ワタシは…
「私が死んだら、業者に頼んで全部処分してね」と母から承っていたワタシ。
母の目論見は外れて(ワタシにとっては想定の範囲内だが)生きているうちに全部処分するハメになった。
言われた通り、何も手を付けずに業者におまかせしてもよかったのだが。
時間をかけて、丁寧に実家じまいをしたかったのには、理由がある。
それは、連れ合いの「実家じまい」の反省から。
連れ合いの実家は名古屋の市営住宅。
ワタシのほうよりはずっと新しいが、賃貸の団地である。
連れ合いの母(姑)も、夫(舅)が亡くなったあと、10年以上一人暮らしをしていた。
ときどき入院騒ぎなどがあって、そのときは地元にいる次男家族が主管していたのだが。
いろいろあって関係が悪くなり、途中から、関東地方にいる長男が遠隔で管轄するようになった。
長男家族と次男家族は、犬猿の仲である。
これもワタシの母とよく似たパターンだが、姑は熱中症?で倒れていたところを発見されて、「一人暮らしは、もう無理」となり。
長男家族の住む地域の施設に移った。
そのときに、長男が業者を頼んで、がーっと実家を片付けてくれたらしい。
そのとき、三男である連れ合いには声をかけず、いくらか残してあった彼の「私物」も「勝手に」捨ててしまったと。
それがけっこうご不満だったらしくて
未だにときどき、思い出したように口にする。
連れ合いは、基本的に愚痴や「他人の噂や悪口」が少ない人間なので、これは相当、イヤな経験だったのだろう。
長子長女であるワタシからすれば、「捨てられたくなければ、さっさと手元に持ち帰っておけや!」というところだし。
若干めんどうくさくて、次男(故人)・三男から煙たがられている長男に対して、ワタシは同情してもいるのだが。
そんな先行事例があったから。
ワタシ自身は、実家じまいにあたって、ちょこちょこと妹に打診してきたんだが…。
少しは協力してくれるかと、「期待」しながら…。
杞憂でしたね
まったく!まったく!
無用の配慮でした。
邪魔はなかったけど、協力もなかった。
仕事のオーバーヘッドを増やしただけでした。
「ほかのひとが、自分と同じだと、思わないほうがいいよ」
20年近く前、年下の先輩から助言されたことを、久しぶりに思い出したよ。
「何もしないのに、口だけ出す」タイプの親戚やきょうだいもいるらしいから。
「邪魔はなかった」だけでも、「御の字」ではある。
ともあれ、「実家」はなくなった。
「実家へ帰ります」は、もう言えない。
言ったことはないし、言いたいと思ったこともないがね。
実家へ帰らなくても、ワタシはどこへでも行っちゃうから