2025年1月25日 東京八王子ビートレインズVS金沢武士団

(B3リーグ第18節第2試合 at エスフォルタアリーナ八王子)

 初めて行く場所なのだが、全く迷わなかった。京王線狭間駅を降りると目の前にこの建物。

 既に入場者がたくさん。

 中に入ると、ロビーは結構広い。

 ひゃくまんさん(石川県の観光マスコット)のポスターも。

 私は2階自由席へ。

<試合開始30分前のアリーナ全景 バックスタンドから>

 観客に子供が多い。

 これ自体はBリーグ全般の傾向なので不思議ではなかったのだが、やがて、いつもの子供達と違うと感じはじめる。皆トレーニングウェアを着込んでおり、かつ時間を気にしている。出入りが多い。この落ち着きの無さは、子供だから試合を見続ける集中力に欠けているのではなく、ゆっくり観ていられない制約を受けている雰囲気なのだ。

 はて、何事だろうと思っていたら、このドアを見つけた。

 サブアリーナとは何だろうと思いながら入ってみると・・・

 隣で小学生の大会をやっていたのだ。これに出場している選手(子供)達は、自分の試合会場と、隣のプロの試合会場を自由に行ったり来たりしていたのであった。

 当然、親御さんたちも来ている。招待なのかどうかは知る由もないが、観客を増やすには絶好の手段だと感心。でも、これで入場者数を2,144人と正確に計測できたのが不思議。私はスマホのチケットでピッとゲートを通過したのだけれど、紙チケットもあったみたいだから。

(茶色の「紙チケット」「電子チケット」の文字を写真に付け加えてあります)

<試合開始前の選手紹介>

 八王子は歴史ある町。後北条氏が関東制覇の拠点とした地。江戸と幕府直轄領甲府を結ぶ甲州街道の重要拠点。北関東や信州から絹糸を集めて繊維産業が勃興した工業都市。

 だが、この町の名を冠したプロスポーツチームは、このビートレインズ(Bee Trains)しかない(と思う)。

 「トレインズ」が列車というのは、わかった。JR中央線・八高線・横浜線が交わる八王子駅、そして私鉄の京王線も。鉄道の町というのは、何とか理解できる。

 では、「ビー」って何?

 Beeは「蜂」だろう。

 ああ、それで「八」ね。

 北國銀行ハニービーというハンドボールのチームが石川にあって、女子ハンドボールリーグ10連覇中の、女子ハンドボール界では絶対王者と呼ばれている強豪なのだが、その名の「ハニービー」は、その通り蜜蜂。蜂って、強いというイメージなのだろう。

 蜂と八が良い洒落とは、余り思わないのだけれど。

 でも、応援コールでも八王子を強調してたよね。前面に押し出していたよね。

 第1クォーター(Q)と第2Qの間には、チアレディーとマスコットが「八王子音頭」を演ったね。

 あ、「八王子音頭」というのは私が勝手につけた曲名です。どう聞いても、ダンサー達の振りを観ても、音頭としか思えなかったから。

 この体育館の構造上の問題なのか、単にスピーカーの配置が良くなかったのか、ゴール裏では、私が各試合で賞賛しているDJの声も、この「音頭」の歌詞も、良く聴き取れなかったのだ。ゴール裏にはスピーカーが設置されていなかったらしい。だが、メインスタンドやバックスタンドでは良く聞こえた。

<メインスタンドから>

 環境にも配慮していて、このリユースカップ(かなりの回数再使用可能なプラスティック製カップ)を200円で買えば、それに飲み物を何度でも入れてもらえるのだ。

 当然、持ち帰った。

 え? 入っている透明な飲み物が怪しい?

 いや、それはだね・・・黄色い泡の立つ飲み物もね、その後に入れてもらいましたけどね。

 売店のお姉さん・お兄さん、そして観客の多くの人が、マスコットの被り物をつけていた。かわいいよね。ゲンゾー(ツエーゲン金沢のマスコット)でもあるよ。ライゾウ(金沢武士団のマスコット)のもそのうちつくれば良いよ。

 そのライゾウが八王子まで遠征して来ていた。二人(?)が協力して場内を流していたのだけれど大人気で、記念撮影を求める親子連れがひっきりなし。

 サッカーJリーグでは、アウェーチームの移動交通費と宿泊費はホームチームが持つ規則になっているのでバスケットもそうだと思うのだが、ライゾウの移動費は八王子が持ってくれたのであろうか。

 どうしても経費が気になってしょうがない私。

 

 八王子ビートレインズのマスコット「トレンチー」は虎? いや、チーターだそうです。

 道理でスピードのある選手が多い訳だ、八王子には・・・ってのは、負けた側のこじつけに過ぎないのだけれど・・・

 え? 試合のこと何も書いてないって?

 腹立ったからや。

 昨日、私がスコアだけ見て思ったことが、その通りこの日も起こってしまったやないか。昨日の反省はないのか、対策は打っとらんのか、オプション戦法はないのか・・・

 第1戦(24日)と私が観た第2戦(25日)のスコアを前半と後半に分けて書いてみる。

24日:             前半 八王子 42-42 金沢

        後半 八王子 39-22 金沢

25日:             前半 八王子 43-54 金沢

        後半 八王子 42-21 金沢

 前半は互角。それどころか、25日は11点もリードしていたのに、後半はほぼダブルスコアで覆されている。かつ、2戦目の方がやられ方がひどい。

 これが、上に「反省はないのか!」と怒って書いた理由だ。

 

 八王子の選手の質は、金沢より高い。何よりスピードがある(マスコットがチーターだからというのはこじつけではなく、本当にそう感じたのです)。

 だが、前半は完全に手抜き(八王子の選手達自身がそう思っていたかどうかは知りませんが)。ディフェンス(守備)で身体を寄せない。だからファウルがほとんどない。金沢の選手は楽にシュートを打てるから点も入る。

 その結果が前半での54点。100点ペース。このチームがこんなに得点を取るのを観たのは初めてだ。

 それに慣れて後半に入ってしまった金沢。一転して身体を寄せる激しい守備を受ける。思うようにシュートが打てないし、シュート体勢も良くないから、点が入らない。

 一方の八王子は、ドリブルを仕掛け、中央から入り込み、ゴール下を固める金沢守備の手前からシュートを放つ。無理に3点シュートを狙わず、ゴール下へ潜ろうともしない。

 これにより守備の距離感が混乱した金沢は良いようにやられる。

 しかし、こんな極端なチーム初めて見たわ、八王子。前半は流して後半勝負。

 これはチームの戦略なのだろうか? いずれにせよ、八王子の監督は、相手を見る優れた眼を備えていて、ハーフタイムに的確な指示を出せる有能な方ということだ。

 金沢のエース、スティーブン・グリーン(背番号7)は体調不良だろう。試合開始前の練習もサボってたからなあ。

 そして、第1Qはほとんど出場していたけれど、第2Qはまったく出場せず、第3Q以降の出場時間も短かった。

 勝敗が決した後では、監督に「今日はもうええよ」とでも言われたのだろう、ユニフォームの上からガウンを着込んでベンチに座ったままで試合終了を迎えた。

 かかる情けない試合に、席に落ち着いていられなくなった私は久々に立って試合を観た。立ったままでの観戦はしないでください、という注意書きがあったので、アリーナの2階席を歩きながら。

 タイムアウトの時。応援ソングが鳴り響き、チアレディー達が観客に応援を促す。それに合わせて楽しそうに踊る子供達。彼らは、ここが楽しい場所だということを頭に刻み込んだだろう。つまり、またここに来るだろう。

 私が甲子園に行くように。

 日本各地に小さな甲子園が出来つつある。

<写真は全て2025年1月25日 東京都八王子市内で撮影。トレンチーのイラストは東京八王子ビートレインズ公式サイトよりお借りしました>

 

 来週の金沢武士団の試合会場は加賀市スポーツセンター。ど地元。母も随分前から楽しみにしている、年1回の開催。

 頼むで!