本日(8月5日)JR東海は、去る7月22日(月)に東海道新幹線の東京・新大阪間が終日、運転できなかった事故の原因を公表した。保守車両同志が衝突して脱線したのだが、それは、交換すべきだった保守車両のブレーキをそのままにしていた保守作業の誤りということだ。

 事故により完全にストップした区間は浜松と名古屋の間だけだが、東京から見れば運転されたのは浜松行きの「こだま」のみ。名古屋・京都・大阪へ新幹線で行くことができなかったのだ。大阪からは、東京へ行けなかったということ。

 丁度この7月22日、大阪市内で、北陸新幹線の早期全線開通を促進する会合が開かれていて、大阪府の吉村知事も出席していた。

 その会議後に記者団に語った知事の発言。

「やはり大動脈が東海道新幹線一本だけだとおぼつかない。災害時や緊急時に、人の移動手段として東海道新幹線一本だけでなく、日本海から北陸まわりで東京と大阪がつながる北陸新幹線が1日も早く全線開業することは重要だと思う」

(MBS(毎日放送)ニュースWEB版より)

 そうだ、そうだ!

 

 この様子を報じた中日新聞(同日夜のWEB版)によると、北陸新幹線は既にかなりの人に東京・大阪間の「バイパス」と認識されている。

「東海道新幹線で一部の列車を除いて始発から運転を見合わせた影響で、乗客の一部は移動手段を北陸新幹線へ振り替え、昼前から夕方にかけて東京―敦賀間は上下線とも『軒並み満席』(JR西日本金沢支社)となった。

同支社によると、朝には空席があったが、午前11時以降は次々とほぼ満席の状態に。『はくたか』を計2本増発するなど利用増に対応した。」

 (7月23日:中日新聞WEB版より一部カットして引用)

 

 石川県の動きについては以前もルポしましたが(7月18日の拙ブログはこちら)

 

 

 7月26日にもこんなことやってました。

「石川県の自治体や経済団体などでつくる北陸新幹線建設促進石川県民会議は26日、金沢市で総会を開いた。現行の福井県小浜市を経由する【小浜・京都ルート】だけでなく、東海道新幹線の米原につなぐ【米原ルート】の再検討を国に要請する決議を採択した。」

 (7月26日:中日新聞WEB版より一部編集して引用)

 8月1日、福井県は反撃する。

「(福井県の)杉本達治知事は1日の全国知事会議で、北陸新幹線で未着工となっている敦賀―新大阪間で、【小浜・京都ルート】による2025年度末の認可・着工に向けて、各都道府県知事に理解と協力を求めた。『北陸新幹線は一日も早く大阪までつながなければならない』と強調。【米原ルート】の再考を求める動きを『【米原ルート】では乗り換えが発生し、移動時間や料金が増える』とけん制した」

 (8月1日:中日新聞WEB版より一部編集して引用)

 

 「敦賀分断」を早く解消したい石川県が、4兆円という膨大な建設費【小浜・京都ルート】を攻撃して【米原ルート】を推進。加賀市長は先頭に立ってこれを後押し。一方、若狭の人に新幹線を約束してしまっている福井県は【小浜・京都ルート】を捨てられない。

 石川VS福井。まだまだ続く。