2024年9月1日 サンハロンシアター第26回公演「穏やかな罅(ひび)」

(at 下北沢OFF OFFシアター)

 2021年9月にオンラインで観て以来、3年振りの小劇場劇団「サンハロンシアター」。だが、3年前はコロナ禍のために劇場に行っていないのだから、下北沢の劇場に来たのは何年振りだ?

 20年!

 2年前にもお誘いは受けていたのだが、父の病状穏やかならず応じることが出来なかった。それからも既に2年。その劇団にも運営体制の変更があったとかで、この間活動を休止していたとのこと。その再開第一弾の公演に誘われたので、行かないはずはない。

 小田急線下北沢駅を降りて

 右へ方向転換して、井の頭線のガードの下を潜ると

 すぐに目指す劇場の入るビルが

 ビル全体はこんな

 ビルには大手企業がテナントとして入り

 3階に劇場が二つ。どちらも小さい

 入口はこんな風

 シンプルな舞台装置。この写真の右(上手)には、通常なら花道と言える小さなスペースがある。左(下手)の黒い箱は、テレビになったり熱帯魚を飼う水槽になったり。

 

 私を誘ってくれたこの劇団の女優は、かつて同じ会社で遊んだ仲間。一緒に朝までカラオケボックスにいたことも。もちろん、他の仲間も一緒にね。

 その頃、この劇団もずっと観ていた。だから、何年振りであろうと、知っている、観たことのある俳優さんたちばかりだった。

 運営体制が変わったというのは、つまり辞めた人が多かったのだろう。私や件の女優と同世代、つまり50歳以上の役者数人と、他から調達した若い役者さん(トラ=エキストラ)二人での芝居だった。受付係も女優自らがやっていた。まあ、会社員としても実績挙げてる彼女だから、こんな事務仕事は簡単にこなすよ。

 

 さて芝居。観ていた私は、なぜか小津安二郎の映画を思い出していた。懐かしさとか、共感とか、同世代感とか、そんなものなのだろうか。家族関係を中心に描いた脚本の故だろうか。

 そのことを、この芝居の感想として、もっと詳しく、赤裸々に、なまめかしく、かつての遊び仲間の女優にメールで書いて送信したのだが、どう思われただろうか。

 舞台がはねた後、その女優と直に話した。彼女はもちろん来場御礼の言葉から述べるし、実際に入場料を私からもらっている以上、その枠からはみ出す発言をその場でするはずはない。

 私は言った。

「今日の役者さん、みんな昔から観ているからね。何だか、一緒に歳を取りましたね、って感じだよ」

 女優は私より年下。どう思ったことか。作品への共感と取ったか、批判と取ったか。かつての鋭さが、批判精神がなくなったぞ、と受け取られたか。

 だが、彼女の表情は、そうは受け取っていないように感じた。

 とにもかくにも、20年の時を経ても、まだ続けていることは素晴らしい。言い古された科白だが、元気をもらったことは間違いない。下北沢に行って良かった。

 

「まだまだ次はあるよね、お互いに。」

 女優に送ったメールの最後に、私はこう書いた。

 私の「次」とは何かと考えもせず・・・