2024年5月3日 町田ゼルビアVS柏レイソル

(明治安田J1リーグ第11節 at 町田GIONスタジアム)

2024年5月4日(3日深夜) U-23日本代表VS U-23ウズベキスタン代表

(U-23アジア杯決勝戦 at ドーハ:NHK総合)

 女性の声が聞こえた。

「お花畑みたい!」

 黄色いユニフォーム姿で柏から押し寄せた皆さんを含め1万2千人の観客を集めた好天の休日。町田市立陸上競技場。私はホーム側ゴール裏に入った。

 同じスタジアムでアウェー、ホーム両方のゴール裏に入った経験のある人間など、そうはいないだろう。

 だが、陸上競技場のゴール裏は、私には浦和駒場スタジアム以来、馴染みの場所。今年だって沼津と富山で経験済み。どちらも寒くて震えていたのに比べれば、こんなに気持ちの良い天候の下で観戦できるなんて夢のよう。ずっと立ちっぱなしでも苦にはならない。というか

ゴール裏は立って観る場所

 という認識しか、私にはない。

 主催者がチケットを売り過ぎたのだろうか。この競技場はゴール裏もちゃんと個席になっているのだが、空席はまったく見当たらなかった。運営スタッフが、私のように席を探している人に声を掛けて空席探しを手伝ってくれたのだが、ついに席を見つけられず、私は通路の一番上での立ち見となった。

 あ、断っておきますが、消防法があるので、座席数以上のチケットを販売することはありません。町田ゼルビアの名誉のために申しておきます。

<試合開始の選手入場時の町田GIONスタジアム、ホーム側ゴール裏席>

 座席上に掲げるフラッグの下に入るのは何年振りだろうか。昔よくやったなあ。懐かしい感覚を覚えた。

 これだけの人が集まると、どのお店も行列。当然、呉越同舟。

<とり天丼高菜明太子ソース>

 このため、この丼ばかりか時間も食ってしまい、座席に入るのが遅れに遅れたのだった。別に悔いているわけではないが。

 もう、かき氷が売られていた。それだけ暑かった。

 子供たちが多かった。子供たちは前に行く。その方が親御さんの視界から消えないから良いよね。

 何故か集まる子供たち。知り合い同志には見えなかったのだが。

「6日(次のゼルビアの試合がある)京都に行くよ」

「泊り? よく(宿)とれたね」

 などという大人の会話も聞こえる。

 やはりJ1のブランドは効果絶大のようだ。昨年は3千人台の観客数のこともあったのに(2023年4月8日のブラウブリッツ秋田戦の観客数は私を含めて3,219人)。

 先のフラッグといい、写真に写っている応援リーダーの皆さんといい、サポーター組織も整備された。

 いつものように徒歩で来た私だが、途中のバス停で、ゼルビアのユニフォームを着た人を5人ほど見かけた。鶴川駅からスタジアムまでの直通バスの通り道であるが、それらバスは直通なので途中には一切停車しない。つまり、その方々は通常の路線バスでスタジアムに向かうのだ。ということは、そのバス停の近くに、つまり私にとって近所にお住まいの方々だ。

 昨年まで、こんな風景は一切観ていない。私は一人で、歩いて、山を登って行ったものだ。

 歩いて行くのには、この目的もある。

 これで600円。

 写真でおわかりかと思うが、旬は過ぎている。「食べるところあんまりないやろうな」と覚悟して買った。実際そうだった。なので、1本当り300円という価格は、僭越ながら、妥当だと思った。

 

 話が逸れた。

 試合終了後にはスタジアムの外で、昨年まで町田の選手だった太田宏介さん(私がアウェー側ゴール裏で見た10月29日のツエーゲン金沢戦が引退試合だった)と、元東京キー局のアナウンサーによるトークショーがあった。

 太田さんから、黒田監督の練習のやり方やモチベーションの持って行き方が聞けるなど、楽しめる内容だった。それもあって、最後まで聞いた。トークショーの終了は試合終了からほぼ1時間後。

 それでも、鶴川駅行きのバス乗り場の行列はこの長さ。このスタジアム最大のネック。

 そして、件のトークショーは、帰り客分散を狙っての苦肉の策でもあることを知る。

 帰り道で見つけた菖蒲。そうそう、菖蒲には黄色いのもあるんだと思い出した。黄色いチーム相手の時に見つけたってわけだ(何の意味もないけれど)。

 

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 さて、そのトークショーでも盛んに触れられていたが、この日の夜、U-23アジア杯の決勝戦(日本VSウズベキスタン)があった。この代表チームには町田から藤尾・平河、柏からは細谷の3選手が選ばれていて、3人ともその試合に出場した。

 私もテレビ観戦した。結局、なんだかんだ言ってこの大会の日本代表の試合は全部観てしまった。

 結果はご存知の通り日本の勝利=優勝。

 町田に関する話に焦点を当てて書くと、私がこの大会で驚いたのは藤尾選手の起用法だ。彼は背も高いし身体も強いので、町田では主に中央で使われていた。だが、U-23日本代表の大岩監督(私にとっては名古屋の選手としての記憶が大きい)は彼を右サイドで使うことがほとんど。決勝戦もそのポジションで先発した。この試合では相手のウズベキスタンが強かったのであまり活躍できなかったが、準決勝まではこのポジションで効果的な攻撃が出来ていた。

大岩さんの起用法を黒田さんが参考にするかどうか。

 サッカーの戦術の話を続けると、町田VS柏の試合では町田の荒木選手が2得点いずれにも絡む大活躍で、試合後のヒーローインタビューも彼だった。実は、先日の本ブログで私はこの選手に苦言を呈している(磐田VS町田戦をテレビで観た感想として)。私には、彼はサイドの攻撃的選手だという先入観があって、U-23日本代表に選ばれた平河選手や、怪我で離脱中のところをようやくこの日(5月3日)の試合に途中出場して復帰したエリキ選手の代役は務まらない。そんな感想だった。

 ところがこの日の柏戦。黒田監督は彼を中央で起用した。そして前述の大活躍。

 やられた。やはり監督は選手をしっかり観ているよ。

 藤尾が中央で荒木がサイドという、これまでの起用法が変わるのか。カタールから藤尾が帰ってきたときの黒田監督の起用法が楽しみだ。

 柏戦についてもう一つ書くと、この試合は黒田監督の、相手の良さを消すという戦法がよく表れた試合だった。柏は、まったくと言って良いほど何も出来なかった。それが、攻撃の中心選手・細谷がU-23代表に行っていて不在だったためかどうかはわからぬが、攻撃に変化をつけることの出来る選手がまったくいなかった。中盤では、昨年まで自チームにいて今年から町田に移籍した仙頭選手にことごとくボールをカットされた。

 もちろん、試合前の選手紹介で彼の名が呼ばれると、黄色いお花畑からは強烈なブーイングが涌き起こった。

ちなみに、この日のサポーターの声量は、柏が上回っていた。

 

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 U-23アジア杯の大会MVP(最優秀選手)は日本の藤田選手。東京ヴェルディのJ2時代に彼を観て、これはすぐにJ1に引き抜かれるな、代表にも行くかもな、と感じたのを思い出す。

 ほぼその通り。彼は徳島(J2)、横浜F・マリノス(J1)を経て現在はベルギーでプレーしている。23才以下という年齢制限のない日本代表に入る日も近いだろう。

 ということで、藤田選手を実際にスタジアムで観たことがあるはずだと思って調べてみたのだが、彼がヴェルディにいた2019年と2020年のうち、2019年は確かに3月9日に味の素スタジアムに行っているものの(東京ヴェルディVSツエーゲン金沢)彼は出場しておらず、2020年はコロナ禍による試合日程の変更もあって味の素スタジアムに行っていなかった。

 そうだよ、2020年は味の素スタジアムのチケットを買っていたのにコロナ禍で試合が中止となり、払い戻しを郵便局で受けたよ。思い出した。もう4年前だ。

 藤田選手のことは、テレビなどで「敵」を研究していたところで余程印象に残ったのだろう。それだけの選手ってことだ。

 早よ東京ヴェルディと対戦できるところまで行きたいなあ、ツエーゲン金沢。

 あ、FC東京でも構わんのやけど。

<2019年3月9日:東京都調布市味の素スタジアムで撮影>

 この頃から比べると金沢のサポーターも増えたなあ。

 2020年は行けなかった味の素スタジアムに2021年は行ったのだが、アウェー席が用意されなかった。

<2021年3月20日:同じく味の素スタジアムで撮影>

 30年も観ているといろいろなことがあったなあ。

 でも、ゴール裏で、立って観るのは、変わっとらんわ。