留守番の土曜日の朝。NHK「チコちゃんに叱られる」を観る。昨晩の再放送か。

 その第2問。

高校野球の応援歌にはなぜ「懐メロ」が多いのか。

 さして熱心な視聴者ではなかった人間が急に超熱心な視聴者になった。実際に石川県立野球場と甲子園で楽器を吹いた経験のある人間なのだから、当たり前と言えば当たり前。

 この問題の正解を述べる「専門家」さんは、ああこの人ね、って感じで、この方の文章を読んだことがあったので、私は正解を知っていた。高校野球の応援に絞って吹奏楽部を取材・研究されている女性で、それはそれでわからないでもないのだが、元吹奏楽部員としては、本来の吹奏楽はちょっと違うで、と釘を刺しておきたいところだ。

 それはさておき、ここではこの方の取材・研究成果をお借りして記録しておくことに。

1.有名な曲の作曲年

1959年:ファンファーレ 天理高校

 オリジナル高校野球応援曲の最初とされる

1965年:コンバットマーチ 早稲田大学

1966年:ダッシュKEIO 慶應義塾

 

 コンバットマーチとダッシュKEIOより天理高校のファンファーレの方が先だったという事実に驚いた。

 3曲とも演奏経験はあるが、いずれも楽譜を購入してはいない。聞き覚えから自分たちで楽譜を起こしたものだ(以前にもこのブログに書きました)。

2.昨年の甲子園大会で演奏校の多い曲ベスト5

第1位:サウスポー(ピンクレディー)

第2位:ルパン3世(作曲:大野雄二)

第3位:紅(X JAPAN)

第4位:狙いうち(山本リンダ)

第4位:パラダイス銀河(光GENJI)

 

 5曲中3曲は私が高校生の頃にも存在していた、まさしく「懐メロ」。うち、サウスポーとルパン3世は演奏した記憶がある。実際に野球部の応援で使用したかどうかは定かではないが。

 ルパン3世は部員みんなが演奏したがった。管楽器プレイヤーにとって「超格好いい曲」で、映画「犬神家の一族」の音楽やNHK「小さな旅」のテーマなどを手がけたジャズミュージシャン大野雄二による名曲中の名曲だ。今でも指使い(ユーフォニウム)と右手の動き(トロンボーン)は覚えているよ(もちろん全部ではないが)。

 時代は遡り、中学の時。周囲に一番受けたのは「宇宙戦艦ヤマト」と「横須賀ストーリー」(山口百恵)だったなあと思い出す。

 「横須賀ストーリー」は、練習でやってみたらノリが良くて、部員の間に「これは行ける!」との合意が自然に、会話がなくとも、醸成された。指揮の先生(女性)も

「これ、いいがいね。みんなやっとって楽しそうや」

 と強力に推し、学校内で「歌謡曲」を生徒に聞かせることに良い顔をしなかった一部の(だと思う)教師の反対を押し切って、全校生徒の前で演奏する機会をつくってくれたのだった。

 もちろん、演奏したのはこの曲だけではなかったのだが、それが何だったかまったく思い出せない・・・

 「宇宙戦艦ヤマト」は、市内の中学校対抗の運動会みたいな催しで、隣の中学校の吹奏楽部と合同で演奏した。応援団として吹奏楽部も集まっていて、折角だから一緒に演奏できる曲がないか話し合ったところ、どちらも「宇宙戦艦ヤマト」を同じ楽譜でやっていたのだ。

 ところが、いざやってみると全然合わない。お互い、下手だったんだなあ・・・

 などと、しばし思い出に耽る・・・

 

 さて、チコちゃんの問題の正解。

活躍した先輩に演奏されていた曲で自分も応援されたいから

 かくして、高校野球の応援曲は綿々と受け継がれているということらしい。

 現在の中学生や高校生が私と同じ曲を演奏しているというのは、オールド吹奏楽部員にとっても楽しいことだ。吹奏楽部も、その意味では、高校野球の恩恵にあずかっているのかも知れない。

 

 ところで、サッカーのサポーターでもある私だが、サッカーの応援歌(チャント)と野球の応援歌にはほとんど共通の歌がない。唯一の例外が、「チコちゃん」でも某元高校野球選手が自分の応援歌として紹介していた「海のトリトン」だ。この曲は、サッカーではJ1京都サンガのチャントとなっている。

 件の選手はアニメ「海のトリトン」を、観たことはないのはもちろん、アニメであることもやっと思い出したくらいだった。半世紀前の作品だからね。

 かく、文化は継承されるのであろう。