見た瞬間、
「あ、子供の頃よう食べとった。何て言う魚やったけ?」
と思わず口に出た。
「メギスや、メギス」
食したのは40年以上ぶりだろう。旬がこの季節の魚である。盆と正月とゴールデンウィークにしか加賀に来ない生活を40年以上続けている人間がこの魚に出会う機会がなかったのも、宜なるかな。
片手くらいの長さの、細長い、透明に近い色の魚。皮が堅い。少し炙ってから塩茹でする。すると、炙った皮がはげ落ちて、肉に直に塩味が染み込む。
発泡スチロールのトレーに入っていることでおわかりのとおり、魚を買ってこの調理を行ったわけではない。総菜として購っただけである。地元の家庭料理を地元の鮮魚店が守ってくれている。
茹でて柔らかくなるので、骨もすんなりと抜ける。
この魚についてネット検索していたら、この料理を「石川・福井の郷土料理」とズバリ書いているサイトがあったので、いかなるサイトか私が保証できるものではないが、アドレスを掲載しておきます。
ここでは「ニギス」という名になっている。そこからお借りしたこの魚の姿が、これ。
微妙な塩味が味わい深い。食欲をそそる・・・前に、これになってしまった。
<清酒「手取川」:石川県白山市吉田酒造店の製品>
いやあ、肴も酒もうまいのでついつい飲み過ぎた・・・(単なる言い訳)。