私的「弥生の北陸」の掉尾を飾るのは、ようやく訪ねることができた

能美市九谷焼美術館

 素晴らしい施設なので、美術全般にご興味のある方、是非訪れてください。

 エントランスホールから素晴らしい。

 修繕工事が入っていたので、その道具が写ってますけど。

 内側から庭を眺められます。西洋的なスクエアと和式の庭園が合体したようなユニークな空間。写真が下手で、自分の感動を表現できていないのが悔しい。

 常設展は、テーマによって部屋が色分けされています。

 青は伝統的和風:

赤は明治以来の洋風:

黄色は焼物の作り方など教育的展示:

 下の地図を見ると、山沿いに窯が並んでいる。ということは、そこで陶土が産出するのでしょう。山代温泉も、その名の通り、山際にある町です(黄色矢印がこの美術館、赤は山代温泉)。

 昔のスケッチなど、貴重な展示も。

 さて、外に出てみる大きなモニュメントが。

 それに誘われて中に入っていくと、素敵な庭が迎えてくれる。

 大陶芸家の名を冠した「浅蔵五十吉記念館」。

 中は細長い一つの展示室。

 そしてエントランス。ゆったりしていて寛げる空間。

 外の足下には笹。北陸には笹がよく似合う。

 かく、能美市九谷焼美術館(KAM:Kutani porcelain Art Museum)見学は終わりぬ。

 北陸新幹線・小松駅からおよそ8キロ。ゴールデンウィークには九谷焼市が開かれ賑わいますが、それ以外はゆったりと過ごせますよ、他に何もないから・・・(温泉町みたいに観光化していないという意味です)。

 

 

 

 

 この美術館は山の上にあるのだが、そこへ上っていく途中にあるのが狭野(さの)神社。

 神社は「狭野」だが、所在する地区は「佐野」。神社が字を変えるケースは良くありますよね。

 そして、写ってるでしょう、雪が。おかげで慌てて帰る羽目になりました。

 鳥居が何重もある大きな神社です。そして、別宮として陶祖神社があります。やはり、九谷焼の陶工さんたちの守護神なのですね。

<以上2024年3月21日撮影>

 最後に、小松市立「宮本三郎美術館」から。

 北陸新幹線開業記念として「長谷川町子がやってきた」との催しがあり、サザエさんの原作者が歌舞伎に関して描いた作品などを展示していた。

 長谷川町子は歌舞伎ファンだった。「いじわるばあさん」に、「忠臣蔵」を演っているのに途中から科白が「源氏店」に変わっていって観客が笑うというネタがあるのを覚えている。

 小松市で長谷川町子の展覧会が開催された理由を推量するに、宮本三郎美術館は、生地・石川県小松市と活動及び終焉の地・東京都世田谷区にあって、この両者の交流からであろう。世田谷区には長谷川町子美術館があり、歌舞伎の町として(「勧進帳」の舞台にして当代市川團十郎の襲名披露興行も行った)売り出している小松市が、長谷川町子美術館に歌舞伎関連の物が多くあることを知って、世田谷区を通じて連携を打診した。そういうことであろう。

 長谷川町子作品の画像は、上の入口の立て札(らしき物)だけでご容赦を(作品の撮影は許可されていたのですが、ここに掲載するとなるといろいろとね)。脇に消火器が写っているのがリアルでしょ。

 ということで、我が郷土が生んだ偉大な洋画家・宮本三郎の作品で今回展示されていたものの中から「鼓」を載せて、本「弥生の北陸」シリーズを終わりとします。

<2024年3月22日撮影:「鼓」石川県立美術館蔵>

 

 

 

 

世田谷区のはこちら

 

 

 

 

 ここまで読んで下さった方がおられれば感謝に堪えません。