2025年2月23日 鹿児島ユナイテッドVSツエーゲン金沢

(明治安田J3リーグ第2節 at 白波スタジアム:lemino)

 一週間遅れの開幕戦というのは公平でないような気もする。第2節だが金沢にとっては今シーズン初戦。相手の鹿児島は真剣勝負を先週1回こなしている。しかも場所はアウェー。桜島がバックスタンドの向こうに見える鹿児島のホーム。

 だが、勝ったのは金沢。初戦に勝利したのは久々ではないか。昨年の初戦、冷たい雨の沼津で、0対3で大敗してチームにブーイングを浴びせたことを思えば、上々のスタートだ。

 まあ昨年は沼津だから結構気楽に現場に駆けつけたけれど、鹿児島ではそういうわけにはいかない。

 金沢のシステムは昨年と同じ3-4-2-1。この「慣れ」に加え、J1町田から移籍してきた松本選手が守備に、やはりJ1名古屋から移籍してきたパトリック選手が攻撃に加わって、守備も攻撃もパワーを増した。これがアドバンテージとなった。

 この二人に、左サイドの四宮という大卒新人、パトリックの近くに大澤という大宮から期限付き移籍してきた22歳の選手。以上4名が新戦力だった。

 一方の鹿児島は昨年いたJ2から降格してきてメンバーが大幅に変わったようだ。攻撃の中心は昨年今治にいたアンジェロッティ選手。J1で活躍した経験もあるこの人をどう活かすか、模索しているような采配だった。負けていたこともあるだろうが、攻撃の選手を交代で次々と繰り出していたから。18番河村選手や73番田中選手に金沢守備は随分悩まされていたけれど、二人とも途中で下げられた。

 その采配を振るった監督も今年から。相馬直樹。そう、かつて町田ゼルビアの監督も務めた人。

 まあ、私にとっては鹿島アントラーズと日本代表の左サイドバックだけれど。1990年代に彼のプレーを何度観たことか。

 長年観ているから鹿児島にも知った選手が。2023年まで金沢の8番として中心選手だった藤村慶太。この日も8番を背負って先発したが、途中で交代した。ポジションは同じ中盤(ボランチ)でプレースタイルも全然変わっていなかったが、金沢の現在の8番大山選手と西谷(優)選手に比べると、やや分が悪かったように見えた。

 昨年から継続している金沢が、監督も選手も大幅に入れ替わって未だ練り上げられていない鹿児島を破った。そんな試合ではなかったか。

 なので、長いリーグ戦を考えると楽観など出来るはずはないのだが、今後に期待を抱かせる内容で、非常に安心した。

 2回も得点で叫ばせてもらった。83分に1点差に追い上げられてからの7分と追加時間5分の長かったこと。このじりじりした時間を切り抜けた後の開放感も久し振り。

 今年も始まったってことやね。