まったく期待していなかった今年のNHK大河ドラマ「光る君」だが、意外と面白く見させてもらっている。

 何故かと考えてわかったことを。

 

1.これは「時代小説」

 「時代小説」の「時代」とは江戸時代のことだ。このドラマはその描き方となっている。

 身分社会という「変えられない構造とそのルール」を設定しておいて、その中でキャラクターを設定し動かす。

 マンガやアニメにもある、フィクションの作り方である。

 

2.言葉が江戸っ子

 身分による言葉の違いがきっちり書き分けられている。だからか、庶民の話し言葉が私には江戸っ子言葉に、というか、近頃関東の若者が使う言葉にしか聞こえないんだよね。

 

 以上の理由により、私には舞台が京ではなく江戸にしか思えない。

 小遊三師匠が出演していたせいもある(昨年、三遊亭小遊三師匠が町田市民ホールに来られたときに聞きに行った)。

 そうそう、小遊三師匠(の役)が店を開いているなどした京の中心繁華街を六条ということにしているけれども、これは史実に基づいているというより、源氏物語を踏まえてのことでしょうね。

 だから、私にはこのドラマは次のように見える。

 

 天皇 = 将軍

 上級貴族 = 幕閣・大大名

 下級貴族 = 旗本・御家人

 

 時代小説にあって今年の大河にないのは、貴族に賄賂を贈る大商人くらいのものだ。

 私が現在挑戦させられている・・・じゃない、挑戦している「全作品読破!」作戦の

佐伯泰英

 と比較してみる。

 

◆佐伯泰英の描き方

 佐伯は、実在の人物も登場させる。それらは「身分の高い」人たちで、歴史上記録が残っている。佐伯はそれら史実を「縛り」として物語をつくっているようだ。

 徳川家重の生没年や、田沼意知が暗殺された日を変えるわけにはいかない。

 同じく、藤原道長の生没年や、寛和の変が起こった日を変えるわけにはいかない。

 それらは「歴史」である。

 いくら今川義元を優れた人物に描こうと、桶狭間の戦いの結果を変えることはできない。

 いくら徳川慶喜を立派な人間に描こうと、王政復古の御前会議に彼を出席させる訳にはいかない。

 いくら藤原道長が嫌らしい人物であったとしても、途中で暗殺されるわけにはいかない。

 いくら花山天皇がどうしようもない人間であったとしても、退位の経緯を変えるわけにはいかない。

 これらは「歴史」である。

 

 では、佐伯の小説が歴史小説かというと、そうではない。故に、今年の大河ドラマは「時代小説」である。

 時代小説であれば「歴史」になっていない部分は100%フリーに描ける。「光る君」の紫式部に関する部分は、今のところ100%フィクションだろう。

 

3.大河ドラマの伝統も守っている

 ところが、旧来の大河ドラマの構造をも踏襲しているのが面白い。

 大河ドラマでよく描かれる時代と言えば、戦国時代と明治維新。その構造をきちんと引き継いでいる。

 

①戦国時代のような権力争い

 勝者はわかり切っている。「歴史」だから。

 なので、藤原道長が今後どうなるかは、わかりきっている。

 だが、戦はない。戦のない権力闘争をどう面白く描くか。

 銀行を舞台にした、よく土下座していたあのドラマ、それに山崎豊子作品のような・・・

 そんな感じになるのではないかと推測している。

 

②明治維新のような成り上がり

 明治維新は下級武士が上部構造をひっくり返して政権を取った。

 「光る君」も、地位と権威はあるがカネと力がない下級貴族が主人公だ。

 そこから成り上がっていく主人公・紫式部。分野は政治ではなく文学だけれど。

 

時代小説

戦国時代

明治維新

 

 この3要素を擁してドラマは進む。だから私は面白がってみているのだろう。

 

4.来年へ続く

 小芝風花の来年(2025年)の大河ドラマへの出演が決定した。

 最近この人をよく見る。

 「大奥」(フジテレビ)は見ていないが、2月初めまでNHK-BSでやっていた「あきない世傳 金と銀」は見ていた。なぜなら原作(高田郁著)のファンだから。

 これも観ていないが、我が故郷加賀市を舞台としたただいま公開中の映画「レディー加賀」の主演でもある。旅館の若女将役。

 

 

 着物着る役ばっかり。

https://books.rakuten.co.jp/rb/17718215/?scid=we_bks_genre_all_pla-all-shopping_20230919&gad_source=1&gclid=CjwKCAiAuYuvBhApEiwAzq_YiYmgLzyN7NzVon1ESEWXyxEYuHW8CHRab5JxRVZRmN06dICNYDG-2BoCri0QAvD_BwE

 

 「あきない世傳」に関してだが、全13巻プラス「スピンアウト編」2巻(前後巻で、2月29日発売の後巻も購入済み)に及ぶ原作を、NHKの8回のドラマは4巻の途中までしかやっていない。なので、続編に含みを持たせている。

 しかし、来年、主演女優が太河ドラマに取られるということは、続編の制作はないのであろう。

 評判良くなかったのかなあ。私は面白く見てましたけどね。相手役の加藤シゲアキの演技も良かったし(このドラマで知ったよ、この直木賞候補作家を)。

 

 来年の大河ドラマは、ずばり江戸時代ど真ん中。来年も時代小説の世界になること間違いなし。

 

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「へえ、ひな祭り版モンブランね」

 と連れが買ったケーキを食す。

 食いさしで恐縮ですが、中身が余りに素敵だったので撮ってしまいました。

(購入店:銀座コージーコーナー新百合ヶ丘オーパ店)

 菱餅を模する遊び心が楽しいね。

 

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 東京マラソンやってる。

 第1回は2007年2月18日。冷たい雨の中応援に行ったなあ。

<スタート前の西新宿東京都庁前>

<スタート直後の西新宿>

 当時のゴールは有明の東京ビッグサイトでした。

 陸上競技も見てきてますよ、私は。

 3月3日の雑感、失礼しました。