUNTAI(文化体育館)

名古屋ダイヤモンドドルフィンズ

IGアリーナ

神戸ストークス

GLION ARENA KOBE

佐賀バルーナーズ

SAGAアリーナ

長崎ヴェルカ

HAPPINESS ARENA

<筆者調べ。ただしAIの力を借りて>

(IGアリーナでは、昨日まで大相撲やってましたね)

 Bリーグの規約には、Bリーグが定めた基準を3シーズン連続で未達の場合、Bプレミアから降格と、明確に書いてある。

 そう、サッカーと違ってバスケットは、競技成績でなく経営成績での入れ替えを行うのです。

 では、金沢武士団がBプレミアに入るにはどうすれば良いのか。基準を満たした上で、降格するチームが現れるか、あるいはリーグのチーム数が拡大されるか、どちらかを待つしかない。

 

 現行のB1、B2、B3の三部で行われるBリーグは9月末に始まる。

 J1は8月9日、J2は8月2日、J3は8月16日、それぞれ3週間の「夏休み」を経て再開される。

 暑さに負けず、それまでに体力を回復して、Jリーグ前半戦のまとめをせねば・・・