前半8分。秋田の選手がハーフライン近くでボールを奪うと、すぐさまシュートを放った。町田のゴールキーパー(GK)が前へ出ていたからだ。

 それを私は、この角度で観ていた。

 私の前の座席で試合を食い入るように真剣に見つめているのは町田ユースの選手の皆さんです。

 その正面にあるゴールに向かって、秋田のシュートが飛んでいきました。

 で、ゴールに飛び込んだボールを町田GKは腕一本で掻き出したのですが、その位置は次の写真の赤丸の辺りだったように思います。

 明らかにゴールマウス内でした。ネットが揺れなかった故に、はっきりとしたゴールには見えなかったのですが、

「あっ! 入った」

 と私が叫ぶと同時に何人かの若い声が聞こえました。

「ああっ!」

「入ってる!」

 私の声が大きかったのでしょうか。そこは、サポーターと「見学」の立場の違いでしょうね。数人のユースの人たちが振り返って私を見ました。

 主審は・・・

 ゴールのポーズをとっていない・・・

 町田ユースの皆さんと私は向き合って苦笑い。

「ない、ない!」

「なかったことにしような、今の!」

 という若い声が飛び交いました。

 試合はそのまま続きました。

 

 秋田の選手が、あるいはベンチが猛抗議をするかと思ったら、さにあらず。主将らしき選手が主審に質問するような体でしばらく試合は中断しましたが、何事もなかったように試合は再開しました。

 抗議して試合が混乱するより、抗議しないことで試合を自分たちのペースに引きずり込もうとしたのなら、単純にフェアプレーとは言えない、秋田の深謀遠慮。一概に私の考えすぎではないように思うが、如何か。

 

 この場面。本日火曜日(4月11日)公開されたダゾーンの独自番組「ジャッジリプレイ」で取り上げられました。

 この番組は、毎週火曜日に前週のJリーグの試合の中から、ジャッジの上で疑問のあったシーンを取り上げて元審判と元選手が議論するもの。サッカー、フットボールの本質を問う興味深い番組なので私もほぼ毎週、火曜日中はあまりないにしても視聴しているのだが、そのため、ツイッターにハッシュタグ「#ジャッジリプレイで取り上げて」をつけて投稿することで、この番組が取り上げる判断材料になることを知っていた。

 で、私はツイッターに投稿しました。ツイッターによると、数百人の方が私の投稿を見てくれたらしいです。

 だから番組で取り上げられたのかどうかは知る由もありませんが。

 

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 町田ユースの選手達の反応は、当然とは言え、私とは違っていた。トラップとか、身体の入れ方とか、ドリブル抜きとか、個々のプレーに歓声。

「うわ、うめえ!」

 とか

「ああ、そうやるのかあ」

 とか。

 そりゃあ、プレイヤーの見方はサポーターとは違うわな。

 アウェー側に近い席にいたこともあり、秋田サポのチャントがよく聞こえる。そもそも、この試合の秋田サポの気合いは凄まじく(前回書いた「引き抜き」の恨みだろうか)、ほぼ90分間歌いっぱなしだった。

 なので、町田ユースの選手達の中には、それに合わせて歌ってしまう子(思わずこう書いてしまう!)までいた。町田サポにはあるまじき行為だけれど、そんなんどうでもええ、集中して試合を観て、入り込んでいたんやね。

 そのユースの選手達の中には、私の判断だけで言いますが、東アジア(どこを指すか厳密ではありませぬが)でない民族の血を受け継いでいると思われる人が3人いた。

 

 最後に、試合前の副審のトレーニングの様子を。

 この方が、余りのロングシュートだったためにボールを追いきれず、ゴールを横から、つまり私と町田ユースの皆さんと同様の角度から見ることができなかったために、秋田のゴールは認められなかったのであろう。

 でも、審判さんたちもこうして試合前に入念に準備をしているのです。審判も応援しますよ!

 

 咲いているサツキから、これから咲くサツキまで。季節は進む・・・

<いずれも2023年4月11日、東京都町田市内で撮影>

 

 J2ネタにお付き合いいただき、ありがとうございました。