これがないと正月いう感じがしないので買ってきました。
<福梅:中身は年が明けてから>
神保町(東京都千代田区)の森八。金沢の老舗和菓子屋・森八さんの東京店です。
入ると、正月前なので当然、目立つところに箱入り福梅。福梅だけの箱と、他の菓子との詰め合わせの箱。そんなに、ようけ(たくさん)は要らんしなあ、と小さな店内全部を見渡しても、福梅だけの箱は10個入りが最も少ない。
10個でも多いと思った私は店の人に聞く。
「福梅は10個入りから?」
このときの私の「福梅」の発音は、おそらく「ふくんめ」になっていただろう。
正月前に福梅を買いに来る客が来ない訳のない森八の店員さんは慣れたもので、さっと展示棚の引き出しを開け、
「こういう袋を用意してございまして、6個入りでご用意できます」
<6個入り袋の写真>
「これでいいですわ。お願いします」
ということで、森八さんの売上にはあまり貢献しなかった。でも、これで一応加賀の正月にはできそう。
あ、しもた。辻占はないのか聞いてみるべきだった。
金沢の森八は余りに有名なので、山代温泉の
瑓永昌堂
を紹介します。
ここです、ここ(黄色の枠)。山代温泉の中心・湯の曲輪の一角を占めている、黒い、シックな建物です(ちゃんと撮ってなくて済みません)。
形は福梅と同じく梅鉢。
しかし、この店は本来は羊羹屋。
最近は一口サイズしか売れないのです。
ドメイン名を読んでください。「よるのうめ」。
夜の梅
これがこのお店の出世作で、羊羹の中に小豆の粒が入っていて、それが夜の闇の中に咲く梅の花に見えたところから商品名を「夜の梅」にした由。
関西や中京方面から団体の観光客が押し寄せた時代に売れに売れ、老舗はさらに地盤を強固にしたとか。
もちろん、このお店も福梅を作っています。この時期だけ。
7月朔日の氷室饅頭と正月の福梅。加賀の和菓子の二大「季節限定品」。これらをつくらない加賀の和菓子屋はない。
私が森八東京店に来るのも6月末と12月末だけ。まあ、それでも「行かなあかん」と思わせるイベントが年に2回もあることが、無茶苦茶すごいことなのかもしれんね。